アッラーフ アクバル(アッラーは偉大なり) イスラム教、キター!!
ある日おじさんとくうみんは晩酌しながら話した。
くうみん「おじさんちは今はカトリックだけど前はなんだったの?仏教?」
おじさん「いや、神道だったらしいぞ。おやじは伊勢出身だしな」
くうみん「へ~、そう言えばお墓にお参りしたとき、墓石に俗名が彫ってあったっけね」
おじさんの家は府中にカトリックの墓があるが、伊勢には神道の墓がある。
おじさん「おふくろの家は浄土宗だ」
くうみん「うちは天台宗。仏教に神道にカトリックってなんかすごいね」
おじさん「もうこれ以上は来ないだろうな~、ワハハ~!」
くうみん「そうだね、まさかヒンズー教とかね、アハハ~!」
それが…来たのである。
そして今年春のお彼岸に信じられない話を聞いた。おじさんの姪にあたるSちゃんがバングラデシュの男性と結婚前提で付き合っているらしい。
おじさんはびっくり。
「なんだよ、それは!」
お姉さんが言った。
「もう一緒に住んでいるのよ。お父さんは大反対なんだけど…」
「当たり前だ、そんなの苦労しに結婚するようなものじゃないか」
おじさんは実際にバングラの男性と結婚した人を知っている。東南アジアと言うのは、バングラに限らずお金持ちの所に頼る習慣があって、日本に出稼ぎなんかしていると見たこともない親戚まで頼って来て、
「まだ仕送りが来ない」
など見知らぬ親戚から催促があるそうだ。
「出るわ出るわ、ブドウのように付いて来る」
その人は言っていたそうだ。
くうみんも一緒になって反対していた。習慣の違う所、宗教がイスラム教なんて。Sちゃんに会った時、言ってみた。
「お金持ちなら贅沢できるだろうけど、そうじゃないんでしょ?!」
「日本じゃそうだけどね」
付き合っている彼の家は仕送りで潤って、町一番の豪邸だそうだ。
「豚肉食べられないわよ、お酒は?お祈りは?」
Sちゃんはニコニコしながら答えた。
「彼はなんちゃってイスラム教徒だから、豚肉も食べるし、お酒も飲む。お寿司も大好きなの」
普通、「酒を飲まない」と言うのは長所と思われるのだが、この場合は「酒が飲めないのは困る」という、一種倒錯した質問ではあった。
「見知らぬ親戚の援助までしなくちゃいけないのよ」
「でも、こっちが困った時は誰かが助けてくれるし」
う~ん、なるほどね。
本人が結婚したいというのを無理やり別れさせる訳にも行かない。お姉さん夫妻の家にも来たそうだが、お姉さん曰く
「とってもいい人」
とのことだ。お姉さんの御主人はぶすっとした顔をしているがもう仕方ないと思っているらしい。
そのうち入籍したという知らせが届いた。
「結婚したなら、暖かく迎えてあげよう」
ということになって、先日の親せきの集まりでは、おじさんとくうみん、お母さんの連名で、ささやかなお祝いを送った。
「ありがとう」
Sちゃんは思い切りの笑顔でご祝儀を受け取った。
Sちゃんのご主人は来なかった。
くうみんは言った。
「ご主人も一緒に来ればいいのに」
お姉さん夫婦は認めはしたものの、まだ完全にはバングラデシュ人の御主人を受け入れることができないらしい。実の子と、姪っ子では感じ方が違うのかも知れない。
お姉さんが言った。
「彼の方もこんな所に来るのは気を使うんじゃないかと思って」
それを聞いたとき、子供の頃に、事情があって親戚の集まりには呼ばれることの少なかったくうみんとしては身につまされるものがあった。
来たいとか来たくないとかじゃなくて、自分だけ仲間外れになるのは悲しいものだ。
あとでおじさんに
「ご主人を呼ばないのはかわいそうなんじゃない?」
と言ってみた。
「うちが来るようにと強制する訳にはいかないよ」
おじさんは言った。それでくうみんも思った。
「そうね、子供でも生まれれば、少しずつ変わってくるだろうし」
しかし!!ついに来てしまった、イスラム教が。
次はヒンズー教か?ゾロアスター教か?なんでも来い。驚きゃしない。
Sちゃん。結婚おめでとう。
お幸せに。
