よだきゅうシンデレラ物語
2011年、妖怪の館にある一家が住んでいました。
よだきゅう子はお父さんと二人暮らしをしていましたが、お父さんはいつも旅に出て留守がちなので、新しいおかあさんを迎えました。継母はおじさんに先立たれて、娘二人を連れてここに嫁いできました。くうみんと言います。
「せっかく押し倒して結婚したのに、いつも留守じゃねえ…」
継母はぶつくさ言っています。
「よだきゅう子、掃除がすんだら次はまき割りだよ!」
全自動掃除機ルンバが、動き回る中、拭き掃除をしていたよだきゅう子は答えました。
「は、はい、ただいま」
「お前は仕事がたくさんあるからね、今日のお城のパーティーには不参加でいいね」
「は、はい…」
「お前たちはおめかしして!どっちでもいいから王子様を腕づくでも、ものにするんだよ!」
「は~い、お母様」
二人の娘たちは美肌パック、美容ローラーなど、あらゆる化粧道具を駆使してお肌の手入れにいそしんでいます。長女はshougyoku、次女は直弟子と言います。
夕方、3人は貸衣装に身を包み、馬車に乗って、お城に向かいました。
一人残されたよだきゅう子はドラゴンズ優勝祝いで近所からいただいたズワイガニでいっぱいやっていました。このカニも、継母には黙って隠しておいたのです。
「いぢ悪なおかんや姉ちゃんも行ってしもたがや。でらーうまいがや。こら、命の洗濯だぎゃね」
おいしくカニ鍋をつついていると、火もないのに、煙が出てきます。
「な、なんだがね!!」
「おほほ…怪しい者じゃありません。魔法使い、まゆですわ!」
「十分怪しいがね!」
「いいえ、そんなことはどうでもいいの。私、あなたをお城に連れて行ってあげるわ」
「そんなことより、このカニ鍋が…」
言う間もなく魔法使いまゆはよだきゅう子に魔法をかけて、全身金色の衣装にしてしまいました。
「こ、これは全部金だがな!なんと、腰巻までも金色だがや!」
「さ、それで王子様はあなたのとりこ。外にも金の馬車を用意しているわ。行きなさい!」
「そ、それよりカニ鍋…」
「ただし、12時までに帰るように。魔法はそこまでしか効かないの」
何やら強い力で押し倒され、気づいたら馬車はお城の入り口に着いていました。
「12時までには帰るようにね、ぴょん」
何やらウサギのような御者が言いました。
お城には国中の娘たちが集まって、妍を競っています。門番は美しい姫が来るたびに、声をあげます。
「デリカ伯爵と弘ちゃん姫、おな~り~」
「阿修羅男爵こと、cocoa姫、おな~り~」
そしてよだきゅう子が、会場に現れた時です。門番は
「うっ」
と言ったまま絶句してしまいました。何しろ全身がまばゆく光る黄金です。
「どこの姫様かしら?」
「黄金の輝きが美しすぎる!」
そのなかにはいぢ悪な継母や姉さんがいるのが見えましたが、黄金の姫がよだきゅう子だとは気付いていません。
「これはこれは黄金の輝きの姫、私とダンスを踊っていただけませんか?」
「いえ、わい…私は、炭坑節くらいしか踊れんがね」
「大丈夫、私のリードに合わせて」
王子様の腕に抱かれ、よだきゅう子は夢のようなひと時を過ごしました。
ふと気づくともうすぐ12時です。
「しまったがや!」
「うわぁ!」
王子様をまき割りで鍛えた太い腕で押し倒すと、よだきゅう子は高校時代は陸上部だった俊足で一目散にダッシュしていきました。
階段で躓き、ふと見ると、金の腰巻が脱げています。付け直している暇はありません。急いで馬車に乗り、家に帰ると、馬車はカボチャに、御者はウサギに変わっていました。
「うさぎの御者だったがや…」
テーブルの上にはカニ鍋がそのまま残っています。こんなのを継母たちに見つかったら大変なことになります。冷えていますが、十分おいしいカニ鍋です。そのまま食べて片付け終え、屋根裏部屋に戻ると、継母たちが帰ってきました。
「あの姫はいったい誰かしら?」
「ね、なんかいい匂いしない?」
「カニ鍋のような…」
よだきゅう子は生きた心地がしませんでした。
