生まれ育った所に行ってみた
スモウ原に引っ越したものの、もっと住み心地のいい土地があるんじゃないかといつも思っている。
もちろん、スモウ原自体はいい所だ。自然が豊かだし、鳥や虫の声もよく聞こえる。
しかし、家の近くの道路を通る車の騒音が気になる。
そうなると、自分の生まれ育ったところはどうだろう、と思った。行こう行こうと思っていたけど、行かないでいた。今日は本当に行って来よう。なに、同じ神奈川県だ。そんなに遠くはない。
洗濯物を干して、そのまま出かけた。どうなっているだろう。変わっているかな?
その駅に降り立ったくうみんは、子供の頃、住んだ家の跡を目指した。くうみんが住んだボロアパートは45年ほど前に取り壊され、その次に鉄骨の集合住宅になった。そこに入れ替わりに済んだのが、くうみんの母方の伯母だった。
くうみんは、大学を卒業して、結婚が決まるまで、その伯母の所に居候した。子供の頃住んで離れ、また帰ってきてまた離れ、と、繰り返してきたから、これからも何かの縁があるかも知れない、とこの時は思っていたのだが。
叔母の所に居候していた時代の、その集合住宅には、ボロアパート時代から住んでいる人が大半だった。今回も、知っている人がいるかと見てみたが、知った苗字はわずかに2つ。でも、代替わりは当然しているし、まったく違う人かもしれない。
集合住宅の裏手には、道路を挟んだ所に酒屋があった。でも、そこも店じまいしている。くうみんと同年代の男の子がいたが、もうやめてしまったんだろう。
近くの神社に行った。階段を上った所にあるその神社は、子供の頃見たよりも、小さく見えた。ここはくうみんのおおもとの産土神様。大切に育ててくれてありがとうございます。今はスモウ原に住んでいますが、縁あればこちらに引っ越そうかと思います、と祈りをささげた。
神社が経営していた、くうみんの通った幼稚園はもうなかった。
くうみんが子供の頃や、社会人になったばかりのときには元気だった商店街も、かなり縮小した感じだった。肉屋と八百屋はあったが、魚屋がない。
魚屋がなければ…
駅前のスーパーに行って、魚売り場を見た。刺身はマグロとサーモンと、タイ…くうみんのよく食べるイワシやアジの丸物がない。
期待して来たけど、これなら今のスモウ原の方がいいかも。
ふるさとは遠くにありて思うもの。
これは室生犀星が、故郷に帰って、人々の冷たい態度に遭遇した時に書いた詩らしい。
ふるさとは遠きにありて思うものだな。実際に来てみると、こんな仕打ちかよ。
ふるさとは、昔のままのふるさとじゃない。変わって行くものだ。これが分かっただけでも、来た甲斐はあったというものだ。
スモウ原に、だいぶなじんでも来た。
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その駅に降り立ったくうみんは、子供の頃、住んだ家の跡を目指した。くうみんが住んだボロアパートは45年ほど前に取り壊され、その次に鉄骨の集合住宅になった。そこに入れ替わりに済んだのが、くうみんの母方の伯母だった。
くうみんは、大学を卒業して、結婚が決まるまで、その伯母の所に居候した。子供の頃住んで離れ、また帰ってきてまた離れ、と、繰り返してきたから、これからも何かの縁があるかも知れない、とこの時は思っていたのだが。
叔母の所に居候していた時代の、その集合住宅には、ボロアパート時代から住んでいる人が大半だった。今回も、知っている人がいるかと見てみたが、知った苗字はわずかに2つ。でも、代替わりは当然しているし、まったく違う人かもしれない。
集合住宅の裏手には、道路を挟んだ所に酒屋があった。でも、そこも店じまいしている。くうみんと同年代の男の子がいたが、もうやめてしまったんだろう。
近くの神社に行った。階段を上った所にあるその神社は、子供の頃見たよりも、小さく見えた。ここはくうみんのおおもとの産土神様。大切に育ててくれてありがとうございます。今はスモウ原に住んでいますが、縁あればこちらに引っ越そうかと思います、と祈りをささげた。
神社が経営していた、くうみんの通った幼稚園はもうなかった。
くうみんが子供の頃や、社会人になったばかりのときには元気だった商店街も、かなり縮小した感じだった。肉屋と八百屋はあったが、魚屋がない。
魚屋がなければ…
駅前のスーパーに行って、魚売り場を見た。刺身はマグロとサーモンと、タイ…くうみんのよく食べるイワシやアジの丸物がない。
期待して来たけど、これなら今のスモウ原の方がいいかも。
ふるさとは遠くにありて思うもの。
これは室生犀星が、故郷に帰って、人々の冷たい態度に遭遇した時に書いた詩らしい。
ふるさとは遠きにありて思うものだな。実際に来てみると、こんな仕打ちかよ。
ふるさとは、昔のままのふるさとじゃない。変わって行くものだ。これが分かっただけでも、来た甲斐はあったというものだ。
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