明るい未来と将来の夢を語るガントモ会
くうみんたちは年に2、3回、ガントモ会を開きます。土日のお昼にするのが最近多いのですが12月は忘年会のシーズンなので、飲み会になります。
日程も決まって会うのを楽しみにしていたある日のことです。朝刊を読んでいると、一つのベタ記事に気付きました。
〇〇病院の医師網棚に個人情報置忘れ
12月〇日午後11時頃、男性医師が電車の網棚に患者の個人情報満載USBの入ったかばんを置き忘れた。気付いてすぐに届けたがいまだに見つかっていない。
〇〇病院はくうみんの通っている病院です。いっぱいやった帰りにやっちまったね。まさかスナミ君じゃねえだろうなぁ。今度皆に会ったらこの話、ふってみよう。
忘年会当日になりました。ところはオヤジのよく行くようなくうみん好みの居酒屋です。皆も同じことが気になっていたらしく、すぐにこの話題で盛り上がりました。
誰ともなしに言い合います。
「誰かしらね、そんなことしちゃったの」
40代前半、若手のB木さんが言います。
「あたし、あの後すぐ、診察だったのよね。そしたら角南先生、インフルエンザで休みだったのよね」
「えっ、あのタイミングでインフル?」
大根サラダを取りながら長老C原さんが言います。
「インフルエンザじゃなくって、謹慎だったんじゃない?」
「そうかも」
皆口々に怪しい、おかしいと言います。くうみんはごくごくとビールを飲んだ後言いました。
「それじゃ、あたし今度の診察のとき、聞いてみる」
B木さんがマグロの刺身を醤油につけながら言いました。
「えっ、できる?そんなこと」
「ふっ、スナミ君なんか怖くねぇや」
くうみんはそう言うと、焼き鳥をむしゃむしゃ食べました。
ということで、診察当日、くうみんは例のベタ記事の切抜きを持って診察に臨みました。
「大丈夫ですね」
あったりまえじゃん。大変なのはあんただろう。
「どうもありがとうございました。あ、そうそう」
新聞の切抜きをスナミのほうに出して言いました。
「あの~、これ先生じゃないかって噂なんですけど」
スナミは老眼の来た目を細めて記事を見ます。
「それ、俺じゃねぇよ!!」
「そうですか、だって絶妙のタイミングでインフルエンザなんておかしい、本当は謹慎だったんじゃないかって皆が」
スナミは口をへの字に曲げて後ろを向き、またこちらに向き直って言います。
「謹慎だったら一月くらいは出てこられねぇ」
「はあ、そうですか。皆にも言っておきます。ありがとうございました」
今日はこのくらいで勘弁してやるっ!
そして3ヶ月ほどたったある日、またガントモ会を開催する日がやってきました。
「ねえ、あたし、聞いて来たわよ。スナミに例のこと」
「えっ、どうだった?」
ランチでしたが個室だったのでくうみんは一人二役で熱演しました。
「えっ、そんなにむきになって否定したの?」
「怪しいよ、それ」
「それにお医者さんのようなインテリは自分のことを普通俺なんて言わないわよね。わたし、よね」
「不意を突かれるとつい、そうなるのかも」
情報満載てんこ盛りUSB置忘れは角南先生で間違いない。そう結論付けられました。
スナミ君。済まない。熱演が過ぎたかもしれない。
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日程も決まって会うのを楽しみにしていたある日のことです。朝刊を読んでいると、一つのベタ記事に気付きました。
〇〇病院の医師網棚に個人情報置忘れ
12月〇日午後11時頃、男性医師が電車の網棚に患者の個人情報満載USBの入ったかばんを置き忘れた。気付いてすぐに届けたがいまだに見つかっていない。
〇〇病院はくうみんの通っている病院です。いっぱいやった帰りにやっちまったね。まさかスナミ君じゃねえだろうなぁ。今度皆に会ったらこの話、ふってみよう。
忘年会当日になりました。ところはオヤジのよく行くようなくうみん好みの居酒屋です。皆も同じことが気になっていたらしく、すぐにこの話題で盛り上がりました。
誰ともなしに言い合います。
「誰かしらね、そんなことしちゃったの」
40代前半、若手のB木さんが言います。
「あたし、あの後すぐ、診察だったのよね。そしたら角南先生、インフルエンザで休みだったのよね」
「えっ、あのタイミングでインフル?」
大根サラダを取りながら長老C原さんが言います。
「インフルエンザじゃなくって、謹慎だったんじゃない?」
「そうかも」
皆口々に怪しい、おかしいと言います。くうみんはごくごくとビールを飲んだ後言いました。
「それじゃ、あたし今度の診察のとき、聞いてみる」
B木さんがマグロの刺身を醤油につけながら言いました。
「えっ、できる?そんなこと」
「ふっ、スナミ君なんか怖くねぇや」
くうみんはそう言うと、焼き鳥をむしゃむしゃ食べました。
ということで、診察当日、くうみんは例のベタ記事の切抜きを持って診察に臨みました。
「大丈夫ですね」
あったりまえじゃん。大変なのはあんただろう。
「どうもありがとうございました。あ、そうそう」
新聞の切抜きをスナミのほうに出して言いました。
「あの~、これ先生じゃないかって噂なんですけど」
スナミは老眼の来た目を細めて記事を見ます。
「それ、俺じゃねぇよ!!」
「そうですか、だって絶妙のタイミングでインフルエンザなんておかしい、本当は謹慎だったんじゃないかって皆が」
スナミは口をへの字に曲げて後ろを向き、またこちらに向き直って言います。
「謹慎だったら一月くらいは出てこられねぇ」
「はあ、そうですか。皆にも言っておきます。ありがとうございました」
今日はこのくらいで勘弁してやるっ!
そして3ヶ月ほどたったある日、またガントモ会を開催する日がやってきました。
「ねえ、あたし、聞いて来たわよ。スナミに例のこと」
「えっ、どうだった?」
ランチでしたが個室だったのでくうみんは一人二役で熱演しました。
「えっ、そんなにむきになって否定したの?」
「怪しいよ、それ」
「それにお医者さんのようなインテリは自分のことを普通俺なんて言わないわよね。わたし、よね」
「不意を突かれるとつい、そうなるのかも」
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