蒲田先生の診察
蒲田先生の1年後検診を受ける日が来ました。乳腺科の診察は2年までは3カ月おき、それを過ぎると半年おきにありますが、放射線の先生の診察は放射線治療が終わってすぐにもう来なくていい人もいれば、1年後再度来るよう指示される人もいます。状態によって違うようです。
1年後に来るよう指示されたガントモ達は皆、卒業を言い渡されたようです。くうみんもこれで蒲田先生に会えなくなると思うと、さびしい気もしましたが、そうなったらストーカーよろしく先生の出るマラソン大会を調べ上げて先生の匂いをフンフン嗅ぎ回って見つけてしまおうかなど、思いました。
でも、走っているときの顔は時に酸欠の金魚がアップアップしているようであったり、鬼の形相だったり、好きな人には到底見せられないのです。
「どーしようかしら?うふっ」
入賞したら紅白饅頭を持って来ようと思っていましたがそうは行かなかったので、きょうは先日行った湯沢温泉で買った、「新潟限定キノコの山ヨモギ団子風味」を持ってきました。
診察室に入ると、先生は若い弟子を従えていました。弟子達はパソコンの画面に向かって真剣な顔をしています。先生はこの道の権威なんだ、偉いんだなあと思いました。
「お久しぶりです」
「こんにちは、今日は1年後検診ですね、あれ、検査してないの?」
先生はパソコンのマウスを操りながら、画面を見て言いました。くうみんはエックス線、マンモ、超音波、すべての検査をしないことにしていました。
「はい、血液検査だけにしました」
先生は困った患者だな、という顔をしました。
「でも~、角南先生はいいって行ってたし…」
と、くうみんは、なにやら訳のわからない言い訳をしました。
一通り、診察をして、先生は言いました。
「今日はこれで終わり。だけど、また1年後にきてくれる?」
「えっ、2年後検診ですか?」
そこまでする人はほかに聞いたことがありません。ちょっと心配になりましたが、
(先生とまた会える)
と思うと自然、顔がほころびます。
へっへっ、大沢親分悔しがるぜ。
「先生、これ、お土産です。キノコの山ヨモギ団子風味です。皆さんでどうぞ」
「いや、これはどうも」
本当は先生だけに食べてもらいたい。だけど、それではくうみんの愛が先生の重荷になってしまう…キノコの山は重すぎる愛…
先生は「キノコの山ヨモギ団子風味」を受け取りながら言いました。
「どこかの大会で、一緒に走れるといいね」
先生に鬼の形相は見せたくないけど、速いところは見せたいジレンマ…そのジレンマから思わず口をついてしまったとんでもない言葉…
「そうですね。それより今日は先生を診察台に押し倒そうと思っていたんですけど、弟子が二人もいては、無理ですね」
もっと困った顔の蒲田先生。
必死に笑いをこらえる弟子達。
ああ、なんてことを口走ってしまったのか!くうみんはまずい!!と思って
「ありがとうございました!」
といって、ささっと診察室をあとにしました。
ああ、好きな人の前に出るとあがってしまって変なことを口走ってしまう。子供の頃からそうだった…後悔の涙に暮れるくうみん。
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1年後に来るよう指示されたガントモ達は皆、卒業を言い渡されたようです。くうみんもこれで蒲田先生に会えなくなると思うと、さびしい気もしましたが、そうなったらストーカーよろしく先生の出るマラソン大会を調べ上げて先生の匂いをフンフン嗅ぎ回って見つけてしまおうかなど、思いました。
でも、走っているときの顔は時に酸欠の金魚がアップアップしているようであったり、鬼の形相だったり、好きな人には到底見せられないのです。
「どーしようかしら?うふっ」
入賞したら紅白饅頭を持って来ようと思っていましたがそうは行かなかったので、きょうは先日行った湯沢温泉で買った、「新潟限定キノコの山ヨモギ団子風味」を持ってきました。
診察室に入ると、先生は若い弟子を従えていました。弟子達はパソコンの画面に向かって真剣な顔をしています。先生はこの道の権威なんだ、偉いんだなあと思いました。
「お久しぶりです」
「こんにちは、今日は1年後検診ですね、あれ、検査してないの?」
先生はパソコンのマウスを操りながら、画面を見て言いました。くうみんはエックス線、マンモ、超音波、すべての検査をしないことにしていました。
「はい、血液検査だけにしました」
先生は困った患者だな、という顔をしました。
「でも~、角南先生はいいって行ってたし…」
と、くうみんは、なにやら訳のわからない言い訳をしました。
一通り、診察をして、先生は言いました。
「今日はこれで終わり。だけど、また1年後にきてくれる?」
「えっ、2年後検診ですか?」
そこまでする人はほかに聞いたことがありません。ちょっと心配になりましたが、
(先生とまた会える)
と思うと自然、顔がほころびます。
へっへっ、大沢親分悔しがるぜ。
「先生、これ、お土産です。キノコの山ヨモギ団子風味です。皆さんでどうぞ」
「いや、これはどうも」
本当は先生だけに食べてもらいたい。だけど、それではくうみんの愛が先生の重荷になってしまう…キノコの山は重すぎる愛…
先生は「キノコの山ヨモギ団子風味」を受け取りながら言いました。
「どこかの大会で、一緒に走れるといいね」
先生に鬼の形相は見せたくないけど、速いところは見せたいジレンマ…そのジレンマから思わず口をついてしまったとんでもない言葉…
「そうですね。それより今日は先生を診察台に押し倒そうと思っていたんですけど、弟子が二人もいては、無理ですね」
もっと困った顔の蒲田先生。
必死に笑いをこらえる弟子達。
ああ、なんてことを口走ってしまったのか!くうみんはまずい!!と思って
「ありがとうございました!」
といって、ささっと診察室をあとにしました。
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