憧れの船旅
以前から船旅にあこがれていた。かつてヨーロッパに新婚旅行に行ったとき、その中に地中海クルーズを入れていたのだが…
当時の回想
今日はお待ちかね、期待の地中海クルーズだ、と張り切っていたら、現地係員の言うことがおかしい。
「今日から3泊4日のクルーズですよね?」
「えっ、それはお客様からキャンセルされたはずですが」
日本の手配会社から、おじさんとくうみんは気が変わって、クルーズはやめにしてミコノス島に行きたいと言い出した。変更頼む、と。
「私達、そんなこと言っていません!」
しかしもう時遅く、ミコノス島一泊ツアーに参加するしかなかった。くうみんの落胆…想像するに余りあるではないか。
その旅はトラブル続きだった。
行きの成田空港でホテルが突然変わったのを知らされた。カタカナで書かれたホテル名なので、現地で調べようがなかった。
飛行機の一部が手配できていなかった。
ホテルまでの送迎を頼んでいたのに来なかった、などなど。
そのたびに初めての海外旅行だと言うのに、脂汗を書きながら、自分たちで何とかせざるを得なかった。
手配したと言う会社はクルーズのキャンセルについてあれこれ言い訳をしていたけれど、旅行会社に勤めている友達曰く、
「バカが間違えたのよ~」
とのことだった。
その分のお金は返してくれたけど、お金なんか返されるより、クルーズがしたかった。それ以来、頭の中にクルーズの夢が張り付いていた。おじさんは旅行が好きだったけれど、船旅の手配と言うと二人とも尻込みしてしまい、普通に飛行機で行く旅ばかりだった。
そして今。
ここ数年、船旅がポピュラーになった。くうみんは今は亡きおじさんに生前言ったことがある。
「クルーズに行こうよ」
「ダメだ、酒が高いから」
船旅は食事やソフトドリンクは無料だが、酒は有料だ。大酒飲みのおじさんは、そんなのに乗って5泊も6泊もしたら、何十万使うかわからないと、船旅に参加しようとしなかった。
そしておじさん亡き後…
ある日、ネット検索したら格安船旅を見つけた。3泊4日で3万9千800円より。横浜港出発、済州島に立ち寄り、博多に到着するコース。
いいじゃん、安いじゃん。それにこのくらいの日数なら、ビールの持ち込みも10本あれば間に合うだろう。済州島に行ったらビールの補充もしよう。
そう思って一人部屋を申し込んだ。海側の部屋で一人部屋にするとそれなりのお値段になったが、憧れの船旅なんだし、いいじゃないの。
船旅は博多までなので、そこからは福岡を観光して帰ろう。
やった~。美しき未亡人、ミステリアスくうみんの大人の旅…
さっそく申し込んだが、あれれ?
くうみんの申し込んだ船はカジュアル船で、安いので飲み物で稼ごうと言う魂胆らしく、無料の水やコーヒーはあるものの、ほとんどの飲み物はアルコールを含めてすべて有料。
持ち込みも厳重にチェックされ、スーツケースはエックス線を通され、手荷物検査ももちろんあると言う。アルコールだけでなく、すべての飲料は見つかったら没収だと言う。
おまけに船に入ったらもう船の外に出てはいけないと来た!買いに行けないよ~。
ちなみにおじさんのお姉さんたちもクルーズに何回か参加しているが、ランクが上の船だからか、船にチェックインした後も外に出ることは可能で、
「くうみんさん、一度チェックインした後にビールを買いに行けばいいわ」
と言っていたのだが…
安い船はまるで香港辺りの悪質な土産物屋のように客を囲い込む。
どこにもくうみんと同じ、持ち込みを考える輩はいて、アルコールを荷物に忍ばせるビニールパックなども売っているそうだが、気泡や色でバレることもあると言う。こんなん持ち込んでバレたら、申し開きのしようもござらぬ!!