その翌日、お城からの使いが新聞交換よろしくトラックからスピーカーで呼ばわります。
「この腰巻がぴったりの姫はおらぬか。この腰巻がぴったりの姫はおらぬか」
継母は娘たちを読んで言いました。
「ダメもとで私だと名乗りなさい!」
shougyukuも、直弟子も、
「私です!私です!」
と、口々に言って我先に腰巻を巻いて見せました。
「ダメ、ぶかぶかだわ!」
「わたしも!」
「このうそつきめ!ひっ捕らえよ!」
ねえさん達は羽交い絞めにされて連行されていきました。
「あの、私…」
よだきゅう子が名乗りをあげました。腰巻を巻くと、なんとぴったりです。
「おお、あなた様があの姫であらせられるか!」
意地悪な継母は叫びます。
「こいつのはずがありません!私はこいつをお城にはいかせませんでした!」
「なんと、この娘をお城に行かせなかったと言うのか!国中の娘を連れてこなければいけないと言う決まりだったのに、それを無視するとは法律違反!こいつもひっ捕らえよ!」
「あ、あ~!お許しください!」
しかし許されるはずもなく、姐さんと同じ檻の中に入れられてしまいました。
「ったく、お母さんたらばかね」
「ちくしょ、憶えてろよ、よだきゅう子のやつ!」
よだきゅう子はお城に招かれ、王子様の寝室に連れていかれました。
王子様はよだきゅう子に押し倒され、脳震盪を起こしていたのです。
「王子様!ごめんだがね!許してちょ!」
「よだきゅう子…いいんだよ…金ぴかの君が好きだ」
「私、もう金ぴかじゃないがや!」
「心は金ぴかだよ」
王子様とよだきゅう子は熱い口づけを交わしました。
その後二人は結婚し、幸せに暮らしましたが、継母たちはどうなったでしょう。
仮にもよだきゅうお妃の親族なので、罪人はまずいと、釈放されましたがその後、継母は夫とは離縁されました。
「継母くうみんがパートの飛脚をしているのを見た」
「娘たちがレジ打ちのバイトをしているのを見た」
と言う噂を聞きますが、はっきりとしたことは判りません。
めでたし、めでたし。
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よだきゅう子はお父さんと二人暮らしをしていましたが、お父さんはいつも旅に出て留守がちなので、新しいおかあさんを迎えました。継母はおじさんに先立たれて、娘二人を連れてここに嫁いできました。くうみんと言います。
「せっかく押し倒して結婚したのに、いつも留守じゃねえ…」
継母はぶつくさ言っています。
「よだきゅう子、掃除がすんだら次はまき割りだよ!」
全自動掃除機ルンバが、動き回る中、拭き掃除をしていたよだきゅう子は答えました。
「は、はい、ただいま」
「お前は仕事がたくさんあるからね、今日のお城のパーティーには不参加でいいね」
「は、はい…」
「お前たちはおめかしして!どっちでもいいから王子様を腕づくでも、ものにするんだよ!」
「は~い、お母様」
二人の娘たちは美肌パック、美容ローラーなど、あらゆる化粧道具を駆使してお肌の手入れにいそしんでいます。長女はshougyoku、次女は直弟子と言います。
夕方、3人は貸衣装に身を包み、馬車に乗って、お城に向かいました。
一人残されたよだきゅう子はドラゴンズ優勝祝いで近所からいただいたズワイガニでいっぱいやっていました。このカニも、継母には黙って隠しておいたのです。
「いぢ悪なおかんや姉ちゃんも行ってしもたがや。でらーうまいがや。こら、命の洗濯だぎゃね」
おいしくカニ鍋をつついていると、火もないのに、煙が出てきます。
「な、なんだがね!!」
「おほほ…怪しい者じゃありません。魔法使い、まゆですわ!」
「十分怪しいがね!」
「いいえ、そんなことはどうでもいいの。私、あなたをお城に連れて行ってあげるわ」
「そんなことより、このカニ鍋が…」
言う間もなく魔法使いまゆはよだきゅう子に魔法をかけて、全身金色の衣装にしてしまいました。
「こ、これは全部金だがな!なんと、腰巻までも金色だがや!」
「さ、それで王子様はあなたのとりこ。外にも金の馬車を用意しているわ。行きなさい!」
