スマホ騒動 やっぱり使えなかった
スマホの設定およびレクチャーをしてくれるのは、若い男性だった。
「今年入社したばかりで、初めての訪問なんです」
おいおい、大丈夫か?こっちは超高齢者で、そっちは初仕事かよ。
彼はさっそく設定を行い、くうみん達には動画を見せた。
「スマホ初級編」
主に電話のかけ方、受け方を説明している。
母は集中力がないので、動画を見るともなしに見て、洗い物をしたり、そこら辺を片付けたりしている。
「ちゃんと見なよ!」
注意しても全然動じない。
「もうちょっと」
「電話番号を入れてもらわなきゃ」
と言って、電話番号を紙に書いている。
「それは今の携帯から新しいスマホに移行するからいいの!」
と言っても理解ができない。だから思い出し思い出し、一生懸命電話番号を書き続ける。
そのうち設定が終わり、担当者の説明が始まった。
「それでは電話のかけ方。画面を出してから上になぞるようにして…」
新人とはいえ、さすがだ!研修で習ったのだろうか?年寄りに「スワイプ」など言っても通じないから、「なぞる」という。
「タップ」も、「ポン、と軽く押す」と言っていた。
しかし、操作もわからないのだが、年寄りにとって「タップ」「スワイプ」が、非常に難しいものらしく、うまくできない。
「むにゅっと、強く押すんじゃなくて、軽く」
そう言ってもなかなかできない。
そっちに気を取られて、操作の仕方を憶えるまで行かない。
午後1時までの時間を大幅にオーバーして、終了したのは1時半を過ぎていた。
「ありがとうございました」
全然わからないようだが、これ以上彼に迷惑をかけるのもはばかられた。
しばらく、くうみんが電話をかけて取る練習をしたり、くうみんの方に電話をかける練習をしたが、電話をかけても切ることすらできない。
「もうだめ」
勉強のし過ぎで頭が痛くなったようだ。
「何か食べに行く?」
そう言われたが、外は結構な雨が降っている。手術してまだあまり時間のたっていない年寄りに外出させるのもなんだかな、と思い、そのまま帰ることにした。
医者に行く時間まで少し間があったので、いったん帰ってから出直した。
病院までの道沿いには桜が咲いていた。桜の咲く小道は楽しく歩けただろうけど、この雨じゃあ…花散らしと言えば聞こえはいいが。
無事に診察を終え、フィットネスクラブの風呂に入って家でビールを飲んだ。う~ん、至福の時。
その翌日10時頃、くうみんの携帯が鳴った。母からだった。
ふ~ん、電話を掛けられるようになったんだわ。そう思ったのだが、そうではなかった。
「やっぱりだめ!あんなの使えない!今、携帯の店にいるの!そこのお兄さんにかけてもらったの!」
「もしもし、私、〇〇のT中と申します」
「はい、どうなったんでしょう?」
T中さんによると、母が携帯のショップに行って、昨日のスマホを見せ、、これを買ったんだけど全然使えないから、もっと簡単なものに交換できないかと言っている。つきましては娘様のご意見もうかがいたい、とのこと。
「ど~せ無理だと思っていたんですよ。らくらくホンですらできなかったんだから」
T中さんは、「らくらくホンですらできなかった」という言葉に驚いたように、くうみんには感じられた。
「もっと使いやすいものを提案したいと思います」
「よろしくお願いします。不要になるスマホはどうなるんですか?」
「私どもの方で手続きしますので」
「まあ、ありがとうございます」
ということで、買ったばかりのスマホは、返品することになった。あとから聞いたのだが、普通にキャンセルすることができ、設定およびレクチャー代は返金不可だが、スマホ代は返してもらえたらしい。
さすがジャパネット〇田、太っ腹!
