四国の親分ついに登場
オールドイングランド山の手ホテルのチェックアウトタイムは太っ腹の12時までですが、そんなにゆっくりもしていられないので、11時くらいにはチェックアウトしました。
路面電車でJR松山駅に行くのですが、間違えて伊予松山市駅で降りてしまい、150円均一の料金を二重に払う羽目になりました。悔し~!!
今治までは特急で1時間くらい。いよいよ親分さんと初顔合わせです。電車から降りる前にグラサン、マスク、帽子を装着し、手に傘を持ちます。
親分にわかってもらえなかったら大変だもの。目印は早めに装着しなきゃ。

こんな格好です。おほほ、似合うかしら?
と、その時おじさんの携帯がなりました。
「お前、出ろ」
「もしもし、親分さん?」
「今、正面入口や」
「あ、そうですか?おじさん!正面入口だって~」
「誰かに聞け」
改札を出るとき、ちょうど駅員さんがいたので聞いてみました。
「あの、正面入り口と言うのはどちらですか」
「あっちです」
駅員さんは、左側の方向を指差しましたが、その目はなにか怯えたような色が浮かんでいました。
「親分、正面入口に来たけど~」
「ほんまか?誰かに聞け」
「聞いたってば」
その時、水色の車の前に一人の小柄な男性が立っていました。思い切りの下がり眉、目と鼻の穴の大きさが同じくらいのこの男性…
「おお、くうみん、ここや」
「あ、親分、はじめまして」
くうみんはグラサンとマスクと帽子を外しました。
親分は荷物をトランクに入れると、車を走らせました。
親分はしまなみ海道のビュースポットに案内してくださいました。

親分とおじさん
初めて見る四国側からの瀬戸内海は、かなり潮が速いらしく、ここから見ても海の表面がざわついているのがわかります。瀬戸内海というと穏やかな海と思っていましたが、島が多いので、潮流が複雑になって流れが激しいそうです。(親分解説)

厳しい環境が魚をおいしくする
「だからここら辺の魚は身がしまっておいしいのや」
「ふ~ん、そうかぁ」
タイにいたのはスポーツマンの鶏。ここにはスポーツマンの魚がいる。ここの鯛は他の海にいる鯛よりも瞬発力が強いのか。ここの鯖は他の海の鯖よりも持久力が優れているのか。
くうみんもスポーツをしているけれど、食べられるのはやだ。
昔の銅山跡を見学後、海岸沿いの道を親分の思い出話を聞きながらドライブ。
「特別名誉子分さんというのが、おったのに、いつの間にか一般子分が蹴散らしてしまいおった」
「へー、悪い奴ですね、その一般子分」
「あほたん!」
その時、運転する親分の背中が泣いているように見えたのはくうみんの錯覚だったのか?
いつの間にか車は大きな工場の近くにたどり着きました。
「ここは工場のにおいで臭いのや」
「え。そうなの?」
はじめはわからなかったけれど、なにやら屁のような臭いが…
「ほんとだ!」
しかし、これなら2、3発ぶっぱなしても分からないなと思ったくうみんであった。
その後次第に寂しい場所に車は移動していきます。着いたのはS寺です。
「由緒正しそうな寺やろ?でも、そんなに由緒はないんや」
「そうなんですか?」
「住職が友達なんや、ちょっと声かけてきよ」
お寺の境内にある住宅の玄関に向かって親分が声をかけると、中から年配の女性が出てきました。
「こんにちは、住職おる?」
「まあ、どうぞお上がりください」
中に入らせてもらい、しばらくすると住職が現れました。
「こっち、俺の子分なんや」
「なんですか、それ」
「へい、親分がいつもお世話になっておりやす」
お茶を出してもらったあと、この寺の縁起を説明してくださいました。さっきの親分の言い方とは違って、由緒正しい寺なんである、とのことでした。
「このツボも、大変値打ちあるものと伝えられています」
「ほお、そんなに素晴らしいもの」
「この書も、ど偉い方の筆になるものです」
「ほお、それは素晴らしい」
何が素晴らしいのかよくわかりませんが、とにかく由緒正しいものばかりだと、住職はおっしゃりたいようです。

