嫁と姑は似ている…ような気がする
くうみんの姑に当たるおじさん母は近所の介護施設に入居している。週に一度、おじさんとくうみんは、自分たちが食べる食料を持って行っておじさん母の自室で食事をする。
自宅で介護している人は本当に偉いと思う。
もし、くうみんが自宅で介護なんてしていたら、たぶん大変な生活、排泄や、三度の食事…きっと鬼のようなくうみんとなってお義母さんをいぢめているであろう。
もう自分で食べることができないので、くうみんがスプーンで食べさせる。刻み食だが、最近すっかり食が細くなって、食べたがらない。
どうしたものかと思っていたら、おじさんのお姉さんが教えてくれた。
「あんこが好きだからあんこを食べさせると、だまされてその後も食べるわよ」
あんこを食べさせる→うまい!→他のおかずを食べさせる。→次もあんこ!あれ、違うけど、次はあんこ!→他のおかず→嫌!もう食べない!→あんこを食べさる→うまい!…以下繰り返し。
ご飯にあんこを載せるのも有効だと言う。ご飯にあんこを載せて食べさせる…虐待ではないのか?
ううむ、甘いものが好きな人と言うのはこういうものなのか。
秘密兵器あんこを武器にご飯を食べさせながら、くうみんはお義母さんに話しかけた。
「お義母さん、あなたは幸せよ、こんな優しい嫁で…S子みたいのだったらどうなることか」
S子と言うのはくうみんが知っているうちで一番キッツイ性格の女子だ。
おじさんが言った。
「S子の旦那の親はまだ元気なのかなあ」
「そうみたい。お姑さんはS子とドッコイドッコイのキッツイ性格らしいわよ」
その後も知り合いの親の話は続く。
「そう言えばK太郎君はどうしているんだろ?」
「K太郎君ねえ。あの人はお母さんのことを嫌って家に寄りつかないけど、あの人の嫁さん、K太郎君のお母さんそっくりよ、もう、支配欲の塊」
ここまで話をして一瞬の間があった。
「…」
くうみんは言った。
「おじさん、男って自分の母親に似た人を選ぶものなのかね。特にK太郎君なんか、あんなに嫌っていたお母さんそっくりの人と一緒になって…好きとか嫌いじゃなくて因縁かしら」
「う~ん」
「私もお義母さんに似ているのかなあ?」
くうみん母はキッツイ性格なのでブログの中では西太后陛下と言い習わし、おじさん母は穏やかな性格なので東太后陛下と言い習わしている。
おじさんが言った。
「料理の味付けは似ていると思う」
結婚前におじさんによく手料理を振舞った。その時もうちの味と同じだ、とおじさんは言っていた。
くうみん母の味付けは田舎者なので濃い。母の言うことは何でも従うくうみんであったが、体に悪いし、これだけは譲れず、
「味が薄すぎる」
と、文句を言われながらも、すっとぼけて薄味にしてきた。一方、おじさん母は中部出身だからか、わりと薄味だ。
やたらと物持ちがいいのも似ている。そんなに高級なものでもないのに長く使う。今使っている買い物袋は、おじさん母からもらったものだ。
「これ、使えば?」
「ありがとう、使います」
ある日持ち手が取れてしまった。くうみんはそれを不器用に繕った。よく見ると何ヶ所か繕った跡がある。お義母さんが繕った跡だ。
ある日おじさんのお姉さん家族を呼んで食事会をした。その時のデジカメを見せて、この人は誰?とお義母さんに聞いた。
「これはK子ちゃん、これはAちゃん、これは…」
くうみんの顔を指さした。
「これはお母さんじゃないかしら?」
お母さん、と言うのは自分のことだ。
長男の嫁と言うのは親戚の集まるところでは、大きな顔をしているものだ。
その上で気配りをしていた、在りし日のお義母さん。
くうみんの場合は初めから似ている所もあるけれど、だんだんと似て来た所もある。
しかし、いくら似ていくと言っても、あんこでご飯は食べないと思う。
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自宅で介護している人は本当に偉いと思う。
もし、くうみんが自宅で介護なんてしていたら、たぶん大変な生活、排泄や、三度の食事…きっと鬼のようなくうみんとなってお義母さんをいぢめているであろう。
もう自分で食べることができないので、くうみんがスプーンで食べさせる。刻み食だが、最近すっかり食が細くなって、食べたがらない。
どうしたものかと思っていたら、おじさんのお姉さんが教えてくれた。
「あんこが好きだからあんこを食べさせると、だまされてその後も食べるわよ」
あんこを食べさせる→うまい!→他のおかずを食べさせる。→次もあんこ!あれ、違うけど、次はあんこ!→他のおかず→嫌!もう食べない!→あんこを食べさる→うまい!…以下繰り返し。
ご飯にあんこを載せるのも有効だと言う。ご飯にあんこを載せて食べさせる…虐待ではないのか?