もっと簡単に使えるスマホを選んでもらうらしいが、電話番号は変わってしまうという。まあ、それは仕方ない。
あくる朝、どうなったんだろうと電話をかけてみた。
そして、やっぱりね、な事実と、驚きの事実が発覚したのだった。
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「今年入社したばかりで、初めての訪問なんです」
おいおい、大丈夫か?こっちは超高齢者で、そっちは初仕事かよ。
彼はさっそく設定を行い、くうみん達には動画を見せた。
「スマホ初級編」
主に電話のかけ方、受け方を説明している。
母は集中力がないので、動画を見るともなしに見て、洗い物をしたり、そこら辺を片付けたりしている。
「ちゃんと見なよ!」
注意しても全然動じない。
「もうちょっと」
「電話番号を入れてもらわなきゃ」
と言って、電話番号を紙に書いている。
「それは今の携帯から新しいスマホに移行するからいいの!」
と言っても理解ができない。だから思い出し思い出し、一生懸命電話番号を書き続ける。
そのうち設定が終わり、担当者の説明が始まった。
「それでは電話のかけ方。画面を出してから上になぞるようにして…」
新人とはいえ、さすがだ!研修で習ったのだろうか?年寄りに「スワイプ」など言っても通じないから、「なぞる」という。
「タップ」も、「ポン、と軽く押す」と言っていた。
しかし、操作もわからないのだが、年寄りにとって「タップ」「スワイプ」が、非常に難しいものらしく、うまくできない。
「むにゅっと、強く押すんじゃなくて、軽く」
そう言ってもなかなかできない。
そっちに気を取られて、操作の仕方を憶えるまで行かない。
午後1時までの時間を大幅にオーバーして、終了したのは1時半を過ぎていた。
「ありがとうございました」
全然わからないようだが、これ以上彼に迷惑をかけるのもはばかられた。
しばらく、くうみんが電話をかけて取る練習をしたり、くうみんの方に電話をかける練習をしたが、電話をかけても切ることすらできない。
「もうだめ」
勉強のし過ぎで頭が痛くなったようだ。
「何か食べに行く?」
そう言われたが、外は結構な雨が降っている。手術してまだあまり時間のたっていない年寄りに外出させるのもなんだかな、と思い、そのまま帰ることにした。
医者に行く時間まで少し間があったので、いったん帰ってから出直した。
病院までの道沿いには桜が咲いていた。桜の咲く小道は楽しく歩けただろうけど、この雨じゃあ…花散らしと言えば聞こえはいいが。
無事に診察を終え、フィットネスクラブの風呂に入って家でビールを飲んだ。う~ん、至福の時。
その翌日10時頃、くうみんの携帯が鳴った。母からだった。
ふ~ん、電話を掛けられるようになったんだわ。そう思ったのだが、そうではなかった。
「やっぱりだめ!あんなの使えない!今、携帯の店にいるの!そこのお兄さんにかけてもらったの!」
「もしもし、私、〇〇のT中と申します」
「はい、どうなったんでしょう?」
T中さんによると、母が携帯のショップに行って、昨日のスマホを見せ、、これを買ったんだけど全然使えないから、もっと簡単なものに交換できないかと言っている。つきましては娘様のご意見もうかがいたい、とのこと。
「ど~せ無理だと思っていたんですよ。らくらくホンですらできなかったんだから」
T中さんは、「らくらくホンですらできなかった」という言葉に驚いたように、くうみんには感じられた。
「もっと使いやすいものを提案したいと思います」
「よろしくお願いします。不要になるスマホはどうなるんですか?」
「私どもの方で手続きしますので」
「まあ、ありがとうございます」
ということで、買ったばかりのスマホは、返品することになった。あとから聞いたのだが、普通にキャンセルすることができ、設定およびレクチャー代は返金不可だが、スマホ代は返してもらえたらしい。
さすがジャパネット〇田、太っ腹!
もっと簡単に使えるスマホを選んでもらうらしいが、電話番号は変わってしまうという。まあ、それは仕方ない。
あくる朝、どうなったんだろうと電話をかけてみた。
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