婆さんの話に戻る
くうみん母は、ショートステイ先の特養がことのほか気に入ったようだ。
電話をかけるといつも上機嫌だ。
「もう便秘がひどくて…看護師さんを呼ぶと、すぐに浣腸してくれたの」
そうか、それは良かった。いつだったか、サ高住のフロントのお姉さんに
「浣腸してくれ」
と言ったら、
「そのような医療行為はできません!」
と言われたとぶつくさ言っていたっけ。
普通の人がそんなことを言われたら、びっくりして言い方がきつくなるのも仕方あるまい。
特養では看護師が昼間は常駐しているので、そんな頼み事も大丈夫だ。
「食事もおいしいし、介護士さんも来てくれと言うとすぐに来てくれる」
ケアマネさんが介護士に聞いた話。
くうみん母さんが、ここに入居したいと言っていました。でも、特養では要介護3以上でないと入居できないんですよ。今、入居できているのは、ショートステイだからです、と答えました。
すると、
「本当は私は要介護3なんです。だけど、私が1にしてくださいと言ってしまったんです」
こんなことを言っている。
ま~た!入居したいがための大ウソをついて!
「私は介護保険なんか必要ない!A先生にも言っておいた」
A先生はそれを真に受けて必要書類を送っても意見書を書いてくれなかった。医者も面倒なので、こんなものはできれば書きたくないのだろう。
でも、くうみんとケアマネが
「そうじゃないんです」
と必死に食い下がって、意見書を書いてもらったという経緯もある。
ま~ったく、介護認定を受けていなければ、ショートステイすらできなかったのに。
母から電話があった。
「下着と防寒着を持って来てほしい」
母の入居している特養は、不便なところにある。施設に歩いて20分の駅はさびれていて、タクシーはなかなか来ない。タクシーの来る駅はかなり離れている。
「あと、4日で帰るんだから、ちょっと我慢してよ」
「もう、替えがないのよ」
かわいそうになって母の家に行き、どれを持って行けばいいのか、電話をした。
「やっぱりいい。もうすぐだもの」
「今、お母さんの家にいるのよ!ここまで来てやっぱりいいじゃないでしょ!」
下着を3組と、防寒着をもって特養へ。
タクシーで施設に行った。面会はできないというので、荷物だけおいて外に出た。タクシーアプリでタクシーを呼ぼうとしたが、まったく来ない。
しまった、さっきのタクシー、待ってもらえばよかった。仕方ない、最寄りの駅まで歩いていくか。
施設内で作業をしていた年配の男性に駅の方角を聞いて、歩いて行こうとした。
「ちょっと、歩いて行くつもりなの?」
「そうですが」
「ずいぶんあるから送ってあげるよ」
「えっ。ありがとうございます」
今、仕事が終わった所だそうだ。ラッキー。
母がこの施設にショートステイしているので、差し入れに来たことを話した。
この男性のお母さんも99歳まで長生きしたそうだ。
「99歳ですか!すごいですね、数えで100ですね」
数えで100になると、総理大臣から表彰状が送られるそうだ。
「100歳は今は多いと言いますが、やはり少ないですよね」
そんな話に花が咲いた。
駅に着いた。
「どうもありがとうございました。助かりました」
マジ、助かった。
チコリの野望と母の勝手さに振り回された日々だが、親切な人に出会えてよかった。
そして家に帰る途中、100円拾った。
ああ、私ってラッキー。
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電話をかけるといつも上機嫌だ。
「もう便秘がひどくて…看護師さんを呼ぶと、すぐに浣腸してくれたの」
そうか、それは良かった。いつだったか、サ高住のフロントのお姉さんに
「浣腸してくれ」
と言ったら、
「そのような医療行為はできません!」
と言われたとぶつくさ言っていたっけ。
普通の人がそんなことを言われたら、びっくりして言い方がきつくなるのも仕方あるまい。
特養では看護師が昼間は常駐しているので、そんな頼み事も大丈夫だ。
「食事もおいしいし、介護士さんも来てくれと言うとすぐに来てくれる」
ケアマネさんが介護士に聞いた話。
くうみん母さんが、ここに入居したいと言っていました。でも、特養では要介護3以上でないと入居できないんですよ。今、入居できているのは、ショートステイだからです、と答えました。
すると、
「本当は私は要介護3なんです。だけど、私が1にしてくださいと言ってしまったんです」
こんなことを言っている。
ま~た!入居したいがための大ウソをついて!
「私は介護保険なんか必要ない!A先生にも言っておいた」
A先生はそれを真に受けて必要書類を送っても意見書を書いてくれなかった。医者も面倒なので、こんなものはできれば書きたくないのだろう。
でも、くうみんとケアマネが
「そうじゃないんです」
と必死に食い下がって、意見書を書いてもらったという経緯もある。
ま~ったく、介護認定を受けていなければ、ショートステイすらできなかったのに。
母から電話があった。
「下着と防寒着を持って来てほしい」
母の入居している特養は、不便なところにある。施設に歩いて20分の駅はさびれていて、タクシーはなかなか来ない。タクシーの来る駅はかなり離れている。
「あと、4日で帰るんだから、ちょっと我慢してよ」
「もう、替えがないのよ」
かわいそうになって母の家に行き、どれを持って行けばいいのか、電話をした。
「やっぱりいい。もうすぐだもの」
「今、お母さんの家にいるのよ!ここまで来てやっぱりいいじゃないでしょ!」
下着を3組と、防寒着をもって特養へ。
タクシーで施設に行った。面会はできないというので、荷物だけおいて外に出た。タクシーアプリでタクシーを呼ぼうとしたが、まったく来ない。
しまった、さっきのタクシー、待ってもらえばよかった。仕方ない、最寄りの駅まで歩いていくか。
施設内で作業をしていた年配の男性に駅の方角を聞いて、歩いて行こうとした。
「ちょっと、歩いて行くつもりなの?」
「そうですが」
「ずいぶんあるから送ってあげるよ」
「えっ。ありがとうございます」
今、仕事が終わった所だそうだ。ラッキー。
母がこの施設にショートステイしているので、差し入れに来たことを話した。
この男性のお母さんも99歳まで長生きしたそうだ。
「99歳ですか!すごいですね、数えで100ですね」
数えで100になると、総理大臣から表彰状が送られるそうだ。
「100歳は今は多いと言いますが、やはり少ないですよね」
そんな話に花が咲いた。
駅に着いた。
「どうもありがとうございました。助かりました」
マジ、助かった。
チコリの野望と母の勝手さに振り回された日々だが、親切な人に出会えてよかった。
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