そういえば一度だけ、ファーストクラスに乗ったことがある 妄想と思い出で綴る夢のハワイ
実は、一度だけファーストクラスに乗ったことがある。仕事で海外によく行く、おじさんの友達から、マイルのチケットを貰ったのだ。ありがたい友達だったが、おじさん亡き後、縁も切れた。
航空会社は、ユナイテッド。
初めてのファーストクラスに、胸躍らせながら、成田に向かったおじさんとくうみん。ひしめくエコノミーカウンター、ちょっと並んだビジネスクラスカウンターをしり目に、ファーストクラス専用カウンターに向かった。
くうみんは、ファーストクラスチェックインカウンターに、パスポートと航空券を差し出した。
そこにいたお姉さんは、見咎めるような顔をした。お姉さんと言うより、もっと年上だが。
「あの、こちらはファーストクラス専用カウンターですが」
「はあ、そうですね」
この時おじさんとくうみんは、登山用のリュックとスポーツバッグと言う、エコノミーを絵に描いたようないでたちだった。しかし、マイルで貰ったとはいえ、ファーストクラスの客に違いはない。
「まあ、オホホ」
お姉さんは搭乗券とともに、ラウンジの入場券をくれた。
こんな所に長居は無用。早くラウンジに行って、ビールをたらふく飲もう。
しかし、こんなのがファーストとは、怪しいと思われるのか、荷物検査の所で呼び止められた。しかも、呼び止められたのはおじさんではなく、くうみんだった。
普通怪しいと思われるのは男だろう!!
「何で私だけ呼ばれるんですか?」
「お客様だけではありません。ご協力お願いします」
実はこの時だけでなく、くうみんだけが呼び止められることが、よくあった。何か、挙動不審な所でもあるのかねえ。
成田のラウンジでは、ビールをたらふく飲んだ。ANAのラウンジは超豪華な食事が出るそうだが、ユナイテッドだったので、ちょっとした軽食や、おつまみ程度だったように記憶している。機内食の方が期待できるので、そんなに食べなかった。
いよいよ憧れのファーストクラスへ。
マイルの客の席は決まっているらしいが、それでもファーストには違いない。
「わ~い!広い席だねえ、おじさん」
「ハハハ、そうだな」
CAは、ベテランが多く、若くてかわいいCAをお望みなら、エコノミーの方がいいようだ。
ワインは、好きなのをボトルでくれる。あの、小さなボトルではなく、720mlのボトル丸々だ。
「ワインはどれがよろしいでしょうか?」
おじさんが、身振り手振りで答える。
「わからないから、選んで。白がいいな」
担当CAお勧めのものを飲んでいたが、途中で「口に合わないので替えてくれ」と言って替えてもらった。すると、担当CAが、他のCA達に責められていた。かわいそうなことをした。
にわかファーストの客は、ワインの味なんて、わからないのだ。済まぬ。
掃除は、掃除のおばさんがした。
「ねえ、おじさん、CAにはなれないけど、ファーストクラスの掃除のおばさんならなれるかなあ?」
「バカ」
ハワイに着くのは朝方だ。後ろのビジネスクラスの皆さんは、
「朝だぞ~~~!起きろ!」
と言われて一斉に起きるのだが、ファーストの場合は、そんなことはない。起きたいときに起きると、担当CAが、
「お目覚めでございますか?」
と、朝食のリストを持って来てくれる。
朝食はオムレツやサラダのしっかりタイプと、シリアル中心の軽いもの。おじさんとくうみんは、しっかりタイプの朝食を選んだ。
ハワイではおじさんと一緒に楽しく過ごした。海岸沿いのホテルは数が少なくて、おまけに高い。だから一つ通りを入った所にあるコンドミニアムを選んだ。
キッチンがあるので、近くのスーパーや、アラモアナのダイエーに行って材料を調達して、料理を作った。今はダイエーもなくなったらしい。
途中のバスの中で、ホテルに滞在している夫婦から、聞かれた。
「その食材、どこで売っているんですか?いつも外食で嫌になっている所です」
くうみんは得意になってダイエーを教えた。見るだけでも楽しい。ホテルではキッチンがないけど、和食風のお弁当でも買って、部屋で食べるのもホッとする。外食って飽きるもんね。
いよいよ帰る日。
ラウンジでビールを飲むのを楽しみにしていると。なんとアルコールは有料だった。
「なんだよこれ!」
おじさんと一緒に地団駄踏んだ。しかし、飛行機の中で、元を取ったのは言うまでもない。
この夢の様なファーストクラスは、いつのことだったろうか?たぶん。くうみんがまだ、乳がんになっている前のことだと思う。おじさんは独立していたかどうか?
