この世の一年はあの世の一日 おじさんのつぶやき
おじさんは自分のことをおじさんと呼んでいた。以下はおじさん自身のつぶやきである。
おじさんは今、夕方くらいの明るさの道を、下を向いて歩いている。周りにもたくさんの人がいるけれど、体が触れ合うほどではない。目だけ動かして周りを見ると、みんな下を向いて歩いている。
おじさん、死んだんだ。気がついたら倒れていた。みんなが大慌てで行ったり来たりしていた。救急車に乗せられて病院に着くと医者や看護師の手当てを受けた。
でも、その時は魂の緒が切れていて、自分の体が下に見えた。ほどなくしてくうみんが駆け付けて来た。
「おじさん、帰っておいで」
くうみんが耳元で囁いたけれど、ごめん、おじさん、もう帰れないんだよ。
ああ、くうみんが泣いている…
しばらく現世に残って友達や親せきに別れを告げた。
もう行かなきゃならない時期が来て、くうみんとも別れた。そしていつの間にかこの道を歩いている自分に気付いた。
ここを20日から50日くらいかけて裁きの場に向かう。そこでどこに行くかの審判を受ける。おじさんはそんなに良いこともしなかったけど悪いこともしていないから、地獄にも天国にも行かないだろう。中有界と言う現世に近いようなところで1年くらい暮らし、また現世で修業を命じられる。
縁があれば、何十日か経つうちにくうみんに会える。きっとおじさんと同じところに来るだろう。そしてまた、くうみんも現世への修業を命じられるのだ。
歩き始めて一日が経った。日が出たり暮れたりする訳ではないけれど、わかるんだ。
現世の一年は、この世界の一日。くうみんにとってはもう一年が経ったのか。
どうしているかな。
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。
↓


にほんブログ村
おじさんは今、夕方くらいの明るさの道を、下を向いて歩いている。周りにもたくさんの人がいるけれど、体が触れ合うほどではない。目だけ動かして周りを見ると、みんな下を向いて歩いている。
おじさん、死んだんだ。気がついたら倒れていた。みんなが大慌てで行ったり来たりしていた。救急車に乗せられて病院に着くと医者や看護師の手当てを受けた。
でも、その時は魂の緒が切れていて、自分の体が下に見えた。ほどなくしてくうみんが駆け付けて来た。
「おじさん、帰っておいで」
くうみんが耳元で囁いたけれど、ごめん、おじさん、もう帰れないんだよ。
ああ、くうみんが泣いている…
しばらく現世に残って友達や親せきに別れを告げた。
もう行かなきゃならない時期が来て、くうみんとも別れた。そしていつの間にかこの道を歩いている自分に気付いた。
ここを20日から50日くらいかけて裁きの場に向かう。そこでどこに行くかの審判を受ける。おじさんはそんなに良いこともしなかったけど悪いこともしていないから、地獄にも天国にも行かないだろう。中有界と言う現世に近いようなところで1年くらい暮らし、また現世で修業を命じられる。
縁があれば、何十日か経つうちにくうみんに会える。きっとおじさんと同じところに来るだろう。そしてまた、くうみんも現世への修業を命じられるのだ。
歩き始めて一日が経った。日が出たり暮れたりする訳ではないけれど、わかるんだ。
現世の一年は、この世界の一日。くうみんにとってはもう一年が経ったのか。
どうしているかな。
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。
↓


にほんブログ村
- 関連記事
-
- 知らずにやってた危ない投資 仕組み預金にご注意を (2016/07/18)
- この世の一年はあの世の一日 おじさんのつぶやき (2016/07/15)
- おじさんへ…今どうしている? この世の一年はあの世の一日だそうだ (2016/07/08)
スポンサーサイト