ひねくれくうみんの九塞溝旅行
くうみんは国内でも、海外でも、旅行が好きです。最近は年を考えると、今行かないといけなくなるかも、と言う所に行くようにしています。
ということで、中国の秘境、九塞溝に行くことにしました。九塞溝は中国の成都の近くにある山地で、山や湖が大変きれいな所だと言うことです。
旅行会社のパンフを見ると、「心臓の悪い人はご遠慮ください」とあります。心臓は悪くないから大丈夫…主人と一緒に行くことにしました。
成田から上海に行き、そこから成都まで飛行機を乗り継ぎます。そこで一泊して翌日報国寺や峨眉山見物、その翌日は楽山見物などををしました。4日目、いよいよ九塞溝に向かいます。朝早く6時半ごろ成都エアポートに到着、飛行機は定刻どおりに飛び立ちました。
九塞溝空港では中国人と見られるばあちゃんが床に倒れていました。
「さ、皆さん、バスに乗ってください。」
添乗員の指示に従ってバスに乗り込みます。本来のコースだとそこから九塞溝へ行くことになっていましたが、それだと時間のロスがあるので、先に黄龍と言う観光地にいくと言います。そのうちバスはある峠に到着しました。
「皆さん、ここが高度4千メートルの峠です。記念写真を撮ってください」
めんどくさいと思いましたが、何しろ高度4千メートルです。行かなきゃ損とバスを降りましたが、何かが体の上に覆いかぶさっているような重さを感じます。
「ぬおぉ~!これが高度4千メートルの大地か!おじさん、大丈夫かぁ~!」
「な、なんとか…」
頼りない男、おじさん(主人)私に先立たれても、たくましく生きておくれ…
4千メートル見物が終わり、黄龍に到着。日本で言えば尾瀬や上高地のような景色ですが、何しろ最高3千600メートルの高地です。缶に入った酸素を渡され、上へ上へと向かいます。
少し歩いただけで息切れします。おじさんは盛んに酸素を吸っていました。途中に同じツアーに参加している柴田理恵似の女性が真っ青な顔で階段に座り込んでいます。
「ゼイゼイ、ご主人はどうされました?」
女性は
「ゼイゼイ、主人は先に行った~ゼイ、苦しくて動けない~ゼイゼイ」
と、目を見開き、眉間にしわを寄せています。
「ゼイゼイ、酸素を吸うと、ゼイゼイいいですよ」
そう言って、階段を登っていきました。とても人を介抱する余裕はありません。
ぜいぜい言いながら見物を終え、集合時間の5時半にぎりぎり間に合いましたが、一人、大幅に遅れた人がいて、出発は7時頃になってしまいました。
「ったく、迷惑なんだから…」
真っ暗な道をバスはひた走ります。道路には雪も積もっています。日本の旅行社主催の旅行でトルコやスペインでバスが横転して死亡事故があったのを思い出しました。慣れているとはいえ、運転手も生身の人間、
「とにかく事故るな!だめなら休んでよし!」
心の中で無事を祈りました。
やっとホテルについて、ホッとしていると、頭ががんがん痛みます。高山病です。こういう場合は早寝に限ります。高山病は一晩眠れば治りました。
その次の九塞溝は心配していた高山病もなく、きれいな景色を満喫しました。観光バスには必ずチベット族のガイドが付くことになっています。日本語のしゃべれないガイドのほうが多いのですが、付いたガイドも日本語が話せません。せめてチベット族らしい顔立ちをしていれば記念写真でも撮るでしょうが、見た目普通の中国人と変わりません。バスが出発し、ふと外を見るとガイドの女性が「待って~」と言うようにバスを追いかけていました。「ガイドさんを乗せていないよ!」
誰かが気付いてガイドを乗せました。
そのあと成都でパンダを見たりして、楽しい旅行は終わりました。
末期のがん患者が、エベレストに登ったら癌が治ったとか、よく聞きます。あそこは地球じゃないような気がしました。草木一つ生えていません。月ってこんな感じかしらと思います。そんなところに何日かいたら、癌も苦しくなってなくなるのかもしれません。
試してみる方、いますか?喉もと過ぎれば熱さ忘れる、でくうみんももう一度行ってもいいなと思っているところです。
