なんてこったな足の指
それは10月初めくらいのことだった。トイレに入った時か出た後か覚えていないが、とにかくトイレのドアの角で左親指の中ほどをしたたかに打った。
「痛~い!」
見ると、血が出ている。久々に絆創膏を貼った。この傷はすぐに治った。その後、大したことはないが、親指が赤黒く腫れているのに気づいた。
どうしたんだろう?骨折するとすごく腫れるっていうけど、大した腫れじゃないからこのまま様子を見るか。
ストレッチの時につま先に圧力をかけたり、つま先立ちをすると左親指が少し痛んだ。しかし、大したことはないと、いつもと同じように普通に歩き、毎日10キロ程度のランニングをした。
そして黒部立山の縦走。二日目は一日20キロ以上の距離を9時間半かけて歩いた。次の日はその半分とはいえ10キロもの距離。
このオバさんは、山の中では身が軽く、鎖場もスルスルと難なく降りることができる。
鎖を持つときは鎖を長めに持って、崖に立つような姿勢で降りる。ロープのついたはしごも、ロープをうまく使って降りていく。そばにいた男性が、くうみんの降りる技を見て、
「ホ~ッ」
と嘆息したのが聞こえた。
わ~っはっはっは!
くうみんの前世はましらか、とび職人か。世界一、地下足袋の似合う女だぜい!
何もない下り坂は苦手で、極端に歩くのが遅くなる。
しかし、今回くうみんが学んだことは、右足は左足の右側に着地させ、左足は右足の左に着地させることと、右足と左足は交互に出すという当たり前のことだった。
山登りしている人ならわかると思うが、足場が悪いと、これがなかなかできないのですよ。
ついつい不自然な足運びをしてしまう。これが間違いのもと。
「1、2、3、4、5」
くうみんは心の中で数を数え、それに合わせて右、左、右と足を出した。
無事、普通の道路に着いた時はうれしかった。
そして初めての敦賀へ。
敦賀はいいところだけど、ホテル選びは失敗した。今度行くときは、もっと早く計画を立てて、まともな温泉旅館に泊まれるようにしたい。
でも、楽しかったな。
な~んて、旅行を反芻していたのだが…
実は山歩きの時、靴擦れをしていた。この登山靴で靴擦れなんてしたことがないのに、おかしい。そういえば少し腫れている。動いているときは感じないが、寝ているとじんじん痛い。化膿しているような痛さだ。
親指を打った時、けがをしたのでそこからバイ菌でも入ったのか?それとも通風?やだ~、女が痛風なんてかっこ悪~。
だったら内科に行くべきだろうか?
しかし、くうみんはこのスモウ原では内科にかかったことがない。皮膚科と整形外科だけだ。いつも健康診断をするのは整形外科なので、健康診断の結果を持って、整形外科に行った。
尿酸値も高くないよなあ?
1時間ほど待って順番が来た。
「足の親指が少し腫れているんです」
いつも診察してくれるアラフィフの先生が訪ねた。
「打ったとかはありませんか?」
「あります~」
「レントゲン撮りましょ」
レントゲン室に入って3枚ばかりレントゲンを撮った。
痛風じゃないのかなあ?傷口にドアの木くずが埋もれていたりして。
待合室で待っていると名前を呼ばれた。
「くうみんさ~ん」
診察室に入ると、レントゲン写真が張り付けてあった。
「ここ、ひびが入っていますよ」
言われた個所を見ると、なんとなく骨が不整形になっているように見えた。
「あら~~~!ひびですか?でも、骨を折ったりひびが入るとすごく腫れるって聞いたんですが」
「小さな骨だとそんなに腫れないこともあるんです」
先生は、アルミの細い板のようなものを切って看護師に手渡した。
「しばらく添え木で固定するように」
くうみんは恐る恐る尋ねた。
「あの~、運動は?」
「ダメです」
「は」
看護師さんが、ばんそうこうで添え木をくうみんの足に装着し、手際よく包帯を巻いてネットをかぶせた。
一週間後に行って、またレントゲンを撮ったが、そこそこ快方に向かっているらしい。
「あと2週間たったら来てください」
「あの、添え木は…」
「お風呂に入っているときはもう取ってもいいですよ」
「あ、そうですか…」
という訳で、くうみんは11月1日から運動をしていない。
こんなに運動しないのは、いつ以来か?乳がんで手術した時も、退院して10日くらいでランニングに復帰した。おじさんが亡くなった時だって、10日くらいのものだった。
運動しないとオバさんの肉体はどうなってしまうのか?