遠い昔のことだったけど、一度だけの、いい思い出だ。
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航空会社は、ユナイテッド。
初めてのファーストクラスに、胸躍らせながら、成田に向かったおじさんとくうみん。ひしめくエコノミーカウンター、ちょっと並んだビジネスクラスカウンターをしり目に、ファーストクラス専用カウンターに向かった。
くうみんは、ファーストクラスチェックインカウンターに、パスポートと航空券を差し出した。
そこにいたお姉さんは、見咎めるような顔をした。お姉さんと言うより、もっと年上だが。
「あの、こちらはファーストクラス専用カウンターですが」
「はあ、そうですね」
この時おじさんとくうみんは、登山用のリュックとスポーツバッグと言う、エコノミーを絵に描いたようないでたちだった。しかし、マイルで貰ったとはいえ、ファーストクラスの客に違いはない。
「まあ、オホホ」
お姉さんは搭乗券とともに、ラウンジの入場券をくれた。
こんな所に長居は無用。早くラウンジに行って、ビールをたらふく飲もう。
しかし、こんなのがファーストとは、怪しいと思われるのか、荷物検査の所で呼び止められた。しかも、呼び止められたのはおじさんではなく、くうみんだった。
普通怪しいと思われるのは男だろう!!
「何で私だけ呼ばれるんですか?」
「お客様だけではありません。ご協力お願いします」
実はこの時だけでなく、くうみんだけが呼び止められることが、よくあった。何か、挙動不審な所でもあるのかねえ。
成田のラウンジでは、ビールをたらふく飲んだ。ANAのラウンジは超豪華な食事が出るそうだが、ユナイテッドだったので、ちょっとした軽食や、おつまみ程度だったように記憶している。機内食の方が期待できるので、そんなに食べなかった。
いよいよ憧れのファーストクラスへ。
マイルの客の席は決まっているらしいが、それでもファーストには違いない。
「わ~い!広い席だねえ、おじさん」
「ハハハ、そうだな」
CAは、ベテランが多く、若くてかわいいCAをお望みなら、エコノミーの方がいいようだ。
ワインは、好きなのをボトルでくれる。あの、小さなボトルではなく、720mlのボトル丸々だ。
「ワインはどれがよろしいでしょうか?」
おじさんが、身振り手振りで答える。
「わからないから、選んで。白がいいな」
担当CAお勧めのものを飲んでいたが、途中で「口に合わないので替えてくれ」と言って替えてもらった。すると、担当CAが、他のCA達に責められていた。かわいそうなことをした。
にわかファーストの客は、ワインの味なんて、わからないのだ。済まぬ。
掃除は、掃除のおばさんがした。
「ねえ、おじさん、CAにはなれないけど、ファーストクラスの掃除のおばさんならなれるかなあ?」
「バカ」
ハワイに着くのは朝方だ。後ろのビジネスクラスの皆さんは、
「朝だぞ~~~!起きろ!」
と言われて一斉に起きるのだが、ファーストの場合は、そんなことはない。起きたいときに起きると、担当CAが、
「お目覚めでございますか?」
と、朝食のリストを持って来てくれる。
朝食はオムレツやサラダのしっかりタイプと、シリアル中心の軽いもの。おじさんとくうみんは、しっかりタイプの朝食を選んだ。
ハワイではおじさんと一緒に楽しく過ごした。海岸沿いのホテルは数が少なくて、おまけに高い。だから一つ通りを入った所にあるコンドミニアムを選んだ。
キッチンがあるので、近くのスーパーや、アラモアナのダイエーに行って材料を調達して、料理を作った。今はダイエーもなくなったらしい。
途中のバスの中で、ホテルに滞在している夫婦から、聞かれた。
「その食材、どこで売っているんですか?いつも外食で嫌になっている所です」
くうみんは得意になってダイエーを教えた。見るだけでも楽しい。ホテルではキッチンがないけど、和食風のお弁当でも買って、部屋で食べるのもホッとする。外食って飽きるもんね。
いよいよ帰る日。
ラウンジでビールを飲むのを楽しみにしていると。なんとアルコールは有料だった。
「なんだよこれ!」
おじさんと一緒に地団駄踏んだ。しかし、飛行機の中で、元を取ったのは言うまでもない。
この夢の様なファーストクラスは、いつのことだったろうか?たぶん。くうみんがまだ、乳がんになっている前のことだと思う。おじさんは独立していたかどうか?
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