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怒りはエネルギーになる

 心労のためか、抜け毛がひどい。白髪も増え、肌もシミが目立つようになった。それに目の周りのクマがひどく、死人みたいだ。あわてて皮膚科を受診し、相談した。
「最近シミがひどくなって」
 事情を知らない医師は、
「シミよりその日焼けを何とかしないと、治療もできませんよ」
 と言う訳で自費になるが、ビタミンc誘導体のローションと、シミに効くというチューブ入りのクリームを出してもらった。髪の毛はどうしよう?また、育毛剤のカークランドでも取り寄せようか。

 くうみんはおじさん母のもとに、今でも週1くらいの間隔で訪問して、昼ご飯を食べさせている。おじさんの愛したこの人を、おじさんだと思ってお仕えしよう。そう思うからだ。
 おじさんのいた頃は夕食を食べさせていたが、1時間近くかかる食事介助を自分も食べながらするのも、あるいは食事介助後に自分だけで食事するのも大変なので、これからはお昼にさせてもらおう。

 8月5日は前々から熱海のアタミシーズンホテルを取っていた。くうみん母を誘って、おじさんも行く予定だった。よほどキャンセルしようと思ったが、おじさんは温泉とビールが大好きだった。供養のつもりで行くことにした。

 くうみん母にはおじさんの死を知らせていない。知らせれば葬式に来ると言うだろう。母は高齢だ。私は母の面倒を見なければならない。共倒れになってしまうこと必至と思ったからだ。

 熱海に行く前日に、電話でおじさんの死を伝えた。
「どうして早く言ってくれなかったの?!」
 そう言って泣いていた。

 おじさんは、結婚当初は税理士の資格がなかった。だから母は、おじさんが気に入らなくてかなりひどい婿いびりをした。しかし、権威に弱いくうみん母のこと、税理士試験に合格した途端、態度が一変した。
 その後おじさんは、税金関係や預貯金の相談でも、母にとって頼れる存在となった。

 8月5日はおじさんの遺影を持って熱海に行った。
 くうみん母の家は、わりと熱海には近いのだが、おじさんの祭壇に手を合わせたいと、帰りはくうみんの住む千葉の家まで来た。
 会うのもお互い最後になるかも知れないと、くうみんとともに近所のおじさん母の入居している介護施設を訪れた。
 ちょうどおやつの時間だった。今日のおやつはシューアイス。これにくうみんが家から持って行った小豆を載せて食べさせた。
「はい、あーんして」
 お義母さんは甘いものは大好きで、特に小豆が好物なので、小豆とアイスクリームのコラボは至福の味。嫌いなものは口をぎゅっと結んで食べようとしない。ご飯にアズキを混ぜて食べさせるのも、初めは抵抗があったが、本人が好きなのだからと、あまり食べないときはそうしてしまう。

 家に戻って風呂上がり、くうみん母はくうみんが皮膚科で出してもらったビタミンC誘導体のローションに目を付けた。
「これ、いいわね、ちょうだいよ」
「それは、お医者さんで出してもらったもので~」
「また出してもらえばいいじゃない。いくら?」
「香典貰ったから、いい」
「あら~、悪いわね~」
「…」

 くうみん母は、それでもいつもよりかなり遠慮したつもりらしい。帰りはいつもは東京駅まで送るのだが、
「大丈夫!!」
 と、強固に辞退した。

 夕方電話があった。
「お世話になりました。どうもありがとう」
 それはいいのだが、
「くうみん、あなた、あのお母さんを大事にしてあげて。おじさんだと思って大切にお仕えするのよ。面倒だなんて思っちゃダメ」

 何を言う!!私ほど姑を大切に思う嫁はいない!!あんたに言われたくない!あ~、怒りブツブツ、頭クラクラ…

 5日の熱海はアタミシーズンホテル。
メインディッシュ
 ブッフェだが、メインディッシュは一皿出る。今日のメインディッシュは白身魚のワイン蒸しですと

タベホ
 くうみんにしては少ないと思うだろうが、2度目のおかわりだ

おじさんはカレーが好き
 おじさんはあまり食べなかったが、カレーが好きだった。おじさん、食べてね。

花火1
8時20分から50分まで花火大会。部屋の中から見える。

はなび2
 おじさんが来ると思っていたから、メゾネットの部屋を頼んだのに…

花火3
 きれいだね、おじさん。

はなび4
 パッと咲いてパッと散る、まるでおじさんの人生みたいだ。でも、もうちょっと長生きして欲しかった。

おじさんはアサヒが好きだった
 おじさんはアサヒがお好み。健康のためにと、糖質0の発泡酒にしていたけれど…

朝ももちろんカレー
 朝のカレーも好きだったね。

カレー、おいしいね
 まだまだ悲しい。

あと、こんな時に変なコメント出してきた、鬼頭千春!!何考えているんだ!

> はじめまして!あるブログを拝見していたら、このブログに出会いました。私もブログを開設しています。「鬼藤千春の小説・短>>歌」で検索できます。一度訪問してみて下さい。よろしくお願い致します。

 おめえ、巡回だろう!

 サークルの中で、おじさんの死を「人に言えない死に方」などと言った人間は特定された。悪く考えている人間もだいたいわかっている。某3名様。この3人からうわさが流れて心無い人はそれを信じた。しかし、くうみんもおじさんも、悪いことは何一つしていない。堂々としていればいい。

 そのうちの一人から、死亡を知らせた日から10日ほどたってから、やっとお悔みのメールが来た。と思ったら、
「〇月〇日、都合がよろしければ、お悔みに伺います。都合がよろしければここに書いてあるメンバー全員に、メールをしていただけますか?」
 と言う非常識なお願い。どこの世界にこんなことを遺族に頼むバカがいる?
 もう相手にしないことにした。どこかであったとしても、いないがごとくの全くの無視。物を見るようなまなざしを向けるだけ。

今は少しづつ、走り始めた。筋トレにも、顔を出すようになった。くうみんさんは強いね、そう言われる。

 走るときはサングラスをかけるから、涙がこぼれても判らないだけだ。
 筋トレの時は、涙が伝うのが、汗で判らないだけだ。
一人でいるのが好きになったのは、好きな時に思いきり泣けるから。

 まだまだ悲しい。平気じゃない。大丈夫じゃない。私は強くない。不意に悲しみは襲ってくる。

 悲しみに脱力するのを禁じ得ない。

 そして怒りはエネルギーになると、最近感じている。
 
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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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