禁酒か?いや、高いけど少しくらいは飲もうか?そうだ、せめてもの抵抗、出発前に船の前でビールをひっかけようか。
という訳で楽しいよりも、酒どうしようの方が大きい、憧れのトホホクルーズ、行ってきます。
海は広いな大きいな 月は登るし 日は沈む
海にお船を浮かばせて 行ってみたいなよその国
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。


にほんブログ村
当時の回想
今日はお待ちかね、期待の地中海クルーズだ、と張り切っていたら、現地係員の言うことがおかしい。
「今日から3泊4日のクルーズですよね?」
「えっ、それはお客様からキャンセルされたはずですが」
日本の手配会社から、おじさんとくうみんは気が変わって、クルーズはやめにしてミコノス島に行きたいと言い出した。変更頼む、と。
「私達、そんなこと言っていません!」
しかしもう時遅く、ミコノス島一泊ツアーに参加するしかなかった。くうみんの落胆…想像するに余りあるではないか。
その旅はトラブル続きだった。
行きの成田空港でホテルが突然変わったのを知らされた。カタカナで書かれたホテル名なので、現地で調べようがなかった。
飛行機の一部が手配できていなかった。
ホテルまでの送迎を頼んでいたのに来なかった、などなど。
そのたびに初めての海外旅行だと言うのに、脂汗を書きながら、自分たちで何とかせざるを得なかった。
手配したと言う会社はクルーズのキャンセルについてあれこれ言い訳をしていたけれど、旅行会社に勤めている友達曰く、
「バカが間違えたのよ~」
とのことだった。
その分のお金は返してくれたけど、お金なんか返されるより、クルーズがしたかった。それ以来、頭の中にクルーズの夢が張り付いていた。おじさんは旅行が好きだったけれど、船旅の手配と言うと二人とも尻込みしてしまい、普通に飛行機で行く旅ばかりだった。
そして今。
ここ数年、船旅がポピュラーになった。くうみんは今は亡きおじさんに生前言ったことがある。
「クルーズに行こうよ」
「ダメだ、酒が高いから」
船旅は食事やソフトドリンクは無料だが、酒は有料だ。大酒飲みのおじさんは、そんなのに乗って5泊も6泊もしたら、何十万使うかわからないと、船旅に参加しようとしなかった。
そしておじさん亡き後…
ある日、ネット検索したら格安船旅を見つけた。3泊4日で3万9千800円より。横浜港出発、済州島に立ち寄り、博多に到着するコース。
いいじゃん、安いじゃん。それにこのくらいの日数なら、ビールの持ち込みも10本あれば間に合うだろう。済州島に行ったらビールの補充もしよう。
そう思って一人部屋を申し込んだ。海側の部屋で一人部屋にするとそれなりのお値段になったが、憧れの船旅なんだし、いいじゃないの。
船旅は博多までなので、そこからは福岡を観光して帰ろう。
やった~。美しき未亡人、ミステリアスくうみんの大人の旅…
さっそく申し込んだが、あれれ?
くうみんの申し込んだ船はカジュアル船で、安いので飲み物で稼ごうと言う魂胆らしく、無料の水やコーヒーはあるものの、ほとんどの飲み物はアルコールを含めてすべて有料。
持ち込みも厳重にチェックされ、スーツケースはエックス線を通され、手荷物検査ももちろんあると言う。アルコールだけでなく、すべての飲料は見つかったら没収だと言う。
おまけに船に入ったらもう船の外に出てはいけないと来た!買いに行けないよ~。
ちなみにおじさんのお姉さんたちもクルーズに何回か参加しているが、ランクが上の船だからか、船にチェックインした後も外に出ることは可能で、
「くうみんさん、一度チェックインした後にビールを買いに行けばいいわ」
と言っていたのだが…
安い船はまるで香港辺りの悪質な土産物屋のように客を囲い込む。
どこにもくうみんと同じ、持ち込みを考える輩はいて、アルコールを荷物に忍ばせるビニールパックなども売っているそうだが、気泡や色でバレることもあると言う。こんなん持ち込んでバレたら、申し開きのしようもござらぬ!!
禁酒か?いや、高いけど少しくらいは飲もうか?そうだ、せめてもの抵抗、出発前に船の前でビールをひっかけようか。
という訳で楽しいよりも、酒どうしようの方が大きい、
海は広いな大きいな 月は登るし 日は沈む
海にお船を浮かばせて 行ってみたいなよその国
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。


にほんブログ村
- 関連記事
-
- 船から降りました。今は博多 (2016/05/13)
- 憧れの船旅 (2016/05/08)
- ひねくれくうみんの九塞溝旅行 (2011/03/04)
スポンサーサイト