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くうみん「おじさんちは今はカトリックだけど前はなんだったの?仏教?」
おじさん「いや、神道だったらしいぞ。おやじは伊勢出身だしな」
くうみん「へ~、そう言えばお墓にお参りしたとき、墓石に俗名が彫ってあったっけね」
おじさんの家は府中にカトリックの墓があるが、伊勢には神道の墓がある。
おじさん「おふくろの家は浄土宗だ」
くうみん「うちは天台宗。仏教に神道にカトリックってなんかすごいね」
おじさん「もうこれ以上は来ないだろうな~、ワハハ~!」
くうみん「そうだね、まさかヒンズー教とかね、アハハ~!」
それが…来たのである。
そして今年春のお彼岸に信じられない話を聞いた。おじさんの姪にあたるSちゃんがバングラデシュの男性と結婚前提で付き合っているらしい。
おじさんはびっくり。
「なんだよ、それは!」
お姉さんが言った。
「もう一緒に住んでいるのよ。お父さんは大反対なんだけど…」
「当たり前だ、そんなの苦労しに結婚するようなものじゃないか」
おじさんは実際にバングラの男性と結婚した人を知っている。東南アジアと言うのは、バングラに限らずお金持ちの所に頼る習慣があって、日本に出稼ぎなんかしていると見たこともない親戚まで頼って来て、
「まだ仕送りが来ない」
など見知らぬ親戚から催促があるそうだ。
「出るわ出るわ、ブドウのように付いて来る」
その人は言っていたそうだ。
くうみんも一緒になって反対していた。習慣の違う所、宗教がイスラム教なんて。Sちゃんに会った時、言ってみた。
「お金持ちなら贅沢できるだろうけど、そうじゃないんでしょ?!」
「日本じゃそうだけどね」
付き合っている彼の家は仕送りで潤って、町一番の豪邸だそうだ。
「豚肉食べられないわよ、お酒は?お祈りは?」
Sちゃんはニコニコしながら答えた。
「彼はなんちゃってイスラム教徒だから、豚肉も食べるし、お酒も飲む。お寿司も大好きなの」
普通、「酒を飲まない」と言うのは長所と思われるのだが、この場合は「酒が飲めないのは困る」という、一種倒錯した質問ではあった。
「見知らぬ親戚の援助までしなくちゃいけないのよ」
「でも、こっちが困った時は誰かが助けてくれるし」
う~ん、なるほどね。
本人が結婚したいというのを無理やり別れさせる訳にも行かない。お姉さん夫妻の家にも来たそうだが、お姉さん曰く
「とってもいい人」
とのことだ。お姉さんの御主人はぶすっとした顔をしているがもう仕方ないと思っているらしい。
そのうち入籍したという知らせが届いた。
「結婚したなら、暖かく迎えてあげよう」
ということになって、先日の親せきの集まりでは、おじさんとくうみん、お母さんの連名で、ささやかなお祝いを送った。
「ありがとう」
Sちゃんは思い切りの笑顔でご祝儀を受け取った。
Sちゃんのご主人は来なかった。
くうみんは言った。
「ご主人も一緒に来ればいいのに」
お姉さん夫婦は認めはしたものの、まだ完全にはバングラデシュ人の御主人を受け入れることができないらしい。実の子と、姪っ子では感じ方が違うのかも知れない。
お姉さんが言った。
「彼の方もこんな所に来るのは気を使うんじゃないかと思って」
それを聞いたとき、子供の頃に、事情があって親戚の集まりには呼ばれることの少なかったくうみんとしては身につまされるものがあった。
来たいとか来たくないとかじゃなくて、自分だけ仲間外れになるのは悲しいものだ。
あとでおじさんに
「ご主人を呼ばないのはかわいそうなんじゃない?」
と言ってみた。
「うちが来るようにと強制する訳にはいかないよ」
おじさんは言った。それでくうみんも思った。
「そうね、子供でも生まれれば、少しずつ変わってくるだろうし」
しかし!!ついに来てしまった、イスラム教が。
次はヒンズー教か?ゾロアスター教か?なんでも来い。驚きゃしない。
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