「そ、それよりカニ鍋…」
「ただし、12時までに帰るように。魔法はそこまでしか効かないの」
何やら強い力で押し倒され、気づいたら馬車はお城の入り口に着いていました。
「12時までには帰るようにね、ぴょん」
何やらウサギのような御者が言いました。
お城には国中の娘たちが集まって、妍を競っています。門番は美しい姫が来るたびに、声をあげます。
「デリカ伯爵と弘ちゃん姫、おな~り~」
「阿修羅男爵こと、cocoa姫、おな~り~」
そしてよだきゅう子が、会場に現れた時です。門番は
「うっ」
と言ったまま絶句してしまいました。何しろ全身がまばゆく光る黄金です。
「どこの姫様かしら?」
「黄金の輝きが美しすぎる!」
そのなかにはいぢ悪な継母や姉さんがいるのが見えましたが、黄金の姫がよだきゅう子だとは気付いていません。
「これはこれは黄金の輝きの姫、私とダンスを踊っていただけませんか?」
「いえ、わい…私は、炭坑節くらいしか踊れんがね」
「大丈夫、私のリードに合わせて」
王子様の腕に抱かれ、よだきゅう子は夢のようなひと時を過ごしました。
ふと気づくともうすぐ12時です。
「しまったがや!」
「うわぁ!」
王子様をまき割りで鍛えた太い腕で押し倒すと、よだきゅう子は高校時代は陸上部だった俊足で一目散にダッシュしていきました。
階段で躓き、ふと見ると、金の腰巻が脱げています。付け直している暇はありません。急いで馬車に乗り、家に帰ると、馬車はカボチャに、御者はウサギに変わっていました。
「うさぎの御者だったがや…」
テーブルの上にはカニ鍋がそのまま残っています。こんなのを継母たちに見つかったら大変なことになります。冷えていますが、十分おいしいカニ鍋です。そのまま食べて片付け終え、屋根裏部屋に戻ると、継母たちが帰ってきました。
「あの姫はいったい誰かしら?」
「ね、なんかいい匂いしない?」
「カニ鍋のような…」
よだきゅう子は生きた心地がしませんでした。
その翌日、お城からの使いが新聞交換よろしくトラックからスピーカーで呼ばわります。
「この腰巻がぴったりの姫はおらぬか。この腰巻がぴったりの姫はおらぬか」
継母は娘たちを読んで言いました。
「ダメもとで私だと名乗りなさい!」
shougyukuも、直弟子も、
「私です!私です!」
と、口々に言って我先に腰巻を巻いて見せました。
「ダメ、ぶかぶかだわ!」
「わたしも!」
「このうそつきめ!ひっ捕らえよ!」
ねえさん達は羽交い絞めにされて連行されていきました。
「あの、私…」
よだきゅう子が名乗りをあげました。腰巻を巻くと、なんとぴったりです。
「おお、あなた様があの姫であらせられるか!」
意地悪な継母は叫びます。
「こいつのはずがありません!私はこいつをお城にはいかせませんでした!」
「なんと、この娘をお城に行かせなかったと言うのか!国中の娘を連れてこなければいけないと言う決まりだったのに、それを無視するとは法律違反!こいつもひっ捕らえよ!」
「あ、あ~!お許しください!」
しかし許されるはずもなく、姐さんと同じ檻の中に入れられてしまいました。
「ったく、お母さんたらばかね」
「ちくしょ、憶えてろよ、よだきゅう子のやつ!」
よだきゅう子はお城に招かれ、王子様の寝室に連れていかれました。
王子様はよだきゅう子に押し倒され、脳震盪を起こしていたのです。
「王子様!ごめんだがね!許してちょ!」
「よだきゅう子…いいんだよ…金ぴかの君が好きだ」
「私、もう金ぴかじゃないがや!」
「心は金ぴかだよ」
王子様とよだきゅう子は熱い口づけを交わしました。
その後二人は結婚し、幸せに暮らしましたが、継母たちはどうなったでしょう。
仮にもよだきゅうお妃の親族なので、罪人はまずいと、釈放されましたがその後、継母は夫とは離縁されました。
「継母くうみんがパートの飛脚をしているのを見た」
「娘たちがレジ打ちのバイトをしているのを見た」
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