プリントゴッコを知らない若者 時の流れを感じた
パソコンが普及する以前は、プリントゴッコで年賀状や暑中見舞いを、印刷する人も多かった。
何を隠そう、くうみんもプリントゴッコにお世話になった一人だ。
プリントゴッコは、それ一つで原稿の作成から印刷までできる、優れものだった。おじさんは確か、当時勤めていた税理士事務所にあったプリントゴッコで、自分達の結婚披露パーティーの参加不参加を問う、往復はがきを印刷したはずだ。
小さな事務所や会社で、かなり重宝されていて、初めの機種は単純な絵しか描けなかったものが、かなり複雑な絵も描くことができる機種もできて、絵の具も単純な赤や黄色だけでなく、「あさぎ色」「古代むらさき」など、大人の色も扱うようになった。
年賀状の絵は、くうみんが書いた。下手なんだけど、おじさんとくうみんの似顔絵がそっくりと、評判だった。髪型もその時のものに合わせた。くうみんが丸禿げのときは、バンダナを巻いた姿だった。
そのうちに、年賀状を書くのが面倒になって、おじさんの提案で年賀状をやめてしまった。
それから何年経っただろう?いつの間にか、当時近所にあった、西友の年末の売り場から、プリントゴッコが姿を消した。
「パソコンで印刷できるから、プリントゴッコはなくなったらしいぞ」
おじさんは、どこかで情報を仕入れてきた。
「ふ~ん、結構好きだったんだけどねえ」
「うちだって使っていないだろ?」
うちでは、パソコンの筆ぐるめであて名を書いて、絵はプリントゴッコ。これが定番だった。
プリントゴッコを使うことは、もはやない。どうしようと思っていると、ブロ友・がちょー様が教えてくれた。
「ハードオフで買い取ってくれるでありますよ!」
そうか、ハードオフで!
しかし、面倒でついつい先延ばしにしているうちに、一年経ってしまった。
ちょっとは金になるかも、と、一番近い買取屋さんに電話をしてみた。
「あの~、すみません、プリントゴッコは買い取ってくれるでしょうか?」
電話に出た店員は一瞬の間を置いて言った。
「…プリントゴッコ?なんですか、それ?」
「え~っと、パソコン印刷が普及する前に、年賀状を印刷するのに使った印刷機ですが」
「プリンターですか?」
「いや~、それとはちょっと違います。店員さんが知らないのなら、買取はしていないんですね。どうもありがとうございました」
電話を切ってから、目を丸くした。若者は知らない!!この事実はくうみんにとって衝撃だった。
次にがちょー様に教えてもらった、ハードオフに電話すると、ちょっと年配らしい男性が出た。プリントゴッコのことは、知っていたものの、
「ほとんどタダで引き取りですねえ」
とのこと。
どうしよう?ワールドギフトで発展途上国に寄付するか?でも、印刷の版画を作る時に使う「プリントゴッコランプ」は一回で一つ必要。ランプがなくなったら、使うことはできない。こんなものじゃ、あっても仕方ないだろう。
捨てるにしても、絵の具はどうやって処分するか、いろいろと分別するのが面倒臭そうなので、思い切って、ハードオフに行くことにした。
受付のお姉さんにプリントゴッコを渡した。若い人だから、この人は知らないだろうなあ。どうせ0円の査定なんだろうし。
くうみんは、店の中をうろついた。今頃、査定しながら、「こんなもん持ってきて」と、苦笑いしている人の顔が目に浮かぶ。
ほどなくして、番号を呼ばれた。意外にも50円の査定だった。
プリントゴッコランプは9個あったし、絵の具も新品同様のが何本かあったので、いくつかのプリントゴッコを組み合わせて一つの製品として売るのかも知れない。
「100円くらいになりませんかねえ」
ダメもとで言ってみたが、やはりお姉さんは、満面の笑みを浮かべながら、「それは無理です~」と答えた。
仕方ない。50円になっただけでも、ありがたいと思わなくては。
捨てるには忍びない、家にある他の不用品は、ワールドギフトに寄付することにするか。こんなのでも人々が喜んでくれるなら、家でじっとしているよりは、不用品もうれしいだろう。
それにしても若い者は、プリントゴッコを知らないなんて。オバさんはトホホ、だ。
