愚かな女房 失敗を語る
皆さん初めまして。大失敗をしてしまった秤士の女房です。
皆さん私のことを、なんてバカなんだろうと思われたことでしょう。しかし、非常時と言うのはそういうものなのです。夫が亡くなったのは7月初めで、数日後に年2回の年貢治めの日が迫っていました。
「これをなんとかしないとお客さんに迷惑がかかる…」
それだけしか頭になく、夫が生前言っていたこと、
「万一のことがあったら、AさんとBさんに相談しなさい」
と言っていたのを思い出したのはいいのですが、相談すれば済むことを、A氏に向かって、「夫が亡くなりました。AさんとBさんとでお客さんを分けてください」と言ってしまったのです。
弁解するようですが、この日の未明に夫の死を知らされ、私は心神喪失状態にありました。
そして私も夫も、人を見る目がなかったのです。
もし仮にA氏が心正しい人ならば、次のように思ったのではありますまいか?
「この女房は、夫の死で頭が混乱しておかしなことを言っている。とりあえず預かって、後で家族と相談するように言おう」
しかしAは、仕事を独り占めしようとした。そうはさせじと私も顧客リストを奪いましたが、もうおいしい所は取った後でした。
その後も私の失敗は続きます。正義の味方のはずのB氏に顧客リストを持って行ってしまいました。
B氏は早速顧客を回り、自分のものにしましたが、主人の霊前には何の挨拶もしません。
普通であれば、霊前に来て報告するものではないか?
「あなたの顧客を引き継ぎます。ご安心ください」
くらいのことは言うものではないか?それをまるでいただくものだけいただいたら、後は知らぬふりとは…
その後、若い頃のサークル仲間で、同じように東北で秤士をしている人から連絡がありました。
「年貢取り立て処を定年になった秤士なら、年金があるので給料は安くていいと言う人もいる。そういう秤士に仕事を任せて、経営権だけ引き継いではどうか?それならわずかだが、収入も期待できる」
教えてもらった頃はもう遅かった。そんなことができるなんて誰も教えてくれませんでした。お金はいくばくかでもいいから欲しい所なのに…
しかし、その手があると判っていても、私には経営なんてできないと思われました。
自分よりはるかに能力のある人に仕事をお願いする。自分よりはるかに頭のいい人をマネジメントする…言い方は悪いですが、これは猛獣使いのような能力がないとできません。
仕事をするのはその人なのですから、私の事務所をやめて、客をすべて持って行けば、その方が儲かる…そう考えることでしょう。そうしたらもっと嫌な思いをする羽目になる。
だから顧客を人にわけるしかないと思います。それならば、どうしたらよかったのか?
顧客と秤士の相性を見極めて、なるべく大勢の秤士に仕事を分けるのが良かったと思います。私の軽はずみな行動のおかげで、感謝されてしかるべきA氏にもB氏にも、お互い気まずい思いをしています。
心神喪失状態での判断と言うのは誠に普段なら考えられない行動をしてしまうものです。ちなみに一年くらいは大きな判断はしない方がいい、と言う人もいます。
それなら、自営業を営む大黒柱に先立たれた時は、どうしたらいいのか?失敗から学びましょう。
世の自営業者の皆さん、たった今から是非していただきたいことがあります。
続く

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皆さん私のことを、なんてバカなんだろうと思われたことでしょう。しかし、非常時と言うのはそういうものなのです。夫が亡くなったのは7月初めで、数日後に年2回の年貢治めの日が迫っていました。
「これをなんとかしないとお客さんに迷惑がかかる…」
それだけしか頭になく、夫が生前言っていたこと、
「万一のことがあったら、AさんとBさんに相談しなさい」
と言っていたのを思い出したのはいいのですが、相談すれば済むことを、A氏に向かって、「夫が亡くなりました。AさんとBさんとでお客さんを分けてください」と言ってしまったのです。
弁解するようですが、この日の未明に夫の死を知らされ、私は心神喪失状態にありました。
そして私も夫も、人を見る目がなかったのです。
もし仮にA氏が心正しい人ならば、次のように思ったのではありますまいか?
「この女房は、夫の死で頭が混乱しておかしなことを言っている。とりあえず預かって、後で家族と相談するように言おう」
しかしAは、仕事を独り占めしようとした。そうはさせじと私も顧客リストを奪いましたが、もうおいしい所は取った後でした。
その後も私の失敗は続きます。正義の味方のはずのB氏に顧客リストを持って行ってしまいました。
B氏は早速顧客を回り、自分のものにしましたが、主人の霊前には何の挨拶もしません。
普通であれば、霊前に来て報告するものではないか?
「あなたの顧客を引き継ぎます。ご安心ください」
くらいのことは言うものではないか?それをまるでいただくものだけいただいたら、後は知らぬふりとは…
その後、若い頃のサークル仲間で、同じように東北で秤士をしている人から連絡がありました。
「年貢取り立て処を定年になった秤士なら、年金があるので給料は安くていいと言う人もいる。そういう秤士に仕事を任せて、経営権だけ引き継いではどうか?それならわずかだが、収入も期待できる」
教えてもらった頃はもう遅かった。そんなことができるなんて誰も教えてくれませんでした。お金はいくばくかでもいいから欲しい所なのに…
しかし、その手があると判っていても、私には経営なんてできないと思われました。
自分よりはるかに能力のある人に仕事をお願いする。自分よりはるかに頭のいい人をマネジメントする…言い方は悪いですが、これは猛獣使いのような能力がないとできません。
仕事をするのはその人なのですから、私の事務所をやめて、客をすべて持って行けば、その方が儲かる…そう考えることでしょう。そうしたらもっと嫌な思いをする羽目になる。
だから顧客を人にわけるしかないと思います。それならば、どうしたらよかったのか?
顧客と秤士の相性を見極めて、なるべく大勢の秤士に仕事を分けるのが良かったと思います。私の軽はずみな行動のおかげで、感謝されてしかるべきA氏にもB氏にも、お互い気まずい思いをしています。
心神喪失状態での判断と言うのは誠に普段なら考えられない行動をしてしまうものです。ちなみに一年くらいは大きな判断はしない方がいい、と言う人もいます。
それなら、自営業を営む大黒柱に先立たれた時は、どうしたらいいのか?失敗から学びましょう。
世の自営業者の皆さん、たった今から是非していただきたいことがあります。
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