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かつて愛したスナミに別れを告げる。さよなら、スナミ君!!私は台湾に引っ越す…ことにする。

 もうすぐ術後半年になります。化学療法で身がボロボロになりました。心はオソロな主治医によってボロボロにされました。
 そのオソロ主治医による半年後診察があります。そのとき、転院の意向を伝えようと思いました。また怒鳴られたら怖いので主人に言ってもらうことにしました。理由はお約束の引越しです。通院2時間くらいでは来るように言われてしまいますから、ありえないような遠方に引越すことにするのです。
「沖縄の石垣島にでもするか」
「うん、それくらいがいいと思う」
 事情があって、今度沖縄の石垣島に引っ越すことになった。ついては3通ほど紹介状を戴きたい。
「3通って、3件の病院に行くってことになるなあ。石垣島に行くのに不自然かなあ」
「じゃ、いっそ外国にしようか」
「台湾がいいかな」
と言うことで台湾に引っ越すことにしました。ある程度口裏を合わせて不自然でないようにします。主人が会社を首になった。ついては台湾で民宿を始めることになった。と言うことで引越しします…後から考えると、非常に不自然な理由ですがこのときはこれでいいと思っていたのです。私達はことほどさように、お似合いのバカ夫婦です。
 まだ化学療法中ではげている頭に2万円ほどで買ったヅラをかぶり、その上にニットの帽子を被ります。安いヅラなのですぐにヅラだとばれますが帽子を被ると自然に見えます。
「しっかりしてよ、おじさん」
「うん、わかった」
 くうみんは主人をおじさんと呼ぶ。おじさんは普段は頼りないけれど、はたから見れば一応男なのでくうみんよりは馬鹿にされない。日本はまだ、男社会。
かつては憎からず思っていたスナミに別れを告げる…今はもう、愛せない…な~んちゃって、いざ鎌倉!
 病院の待合室で順番を待ちます。こういうときは好きな漫画も読む余裕はありません。呼び出しをひたすら待ちます。
「くうみんさん」
呼び出しです。
「おじさん、お願いね」
「うん」
 診察室のドアを開けました。スナミがいます。


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 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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