由緒正しきいわれのあるツボ

誰か偉い方が書いた書

向かって右から由緒正しい寺の住職、おじさん、くうみん
「ここでは鐘は突き放題なんです。どうですか?」
「えっ、鐘突きホ?」
「はい、除夜の鐘も皆さんに突いていただきます。108人目で終わりというのも気の毒なので、並んだ人は全て突いていただいています」
なんという太っ腹な住職でしょう。普通鐘を突くのはご遠慮下さいと言われるか、または賽銭をくれるなら突いてもいいと言われるものです。
「わ~い、鐘つかせて~」
くうみんもひと突きしました。

おじさんはウソと鐘をつくのが好き
「もう少し経ったら境内でバーベキューをするのや」
それまでおとなしくしていた親分が口を挟みました。
「えっ、お寺の境内でバーベキュー?」
「そうですね、もうすぐすることにしましょう」
住職はあくまで穏やかに言いました。どうも野菜だけのバーベキューではなく、肉も焼くようです。境内でそんなことをする…おおらかな住職です。
この後親分と食事に行きました。雰囲気のいい割烹で、今まででいちばんいい食事をいただきました。
「こんなにいい食事、いくら位するんだろう?」
急に財布が心配になってきました。

おお~!!卵満載、身のたっぷり付いたカニだ~~~!!

メバルの煮付けです。
他に、刺身に天ぷら、牛しゃぶ鍋…とにかく竜宮城に行ったかのようなご馳走だったので、写真を撮るのを忘れてしまいました。
関東の煮付けは、砂糖と醤油で真っ黒に煮つけてあって、どうも好きではないのですがこちらの煮付けは薄味に仕立ててあって、おいしいです。
気になる支払いですが、親分がおごって下さいました。
「親分、そんな…」
「気にするな」
「ご馳走様。あ…」
その横顔には哀愁が漂っていました。後ろを向いた、その背中が、本当は特別名誉子分さんに奢りたかった…と言っているようでした。

親分にお土産に5袋持っていったピーナツ、おじさんがひと袋食べてしまった。おじさんにピーナッツを持たせるのは、馬に人参を運ばせるようなもの、ワンコに肉を運ばせるようなもの。
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路面電車でJR松山駅に行くのですが、間違えて伊予松山市駅で降りてしまい、150円均一の料金を二重に払う羽目になりました。悔し~!!
今治までは特急で1時間くらい。いよいよ親分さんと初顔合わせです。電車から降りる前にグラサン、マスク、帽子を装着し、手に傘を持ちます。
親分にわかってもらえなかったら大変だもの。目印は早めに装着しなきゃ。

こんな格好です。おほほ、似合うかしら?
と、その時おじさんの携帯がなりました。
「お前、出ろ」
「もしもし、親分さん?」
「今、正面入口や」
「あ、そうですか?おじさん!正面入口だって~」
「誰かに聞け」
改札を出るとき、ちょうど駅員さんがいたので聞いてみました。
「あの、正面入り口と言うのはどちらですか」
「あっちです」
駅員さんは、左側の方向を指差しましたが、その目はなにか怯えたような色が浮かんでいました。
「親分、正面入口に来たけど~」
「ほんまか?誰かに聞け」
「聞いたってば」
その時、水色の車の前に一人の小柄な男性が立っていました。思い切りの下がり眉、目と鼻の穴の大きさが同じくらいのこの男性…
「おお、くうみん、ここや」
「あ、親分、はじめまして」
くうみんはグラサンとマスクと帽子を外しました。
親分は荷物をトランクに入れると、車を走らせました。
親分はしまなみ海道のビュースポットに案内してくださいました。

親分とおじさん
初めて見る四国側からの瀬戸内海は、かなり潮が速いらしく、ここから見ても海の表面がざわついているのがわかります。瀬戸内海というと穏やかな海と思っていましたが、島が多いので、潮流が複雑になって流れが激しいそうです。(親分解説)

