ああ、お義母様、そんなことをしでかして…一件落着
葬式ネタがこれで終わりと思っていたあなた。まだまだ続くぬかるみぞ。お骨をまだ、納めていませんからね。
お骨は主人のリクエストにより普通よりかなり小さな分骨用の骨壷に納められました。これは遺影とともにお義母さんの介護施設の部屋に置くことにしました。主人が100円ショップで買った造花をつけて飾り、
「いいだろ」
と悦に入っていました。しかし、次に行った時には造花は水を入れた花瓶にさしてありました。
「この花は長持ちするわ」
「そ、そうですねえ」
お義母さんは軽い認知症です。これでいいのです。しかしこの後これでいいでは済まされないことが…
主人と二人で買い物から帰ると、留守電ランプがピコピコ点滅しています。ぷちっと押すと、非常に狼狽した男性の声が入っています。
「あの、お母様がお父上のお骨をゴミ箱に捨ててしまいました。ど、どうしましょう」
「えっ」
「どうしようって、どうすりゃいいんだ」
「こんなこと、ヘルパーさんに頼めないよね」
結局、近くに住んでいるお姉さん達にお願いしました。おかずの残りのマカロニにまみれたお骨を新聞紙に広げて乾かしたそうです。骨壷は流しに水を入れて置いてあったといいます。
次に行った時お骨をうちに非難させました。納骨までうちで安置します。仏式では49日と言いますが、カトリックでは50日と言うそうです。
その50日が来て、納骨することになりました。
喪主の主人が、普通の埋葬許可証とは別にカトリック教会の許可証が必要なのを知らず、少しもめましたが、親族も来ていることだしと、後で取り寄せればよいと言うことで事なきを得ました。
「全くしようがないわねえ」
お姉さん方、あまり責めないでちょうだい。お父さんの子だもの。仕方ないでしょう。
お墓にぞろぞろみんなで移動します。明るいきれいな墓地です。
「くうみんさん、こんなきれいなお墓に入れて、いいわねえ」
「あたし達なんかは主人の家の、暗~いお墓よぉ」
お姉さんたちは言いますが、死んだ後なんかどうでもいいわい。
墓石にお義父さんが間違って彫ったばあちゃんのクリスチャンネーム、「エリザベット」が訂正されずにそのままでした。くうみんは言いました。
「本当はばあちゃんの名前、エリザベットテレジアなのよ。お義父さんが間違えたの。これが本当の末代までの恥って言うのよ」
皆お父さんらしい、と笑っていました。お姉さんのご主人が
「これ、直した方がいいんじゃないか?」
と、主人に言いましたが
「いいんだよ、これで」
と、主人は澄ましています。こうして葬式のたびに
「本当は…」と言い続けることになりそうです。そのうち伝言ゲームよろしく、「エリザベットテレジア」が、「テレサ」「テレビジョン」「テレルナー」と変化して行くのも見えています。
しかし、クリスチャンネームも、戒名と同じく長い方がありがたい気がします。
神父さんにお祈りしてもらって、今度は皆でお食事会。納骨はなるべくたくさん集まれるように土曜日にしましたので、食事会場に苦労しました。おいしくて手頃な値段のところは皆ふさがっていたので、ちょっとお高いホテルの個室になりました。
余談ですが火葬場からの帰りのお食事会は遺骨を持ってのことになります。これを嫌がるファミレスが多いそうですが木〇路ならオッケーです。
「好きなものあったら、追加していいぞ!」
主人が機嫌よく言いました。とりあえず、ひと段落して、やれやれです。
レストランの入り口に立派なイセエビ様がお住まいでいらっしゃった。りっぱな角をお持ちです。食用ではなく、観賞用のようで食べられないとご存知なのか泰然としていらっしゃる。いずれ死ぬのは同じだけれど、いつさばかれるのかとびくびくしないで、心安く過ごせるのは幸せなこと。くうみんもそうあろうと思う。
キリスト教では位牌のようなものはないのでお義父さんの似顔絵をくうみんのタンスの上に安置しました。ここには先住者として桜井家代々の位牌、戦争で死んだ叔父さんの神式の位牌(と言うのか知りませんが)、ばあちゃんのよりしろのマリア様、そしてくうみん父のよりしろの扇子が安置してあります。
仏教、神道、キリスト教、無宗教が仲良くまつられています。
くうみんはこの際イスラム教にしようかと一瞬思いましたが、酒が飲めなくなると思い直しました。
これにて一件落着。