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「痛~い!」
見ると、血が出ている。久々に絆創膏を貼った。この傷はすぐに治った。その後、大したことはないが、親指が赤黒く腫れているのに気づいた。
どうしたんだろう?骨折するとすごく腫れるっていうけど、大した腫れじゃないからこのまま様子を見るか。
ストレッチの時につま先に圧力をかけたり、つま先立ちをすると左親指が少し痛んだ。しかし、大したことはないと、いつもと同じように普通に歩き、毎日10キロ程度のランニングをした。
そして黒部立山の縦走。二日目は一日20キロ以上の距離を9時間半かけて歩いた。次の日はその半分とはいえ10キロもの距離。
このオバさんは、山の中では身が軽く、鎖場もスルスルと難なく降りることができる。
鎖を持つときは鎖を長めに持って、崖に立つような姿勢で降りる。ロープのついたはしごも、ロープをうまく使って降りていく。そばにいた男性が、くうみんの降りる技を見て、
「ホ~ッ」
と嘆息したのが聞こえた。
わ~っはっはっは!
くうみんの前世はましらか、とび職人か。世界一、地下足袋の似合う女だぜい!
何もない下り坂は苦手で、極端に歩くのが遅くなる。
しかし、今回くうみんが学んだことは、右足は左足の右側に着地させ、左足は右足の左に着地させることと、右足と左足は交互に出すという当たり前のことだった。
山登りしている人ならわかると思うが、足場が悪いと、これがなかなかできないのですよ。
ついつい不自然な足運びをしてしまう。これが間違いのもと。
「1、2、3、4、5」
くうみんは心の中で数を数え、それに合わせて右、左、右と足を出した。
無事、普通の道路に着いた時はうれしかった。
そして初めての敦賀へ。
敦賀はいいところだけど、ホテル選びは失敗した。今度行くときは、もっと早く計画を立てて、まともな温泉旅館に泊まれるようにしたい。
でも、楽しかったな。
な~んて、旅行を反芻していたのだが…
実は山歩きの時、靴擦れをしていた。この登山靴で靴擦れなんてしたことがないのに、おかしい。そういえば少し腫れている。動いているときは感じないが、寝ているとじんじん痛い。化膿しているような痛さだ。
親指を打った時、けがをしたのでそこからバイ菌でも入ったのか?それとも通風?やだ~、女が痛風なんてかっこ悪~。
だったら内科に行くべきだろうか?
しかし、くうみんはこのスモウ原では内科にかかったことがない。皮膚科と整形外科だけだ。いつも健康診断をするのは整形外科なので、健康診断の結果を持って、整形外科に行った。
尿酸値も高くないよなあ?
1時間ほど待って順番が来た。
「足の親指が少し腫れているんです」
いつも診察してくれるアラフィフの先生が訪ねた。
「打ったとかはありませんか?」
「あります~」
「レントゲン撮りましょ」
レントゲン室に入って3枚ばかりレントゲンを撮った。
痛風じゃないのかなあ?傷口にドアの木くずが埋もれていたりして。
待合室で待っていると名前を呼ばれた。
「くうみんさ~ん」
診察室に入ると、レントゲン写真が張り付けてあった。
「ここ、ひびが入っていますよ」
言われた個所を見ると、なんとなく骨が不整形になっているように見えた。
「あら~~~!ひびですか?でも、骨を折ったりひびが入るとすごく腫れるって聞いたんですが」
「小さな骨だとそんなに腫れないこともあるんです」
先生は、アルミの細い板のようなものを切って看護師に手渡した。
「しばらく添え木で固定するように」
くうみんは恐る恐る尋ねた。
「あの~、運動は?」
「ダメです」
「は」
看護師さんが、ばんそうこうで添え木をくうみんの足に装着し、手際よく包帯を巻いてネットをかぶせた。
一週間後に行って、またレントゲンを撮ったが、そこそこ快方に向かっているらしい。
「あと2週間たったら来てください」
「あの、添え木は…」
「お風呂に入っているときはもう取ってもいいですよ」
「あ、そうですか…」
という訳で、くうみんは11月1日から運動をしていない。
こんなに運動しないのは、いつ以来か?乳がんで手術した時も、退院して10日くらいでランニングに復帰した。おじさんが亡くなった時だって、10日くらいのものだった。
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