ううむ、甘いものが好きな人と言うのはこういうものなのか。
秘密兵器あんこを武器にご飯を食べさせながら、くうみんはお義母さんに話しかけた。
「お義母さん、あなたは幸せよ、こんな優しい嫁で…S子みたいのだったらどうなることか」
S子と言うのはくうみんが知っているうちで一番キッツイ性格の女子だ。
おじさんが言った。
「S子の旦那の親はまだ元気なのかなあ」
「そうみたい。お姑さんはS子とドッコイドッコイのキッツイ性格らしいわよ」
その後も知り合いの親の話は続く。
「そう言えばK太郎君はどうしているんだろ?」
「K太郎君ねえ。あの人はお母さんのことを嫌って家に寄りつかないけど、あの人の嫁さん、K太郎君のお母さんそっくりよ、もう、支配欲の塊」
ここまで話をして一瞬の間があった。
「…」
くうみんは言った。
「おじさん、男って自分の母親に似た人を選ぶものなのかね。特にK太郎君なんか、あんなに嫌っていたお母さんそっくりの人と一緒になって…好きとか嫌いじゃなくて因縁かしら」
「う~ん」
「私もお義母さんに似ているのかなあ?」
くうみん母はキッツイ性格なのでブログの中では西太后陛下と言い習わし、おじさん母は穏やかな性格なので東太后陛下と言い習わしている。
おじさんが言った。
「料理の味付けは似ていると思う」
結婚前におじさんによく手料理を振舞った。その時もうちの味と同じだ、とおじさんは言っていた。
くうみん母の味付けは田舎者なので濃い。母の言うことは何でも従うくうみんであったが、体に悪いし、これだけは譲れず、
「味が薄すぎる」
と、文句を言われながらも、すっとぼけて薄味にしてきた。一方、おじさん母は中部出身だからか、わりと薄味だ。
やたらと物持ちがいいのも似ている。そんなに高級なものでもないのに長く使う。今使っている買い物袋は、おじさん母からもらったものだ。
「これ、使えば?」
「ありがとう、使います」
ある日持ち手が取れてしまった。くうみんはそれを不器用に繕った。よく見ると何ヶ所か繕った跡がある。お義母さんが繕った跡だ。
ある日おじさんのお姉さん家族を呼んで食事会をした。その時のデジカメを見せて、この人は誰?とお義母さんに聞いた。
「これはK子ちゃん、これはAちゃん、これは…」
くうみんの顔を指さした。
「これはお母さんじゃないかしら?」
お母さん、と言うのは自分のことだ。
長男の嫁と言うのは親戚の集まるところでは、大きな顔をしているものだ。
その上で気配りをしていた、在りし日のお義母さん。
くうみんの場合は初めから似ている所もあるけれど、だんだんと似て来た所もある。
しかし、いくら似ていくと言っても、あんこでご飯は食べないと思う。
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ジャンル : 結婚・家庭生活