厳しい環境が魚をおいしくする
「だからここら辺の魚は身がしまっておいしいのや」
「ふ~ん、そうかぁ」
タイにいたのはスポーツマンの鶏。ここにはスポーツマンの魚がいる。ここの鯛は他の海にいる鯛よりも瞬発力が強いのか。ここの鯖は他の海の鯖よりも持久力が優れているのか。
くうみんもスポーツをしているけれど、食べられるのはやだ。
昔の銅山跡を見学後、海岸沿いの道を親分の思い出話を聞きながらドライブ。
「特別名誉子分さんというのが、おったのに、いつの間にか一般子分が蹴散らしてしまいおった」
「へー、悪い奴ですね、その一般子分」
「あほたん!」
その時、運転する親分の背中が泣いているように見えたのはくうみんの錯覚だったのか?
いつの間にか車は大きな工場の近くにたどり着きました。
「ここは工場のにおいで臭いのや」
「え。そうなの?」
はじめはわからなかったけれど、なにやら屁のような臭いが…
「ほんとだ!」
しかし、これなら2、3発ぶっぱなしても分からないなと思ったくうみんであった。
その後次第に寂しい場所に車は移動していきます。着いたのはS寺です。
「由緒正しそうな寺やろ?でも、そんなに由緒はないんや」
「そうなんですか?」
「住職が友達なんや、ちょっと声かけてきよ」
お寺の境内にある住宅の玄関に向かって親分が声をかけると、中から年配の女性が出てきました。
「こんにちは、住職おる?」
「まあ、どうぞお上がりください」
中に入らせてもらい、しばらくすると住職が現れました。
「こっち、俺の子分なんや」
「なんですか、それ」
「へい、親分がいつもお世話になっておりやす」
お茶を出してもらったあと、この寺の縁起を説明してくださいました。さっきの親分の言い方とは違って、由緒正しい寺なんである、とのことでした。
「このツボも、大変値打ちあるものと伝えられています」
「ほお、そんなに素晴らしいもの」
「この書も、ど偉い方の筆になるものです」
「ほお、それは素晴らしい」
何が素晴らしいのかよくわかりませんが、とにかく由緒正しいものばかりだと、住職はおっしゃりたいようです。

由緒正しきいわれのあるツボ

誰か偉い方が書いた書

向かって右から由緒正しい寺の住職、おじさん、くうみん
「ここでは鐘は突き放題なんです。どうですか?」
「えっ、鐘突きホ?」
「はい、除夜の鐘も皆さんに突いていただきます。108人目で終わりというのも気の毒なので、並んだ人は全て突いていただいています」
なんという太っ腹な住職でしょう。普通鐘を突くのはご遠慮下さいと言われるか、または賽銭をくれるなら突いてもいいと言われるものです。
「わ~い、鐘つかせて~」
くうみんもひと突きしました。

おじさんはウソと鐘をつくのが好き
「もう少し経ったら境内でバーベキューをするのや」
それまでおとなしくしていた親分が口を挟みました。
「えっ、お寺の境内でバーベキュー?」
「そうですね、もうすぐすることにしましょう」
住職はあくまで穏やかに言いました。どうも野菜だけのバーベキューではなく、肉も焼くようです。境内でそんなことをする…おおらかな住職です。
この後親分と食事に行きました。雰囲気のいい割烹で、今まででいちばんいい食事をいただきました。
「こんなにいい食事、いくら位するんだろう?」
急に財布が心配になってきました。

おお~!!卵満載、身のたっぷり付いたカニだ~~~!!

メバルの煮付けです。
他に、刺身に天ぷら、牛しゃぶ鍋…とにかく竜宮城に行ったかのようなご馳走だったので、写真を撮るのを忘れてしまいました。
関東の煮付けは、砂糖と醤油で真っ黒に煮つけてあって、どうも好きではないのですがこちらの煮付けは薄味に仕立ててあって、おいしいです。
気になる支払いですが、親分がおごって下さいました。
「親分、そんな…」
「気にするな」
「ご馳走様。あ…」
その横顔には哀愁が漂っていました。後ろを向いた、その背中が、本当は特別名誉子分さんに奢りたかった…と言っているようでした。

親分にお土産に5袋持っていったピーナツ、おじさんがひと袋食べてしまった。おじさんにピーナッツを持たせるのは、馬に人参を運ばせるようなもの、ワンコに肉を運ばせるようなもの。
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