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ということで、中国の秘境、九塞溝に行くことにしました。九塞溝は中国の成都の近くにある山地で、山や湖が大変きれいな所だと言うことです。
旅行会社のパンフを見ると、「心臓の悪い人はご遠慮ください」とあります。心臓は悪くないから大丈夫…主人と一緒に行くことにしました。
成田から上海に行き、そこから成都まで飛行機を乗り継ぎます。そこで一泊して翌日報国寺や峨眉山見物、その翌日は楽山見物などををしました。4日目、いよいよ九塞溝に向かいます。朝早く6時半ごろ成都エアポートに到着、飛行機は定刻どおりに飛び立ちました。
九塞溝空港では中国人と見られるばあちゃんが床に倒れていました。
「さ、皆さん、バスに乗ってください。」
添乗員の指示に従ってバスに乗り込みます。本来のコースだとそこから九塞溝へ行くことになっていましたが、それだと時間のロスがあるので、先に黄龍と言う観光地にいくと言います。そのうちバスはある峠に到着しました。
「皆さん、ここが高度4千メートルの峠です。記念写真を撮ってください」
めんどくさいと思いましたが、何しろ高度4千メートルです。行かなきゃ損とバスを降りましたが、何かが体の上に覆いかぶさっているような重さを感じます。
「ぬおぉ~!これが高度4千メートルの大地か!おじさん、大丈夫かぁ~!」
「な、なんとか…」
頼りない男、おじさん(主人)私に先立たれても、たくましく生きておくれ…
4千メートル見物が終わり、黄龍に到着。日本で言えば尾瀬や上高地のような景色ですが、何しろ最高3千600メートルの高地です。缶に入った酸素を渡され、上へ上へと向かいます。
少し歩いただけで息切れします。おじさんは盛んに酸素を吸っていました。途中に同じツアーに参加している柴田理恵似の女性が真っ青な顔で階段に座り込んでいます。
「ゼイゼイ、ご主人はどうされました?」
女性は
「ゼイゼイ、主人は先に行った~ゼイ、苦しくて動けない~ゼイゼイ」
と、目を見開き、眉間にしわを寄せています。
「ゼイゼイ、酸素を吸うと、ゼイゼイいいですよ」
そう言って、階段を登っていきました。とても人を介抱する余裕はありません。
ぜいぜい言いながら見物を終え、集合時間の5時半にぎりぎり間に合いましたが、一人、大幅に遅れた人がいて、出発は7時頃になってしまいました。
「ったく、迷惑なんだから…」
真っ暗な道をバスはひた走ります。道路には雪も積もっています。日本の旅行社主催の旅行でトルコやスペインでバスが横転して死亡事故があったのを思い出しました。慣れているとはいえ、運転手も生身の人間、
「とにかく事故るな!だめなら休んでよし!」
心の中で無事を祈りました。
やっとホテルについて、ホッとしていると、頭ががんがん痛みます。高山病です。こういう場合は早寝に限ります。高山病は一晩眠れば治りました。
その次の九塞溝は心配していた高山病もなく、きれいな景色を満喫しました。観光バスには必ずチベット族のガイドが付くことになっています。日本語のしゃべれないガイドのほうが多いのですが、付いたガイドも日本語が話せません。せめてチベット族らしい顔立ちをしていれば記念写真でも撮るでしょうが、見た目普通の中国人と変わりません。バスが出発し、ふと外を見るとガイドの女性が「待って~」と言うようにバスを追いかけていました。「ガイドさんを乗せていないよ!」
誰かが気付いてガイドを乗せました。
そのあと成都でパンダを見たりして、楽しい旅行は終わりました。
末期のがん患者が、エベレストに登ったら癌が治ったとか、よく聞きます。あそこは地球じゃないような気がしました。草木一つ生えていません。月ってこんな感じかしらと思います。そんなところに何日かいたら、癌も苦しくなってなくなるのかもしれません。
試してみる方、いますか?喉もと過ぎれば熱さ忘れる、でくうみんももう一度行ってもいいなと思っているところです。
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