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何を隠そう、くうみんもプリントゴッコにお世話になった一人だ。
プリントゴッコは、それ一つで原稿の作成から印刷までできる、優れものだった。おじさんは確か、当時勤めていた税理士事務所にあったプリントゴッコで、自分達の結婚披露パーティーの参加不参加を問う、往復はがきを印刷したはずだ。
小さな事務所や会社で、かなり重宝されていて、初めの機種は単純な絵しか描けなかったものが、かなり複雑な絵も描くことができる機種もできて、絵の具も単純な赤や黄色だけでなく、「あさぎ色」「古代むらさき」など、大人の色も扱うようになった。
年賀状の絵は、くうみんが書いた。下手なんだけど、おじさんとくうみんの似顔絵がそっくりと、評判だった。髪型もその時のものに合わせた。くうみんが丸禿げのときは、バンダナを巻いた姿だった。
そのうちに、年賀状を書くのが面倒になって、おじさんの提案で年賀状をやめてしまった。
それから何年経っただろう?いつの間にか、当時近所にあった、西友の年末の売り場から、プリントゴッコが姿を消した。
「パソコンで印刷できるから、プリントゴッコはなくなったらしいぞ」
おじさんは、どこかで情報を仕入れてきた。
「ふ~ん、結構好きだったんだけどねえ」
「うちだって使っていないだろ?」
うちでは、パソコンの筆ぐるめであて名を書いて、絵はプリントゴッコ。これが定番だった。
プリントゴッコを使うことは、もはやない。どうしようと思っていると、ブロ友・がちょー様が教えてくれた。
「ハードオフで買い取ってくれるでありますよ!」
そうか、ハードオフで!
しかし、面倒でついつい先延ばしにしているうちに、一年経ってしまった。
ちょっとは金になるかも、と、一番近い買取屋さんに電話をしてみた。
「あの~、すみません、プリントゴッコは買い取ってくれるでしょうか?」
電話に出た店員は一瞬の間を置いて言った。
「…プリントゴッコ?なんですか、それ?」
「え~っと、パソコン印刷が普及する前に、年賀状を印刷するのに使った印刷機ですが」
「プリンターですか?」
「いや~、それとはちょっと違います。店員さんが知らないのなら、買取はしていないんですね。どうもありがとうございました」
電話を切ってから、目を丸くした。若者は知らない!!この事実はくうみんにとって衝撃だった。
次にがちょー様に教えてもらった、ハードオフに電話すると、ちょっと年配らしい男性が出た。プリントゴッコのことは、知っていたものの、
「ほとんどタダで引き取りですねえ」
とのこと。
どうしよう?ワールドギフトで発展途上国に寄付するか?でも、印刷の版画を作る時に使う「プリントゴッコランプ」は一回で一つ必要。ランプがなくなったら、使うことはできない。こんなものじゃ、あっても仕方ないだろう。
捨てるにしても、絵の具はどうやって処分するか、いろいろと分別するのが面倒臭そうなので、思い切って、ハードオフに行くことにした。
受付のお姉さんにプリントゴッコを渡した。若い人だから、この人は知らないだろうなあ。どうせ0円の査定なんだろうし。
くうみんは、店の中をうろついた。今頃、査定しながら、「こんなもん持ってきて」と、苦笑いしている人の顔が目に浮かぶ。
ほどなくして、番号を呼ばれた。意外にも50円の査定だった。
プリントゴッコランプは9個あったし、絵の具も新品同様のが何本かあったので、いくつかのプリントゴッコを組み合わせて一つの製品として売るのかも知れない。
「100円くらいになりませんかねえ」
ダメもとで言ってみたが、やはりお姉さんは、満面の笑みを浮かべながら、「それは無理です~」と答えた。
仕方ない。50円になっただけでも、ありがたいと思わなくては。
捨てるには忍びない、家にある他の不用品は、ワールドギフトに寄付することにするか。こんなのでも人々が喜んでくれるなら、家でじっとしているよりは、不用品もうれしいだろう。
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