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お骨は主人のリクエストにより普通よりかなり小さな分骨用の骨壷に納められました。これは遺影とともにお義母さんの介護施設の部屋に置くことにしました。主人が100円ショップで買った造花をつけて飾り、
「いいだろ」
と悦に入っていました。しかし、次に行った時には造花は水を入れた花瓶にさしてありました。
「この花は長持ちするわ」
「そ、そうですねえ」
お義母さんは軽い認知症です。これでいいのです。しかしこの後これでいいでは済まされないことが…
主人と二人で買い物から帰ると、留守電ランプがピコピコ点滅しています。ぷちっと押すと、非常に狼狽した男性の声が入っています。
「あの、お母様がお父上のお骨をゴミ箱に捨ててしまいました。ど、どうしましょう」
「えっ」
「どうしようって、どうすりゃいいんだ」
「こんなこと、ヘルパーさんに頼めないよね」
結局、近くに住んでいるお姉さん達にお願いしました。おかずの残りのマカロニにまみれたお骨を新聞紙に広げて乾かしたそうです。骨壷は流しに水を入れて置いてあったといいます。
次に行った時お骨をうちに非難させました。納骨までうちで安置します。仏式では49日と言いますが、カトリックでは50日と言うそうです。
その50日が来て、納骨することになりました。
喪主の主人が、普通の埋葬許可証とは別にカトリック教会の許可証が必要なのを知らず、少しもめましたが、親族も来ていることだしと、後で取り寄せればよいと言うことで事なきを得ました。
「全くしようがないわねえ」
お姉さん方、あまり責めないでちょうだい。お父さんの子だもの。仕方ないでしょう。
お墓にぞろぞろみんなで移動します。明るいきれいな墓地です。
「くうみんさん、こんなきれいなお墓に入れて、いいわねえ」
「あたし達なんかは主人の家の、暗~いお墓よぉ」
お姉さんたちは言いますが、死んだ後なんかどうでもいいわい。
墓石にお義父さんが間違って彫ったばあちゃんのクリスチャンネーム、「エリザベット」が訂正されずにそのままでした。くうみんは言いました。
「本当はばあちゃんの名前、エリザベットテレジアなのよ。お義父さんが間違えたの。これが本当の末代までの恥って言うのよ」
皆お父さんらしい、と笑っていました。お姉さんのご主人が
「これ、直した方がいいんじゃないか?」
と、主人に言いましたが
「いいんだよ、これで」
と、主人は澄ましています。こうして葬式のたびに
「本当は…」と言い続けることになりそうです。そのうち伝言ゲームよろしく、「エリザベットテレジア」が、「テレサ」「テレビジョン」「テレルナー」と変化して行くのも見えています。
しかし、クリスチャンネームも、戒名と同じく長い方がありがたい気がします。
神父さんにお祈りしてもらって、今度は皆でお食事会。納骨はなるべくたくさん集まれるように土曜日にしましたので、食事会場に苦労しました。おいしくて手頃な値段のところは皆ふさがっていたので、ちょっとお高いホテルの個室になりました。
余談ですが火葬場からの帰りのお食事会は遺骨を持ってのことになります。これを嫌がるファミレスが多いそうですが木〇路ならオッケーです。
「好きなものあったら、追加していいぞ!」
主人が機嫌よく言いました。とりあえず、ひと段落して、やれやれです。
レストランの入り口に立派なイセエビ様がお住まいでいらっしゃった。りっぱな角をお持ちです。食用ではなく、観賞用のようで食べられないとご存知なのか泰然としていらっしゃる。いずれ死ぬのは同じだけれど、いつさばかれるのかとびくびくしないで、心安く過ごせるのは幸せなこと。くうみんもそうあろうと思う。
キリスト教では位牌のようなものはないのでお義父さんの似顔絵をくうみんのタンスの上に安置しました。ここには先住者として桜井家代々の位牌、戦争で死んだ叔父さんの神式の位牌(と言うのか知りませんが)、ばあちゃんのよりしろのマリア様、そしてくうみん父のよりしろの扇子が安置してあります。
仏教、神道、キリスト教、無宗教が仲良くまつられています。
くうみんはこの際イスラム教にしようかと一瞬思いましたが、酒が飲めなくなると思い直しました。
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