偶然ばかりの、ぶらり旅途中ですが、ヨシ伯母の話 年取って必要なのはお金と人を見る目
偶然母のいる施設に行ったくうみんは、偶然にもヨシ伯母が亡くなったことを知りました。
「ヨシ伯母、4か月も意識不明になって死んだのか…」
「そうだな…」
ヨシ伯母はくうみん母の姉にあたります。ヨシ伯母は生涯独身でした。
くうみんは大学を卒業後、2年ほどヨシ伯母のところに居候していました。そしておじさんと結婚して、その家を出たのです。
新婚当時のくうみんの家とヨシ叔母の家は割と近くだったので、月に一度くらい、ご機嫌伺いのつもりで訪れていました。しかし行くたびに、言うのです。
「別れるの?!別れるの?!」
そのうちに
「あんたが来ると別れる相談かと思って生きた心地がしない」
「あんたのことは信用できない」
とまで言われたので、いつの間にか行かなくなりました。
それから月日は流れました。
ある日、くうみんは母に電話しました。すると偶然、大事件が起こっている最中でした。
「今、ヨシ伯母のことで大変なの!」
と、くうみん母、西太后陛下が泣きながら言うのです。落ち着いてから話をまとめると、くうみん母から聞いた事情は次の通り。
年を取って体が不自由になったヨシ伯母は、一時くうみん母・西太后陛下の家に身を寄せることになった。介護は思いの他大変で、くうみん母は夜も眠れなかった。
少し落ち着いたので、帰っていったが、そこに親戚中の鼻つまみ者のY子が、親切ごかしに近づいて、ヨシ伯母を民間の介護施設に入れた。
Y子は、ヨシ伯母の預貯金をほとんど取り上げてしまった。住んでいた家も売り払おうとしたらしく、ヨシ伯母の近所の人からの通報で駆けつけると、家の中の荷物は全部捨てられていた。
これから入る年金も、取られるかも知れないので、懇意にしている郵便局の人にどうすればいいか聞いて、引き出しをできないよう手続きをした。
無一文になったヨシ伯母は、お金が支払えないので施設を追い出されることになった。でも、ここで面倒は見られないので、知り合いのつてを頼って、山奥の老人病院に入れることになった。
かなり認知症が進んでいたとはいえ、病院のベッドの上だけが自分の居場所と言うのがかわいそうで、くうみんもあちこち探したのですが、入居一時金の問題があって、まともな施設は見つかりませんでした。
そういう経緯を経て、その時入院した病院でヨシ伯母は10年近くを過ごして人生の終わりを迎えたのです。
電車の中で、外の景色を眺めながら、おじさんに話します。
「なんでくうみんのことをそんなに信用してくれなかったんだろうね」
親戚中の鼻つまみ者、Y子よりも信用できなかったなんて…
「ヨシ伯母は、すごく疑い深い人なのよ」
くうみん母・西太后陛下は言います。
「だけどそう言う人って、コロッとだまされるの」
悪い奴は落としどころをちゃんと心得ているのかも知れません。
おじさんとくうみんにも子供がいません。自分のことは自分でしますが、認知症になった時は、誰かに助けてもらわなくてはなりません。死んだときに、気持ちばかりのお金が残る程度の貯金は必要ですが、それ以上に人を見る目が大事だと、くうみんは思いました。
「くうみんだって、妹のマキロンだって、ヨシ伯母のお金をかすめ取るような器用なまねはできないよ…」
偶然に偶然が重なって、なんだか湿っぽい正月旅行は終わりました。
けさ、西太后陛下から電話がありました。
「I(くうみん父の苗字)が入っている納骨堂、ヨシ伯母は入れるかしら?入れるところがないのよ。お寺さんに聞いてくれる?」
「うん、わかった、聞いてみる」
ヨシ伯母、くうみんのところに来る?贅沢な法事はできないけれど、子供が金魚のお墓をお参りするような、心のこもったお参りはしてあげる。
それともまだ信用できない?
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「そうだな…」
ヨシ伯母はくうみん母の姉にあたります。ヨシ伯母は生涯独身でした。
くうみんは大学を卒業後、2年ほどヨシ伯母のところに居候していました。そしておじさんと結婚して、その家を出たのです。
新婚当時のくうみんの家とヨシ叔母の家は割と近くだったので、月に一度くらい、ご機嫌伺いのつもりで訪れていました。しかし行くたびに、言うのです。
「別れるの?!別れるの?!」
そのうちに
「あんたが来ると別れる相談かと思って生きた心地がしない」
「あんたのことは信用できない」
とまで言われたので、いつの間にか行かなくなりました。
それから月日は流れました。
ある日、くうみんは母に電話しました。すると偶然、大事件が起こっている最中でした。
「今、ヨシ伯母のことで大変なの!」
と、くうみん母、西太后陛下が泣きながら言うのです。落ち着いてから話をまとめると、くうみん母から聞いた事情は次の通り。
年を取って体が不自由になったヨシ伯母は、一時くうみん母・西太后陛下の家に身を寄せることになった。介護は思いの他大変で、くうみん母は夜も眠れなかった。
少し落ち着いたので、帰っていったが、そこに親戚中の鼻つまみ者のY子が、親切ごかしに近づいて、ヨシ伯母を民間の介護施設に入れた。
Y子は、ヨシ伯母の預貯金をほとんど取り上げてしまった。住んでいた家も売り払おうとしたらしく、ヨシ伯母の近所の人からの通報で駆けつけると、家の中の荷物は全部捨てられていた。
これから入る年金も、取られるかも知れないので、懇意にしている郵便局の人にどうすればいいか聞いて、引き出しをできないよう手続きをした。
無一文になったヨシ伯母は、お金が支払えないので施設を追い出されることになった。でも、ここで面倒は見られないので、知り合いのつてを頼って、山奥の老人病院に入れることになった。
かなり認知症が進んでいたとはいえ、病院のベッドの上だけが自分の居場所と言うのがかわいそうで、くうみんもあちこち探したのですが、入居一時金の問題があって、まともな施設は見つかりませんでした。
そういう経緯を経て、その時入院した病院でヨシ伯母は10年近くを過ごして人生の終わりを迎えたのです。
電車の中で、外の景色を眺めながら、おじさんに話します。
「なんでくうみんのことをそんなに信用してくれなかったんだろうね」
親戚中の鼻つまみ者、Y子よりも信用できなかったなんて…
「ヨシ伯母は、すごく疑い深い人なのよ」
くうみん母・西太后陛下は言います。
「だけどそう言う人って、コロッとだまされるの」
悪い奴は落としどころをちゃんと心得ているのかも知れません。
おじさんとくうみんにも子供がいません。自分のことは自分でしますが、認知症になった時は、誰かに助けてもらわなくてはなりません。死んだときに、気持ちばかりのお金が残る程度の貯金は必要ですが、それ以上に人を見る目が大事だと、くうみんは思いました。
「くうみんだって、妹のマキロンだって、ヨシ伯母のお金をかすめ取るような器用なまねはできないよ…」
偶然に偶然が重なって、なんだか湿っぽい正月旅行は終わりました。
けさ、西太后陛下から電話がありました。
「I(くうみん父の苗字)が入っている納骨堂、ヨシ伯母は入れるかしら?入れるところがないのよ。お寺さんに聞いてくれる?」
「うん、わかった、聞いてみる」
ヨシ伯母、くうみんのところに来る?贅沢な法事はできないけれど、子供が金魚のお墓をお参りするような、心のこもったお参りはしてあげる。
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