偶然だらけの傷心旅行 その1
四苦八苦に悩むくうみんは、某温泉地へ傷心旅行に行きました。一人旅と行きたいけれど、おじゃま虫おじさんはいつもついてきます。
「あっちへ行け、しっしっ」
「ワンワン」
「仕方ない、連れて行ってやるか」
「クーン、クーン」
いつも通りのお弁当と、ビールをしこたま積み込んで新幹線に乗り込みます。今回は2泊なのでワイン、焼酎と抜かりなく詰め込みます。
安いツアーだと、2階建ての場合は1階がお約束、席も指定することはできますが、言わなければちょうど眺めの悪いところになってしまいます。
今回は格安ツアーではなく、そこそこいいツアーになったので(これ以上安いのがなかった)2階建ての新幹線でしたが2階の方で、窓が大きくなっている席にしてもらえました。
いつもなら新幹線が動き始めるとビールで乾杯しますが、今回くうみんはお茶です。
なぜなら偶然ですが、明日、これから訪れる某温泉地で開催される15キロマラソンに申し込んでいたのを思い出したからです。
「飲まないのか?おじさん、飲むよ」
「どうぞ」
前の日に酒飲むとやはり走りが悪くなる。勝負にこだわるなら禁酒です。
某温泉地最寄りの駅に着くと、宿の人が迎えに来ていました。
「たぬきの宿、洞元荘です。くうみんさんですか?」
「はい」
「こちらへどうぞ」
バスは結構いっぱいです。
選んだ宿は随分と山奥に入ったところです。チェックインを済ませ、明日のバスの時刻を調べます。
部屋に帰り、明日のことを考えて、着ていくもの、持ち物のことなど考えていたら、部屋の電話が鳴りました。
「はい」
「ご面会の方がお見えです」
はて、面会?誰だろう?ロビーというより玄関と言ったほうがふさわしい入口に向かうと、花柄のワンピを着た女性が、ただずんでいます。ブロ友のキャロリンさんです。
「あれ、どうしたの?よくここが判ったわねえ」
「ドライブしていたら、なんかくうみんさんのニオイがしてきたので、鼻を鳴らしながらニオイをたどったらここに」
「まあ、同じところに来るなんて、偶然ね!」
外にはご主人とお子ちゃまの「ゴン太君」がいました。ゴン太君は疲れて車の中で寝ています。
「ゴン太…愛いやつ」
くうみんはつぶやきました。
ご主人とゴン太くんを車に残して、キャロリンさんとしばらく部屋で話しました。帰り際、紙袋を2つ、くれました。
「これ、うちで採れた野菜と、ラスク。高崎名物なの」
「まあ、いいの?」
「なんだかくうみんさんに偶然会うような気がして、持ってきたの」
「ありがとう。嬉しいわ」

偶然持ってきてくれたお土産の野菜。そのほか高崎名物ラスクも
あまりご主人とゴン太くんを待たせても悪いので、話もそこそこでしたが、偶然とはいえ旅先に人が訪ねてくれるのは嬉しいものです。
夕食は6時半からということで、その前に一風呂浴びて、部屋に戻ると、お部屋係のお姉さんが満面の笑みを浮かべて食事を運んで来てくれました。
さすが有名な某温泉地、たぬきの宿洞元荘。おもてなしの心がこもっています。ロクでもない旅館は伏字にするしかないとくうみんが唸った栃木県k川Pホテルとはえらい違いです。
「サービスのビールです」
ああ!今日は禁酒の日。でも、小瓶だし、一本飲んじゃおう。

サービスのビール

素朴な料理が並ぶ食卓。山菜料理が中心で、なかなか美味しい。
美味しい料理を堪能したあと、疲れが出たのか9時頃には寝てしまいました。明日は6時起きです。
15キロマラソンは初めての距離、そして高低差100m以上というタフなコースを走るのも、初めてではないかと思います。
緊張で眠れないということが全くないくうみんは、いつしか深い眠りに落ちていました。
続く

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「あっちへ行け、しっしっ」
「ワンワン」
「仕方ない、連れて行ってやるか」
「クーン、クーン」
いつも通りのお弁当と、ビールをしこたま積み込んで新幹線に乗り込みます。今回は2泊なのでワイン、焼酎と抜かりなく詰め込みます。
安いツアーだと、2階建ての場合は1階がお約束、席も指定することはできますが、言わなければちょうど眺めの悪いところになってしまいます。
今回は格安ツアーではなく、そこそこいいツアーになったので(これ以上安いのがなかった)2階建ての新幹線でしたが2階の方で、窓が大きくなっている席にしてもらえました。
いつもなら新幹線が動き始めるとビールで乾杯しますが、今回くうみんはお茶です。
なぜなら偶然ですが、明日、これから訪れる某温泉地で開催される15キロマラソンに申し込んでいたのを思い出したからです。
「飲まないのか?おじさん、飲むよ」
「どうぞ」
前の日に酒飲むとやはり走りが悪くなる。勝負にこだわるなら禁酒です。
某温泉地最寄りの駅に着くと、宿の人が迎えに来ていました。
「たぬきの宿、洞元荘です。くうみんさんですか?」
「はい」
「こちらへどうぞ」
バスは結構いっぱいです。
選んだ宿は随分と山奥に入ったところです。チェックインを済ませ、明日のバスの時刻を調べます。
部屋に帰り、明日のことを考えて、着ていくもの、持ち物のことなど考えていたら、部屋の電話が鳴りました。
「はい」
「ご面会の方がお見えです」
はて、面会?誰だろう?ロビーというより玄関と言ったほうがふさわしい入口に向かうと、花柄のワンピを着た女性が、ただずんでいます。ブロ友のキャロリンさんです。
「あれ、どうしたの?よくここが判ったわねえ」
「ドライブしていたら、なんかくうみんさんのニオイがしてきたので、鼻を鳴らしながらニオイをたどったらここに」
「まあ、同じところに来るなんて、偶然ね!」
外にはご主人とお子ちゃまの「ゴン太君」がいました。ゴン太君は疲れて車の中で寝ています。
「ゴン太…愛いやつ」
くうみんはつぶやきました。
ご主人とゴン太くんを車に残して、キャロリンさんとしばらく部屋で話しました。帰り際、紙袋を2つ、くれました。
「これ、うちで採れた野菜と、ラスク。高崎名物なの」
「まあ、いいの?」
「なんだかくうみんさんに偶然会うような気がして、持ってきたの」
「ありがとう。嬉しいわ」

偶然持ってきてくれたお土産の野菜。そのほか高崎名物ラスクも
あまりご主人とゴン太くんを待たせても悪いので、話もそこそこでしたが、偶然とはいえ旅先に人が訪ねてくれるのは嬉しいものです。
夕食は6時半からということで、その前に一風呂浴びて、部屋に戻ると、お部屋係のお姉さんが満面の笑みを浮かべて食事を運んで来てくれました。
さすが有名な某温泉地、たぬきの宿洞元荘。おもてなしの心がこもっています。ロクでもない旅館は伏字にするしかないとくうみんが唸った栃木県k川Pホテルとはえらい違いです。
「サービスのビールです」
ああ!今日は禁酒の日。でも、小瓶だし、一本飲んじゃおう。

サービスのビール

素朴な料理が並ぶ食卓。山菜料理が中心で、なかなか美味しい。
美味しい料理を堪能したあと、疲れが出たのか9時頃には寝てしまいました。明日は6時起きです。
15キロマラソンは初めての距離、そして高低差100m以上というタフなコースを走るのも、初めてではないかと思います。
緊張で眠れないということが全くないくうみんは、いつしか深い眠りに落ちていました。
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