引っ越しするど!
おじさんが亡くなってからずっと考えていた。もうこの土地から出て行こう。でも、まだお義母さんがいるし…天中殺の年回りが悪いし…などと何かと理由をくっつけて伸ばし伸ばしにしていたのは、面倒くさいからだ。
でもな、3LDKの部屋は独り暮らしには広過ぎる。何より家賃が高い。
引っ越し先は子供の頃に住んだ町か?それともおじさんと新婚時代を過ごした町か、あるいはまったく違う所にするか?などいろいろ考えたが、墓参りや、大好きな高尾山に行くのに便利で、今の友達に会うのにも比較的便利な神奈川県のS市にすることにした。
一人では心もとなかろうと、おじさんのお姉さんが付いてきてくれた。
はじめは公団を考えたが、いい所はなかなか空きがなくて、空きがあると思うと騒音がひどかったり、エレベーターがなかったり、何かしら事情があるようだ。
民間も見てみようと駅前の不動産屋さんに行って、いろいろな物件を見せてもらった。
「何かご希望はありますか?」
「家賃は10万円前後、駅から歩いて10分以内、都市ガスで1LDKか2LDK、欠けのない物件を希望」
「は?欠け?風水ですか?」
「そうです」
くうみんはちょっとばかり風水は気にしている。トイレの位置がどうのこうのとそんなに細かくはないが、欠けのあるのはよくないと思う。
不動産屋さんの、縦にも横にも大きな担当の男性は、とりあえず今ある物件を紹介してくれた。駅近物件は環境が悪いし、分譲タイプというマンションは日当たりが悪いし、タワーマンションは良さそうだけど風が強い。
「こんなのはどうでしょうか?」
「う~ん…」
彼は一生懸命物件を探してくれた。でもイマイチ!くうみんはガーデニングがしたいので、日当たりが良くてバルコニーが広めの所がいいと希望を出した。
そこで次回、探してきたのは2階と3階のメゾネットタイプで、2階にも3階にもバルコニーがあって確かにバルコニーの面積は申し分なく、日当たりもいいが、何しろ階段を上り下りするのは面倒くさい。
何度か日を改めてS市を訪れた。そしてついにここならいいか、という物件を紹介された。ここでいいかな、と思ったが、目に留まったのはキッチンのIHヒーターだった。
2番目のお姉さんである銀子姉さんは言った。
「それ、掃除が楽なのよ。さっと拭くだけでいいのよ」
くうみんは叫んだ。
「これ、鍋全部買い替えなくちゃいけないじゃないですか!」
すると上のお姉さんの金子姉さんが言う。
「鍋の買い替えなんて大したことないじゃない!」
「で、でも~…」
あとで調べると、IHが普通の鍋でも使える敷物のようなものを売っているらしいが、熱効率は良くないらしい。ここに決めようか?悩んでいると、不動産屋さんは、満を持したように口を開いた。
「それでは、これは番外編ですが、ちょっとおすすめの物件があるんですよ」
不動産屋さんの車で移動する金・銀・くうみんの3人組。
「ここです」
「ふ~む」
エレベーターはあるものの、止まる階と止まらない階があって、この部屋は止まらない階にある。
だが、南向きで眺めもいい。向かって左側にはイオンが見える。そして何よりも、向かって右側には安いのでくうみんが大好きなオーケーが見えるではないか!!くうみんは思わずうなった。
「オーケーがある!!」
お姉さん方もここが気に入ったようだ。
「くうみんさん、ここがいいわ。ここにしましょうよ」
もし、前に見たマンションがHIヒーターでなければ、あそこに決定していたことであろう。そしてここでは、目の前にオーケーがなければ、また違っていたかもしれない。
IHヒーターと、オーケーの存在が、決定打となった。
「え~、この物件なんですが…」
ちょっとした問題はあったのだが、この問題も、ブラックバイトを頑張って乗り切ろう。
ちょっとした問題
それは…
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でもな、3LDKの部屋は独り暮らしには広過ぎる。何より家賃が高い。
引っ越し先は子供の頃に住んだ町か?それともおじさんと新婚時代を過ごした町か、あるいはまったく違う所にするか?などいろいろ考えたが、墓参りや、大好きな高尾山に行くのに便利で、今の友達に会うのにも比較的便利な神奈川県のS市にすることにした。
一人では心もとなかろうと、おじさんのお姉さんが付いてきてくれた。
はじめは公団を考えたが、いい所はなかなか空きがなくて、空きがあると思うと騒音がひどかったり、エレベーターがなかったり、何かしら事情があるようだ。
民間も見てみようと駅前の不動産屋さんに行って、いろいろな物件を見せてもらった。
「何かご希望はありますか?」
「家賃は10万円前後、駅から歩いて10分以内、都市ガスで1LDKか2LDK、欠けのない物件を希望」
「は?欠け?風水ですか?」
「そうです」
くうみんはちょっとばかり風水は気にしている。トイレの位置がどうのこうのとそんなに細かくはないが、欠けのあるのはよくないと思う。
不動産屋さんの、縦にも横にも大きな担当の男性は、とりあえず今ある物件を紹介してくれた。駅近物件は環境が悪いし、分譲タイプというマンションは日当たりが悪いし、タワーマンションは良さそうだけど風が強い。
「こんなのはどうでしょうか?」
「う~ん…」
彼は一生懸命物件を探してくれた。でもイマイチ!くうみんはガーデニングがしたいので、日当たりが良くてバルコニーが広めの所がいいと希望を出した。
そこで次回、探してきたのは2階と3階のメゾネットタイプで、2階にも3階にもバルコニーがあって確かにバルコニーの面積は申し分なく、日当たりもいいが、何しろ階段を上り下りするのは面倒くさい。
何度か日を改めてS市を訪れた。そしてついにここならいいか、という物件を紹介された。ここでいいかな、と思ったが、目に留まったのはキッチンのIHヒーターだった。
2番目のお姉さんである銀子姉さんは言った。
「それ、掃除が楽なのよ。さっと拭くだけでいいのよ」
くうみんは叫んだ。
「これ、鍋全部買い替えなくちゃいけないじゃないですか!」
すると上のお姉さんの金子姉さんが言う。
「鍋の買い替えなんて大したことないじゃない!」
「で、でも~…」
あとで調べると、IHが普通の鍋でも使える敷物のようなものを売っているらしいが、熱効率は良くないらしい。ここに決めようか?悩んでいると、不動産屋さんは、満を持したように口を開いた。
「それでは、これは番外編ですが、ちょっとおすすめの物件があるんですよ」
不動産屋さんの車で移動する金・銀・くうみんの3人組。
「ここです」
「ふ~む」
エレベーターはあるものの、止まる階と止まらない階があって、この部屋は止まらない階にある。
だが、南向きで眺めもいい。向かって左側にはイオンが見える。そして何よりも、向かって右側には安いのでくうみんが大好きなオーケーが見えるではないか!!くうみんは思わずうなった。
「オーケーがある!!」
お姉さん方もここが気に入ったようだ。
「くうみんさん、ここがいいわ。ここにしましょうよ」
もし、前に見たマンションがHIヒーターでなければ、あそこに決定していたことであろう。そしてここでは、目の前にオーケーがなければ、また違っていたかもしれない。
IHヒーターと、オーケーの存在が、決定打となった。
「え~、この物件なんですが…」
ちょっとした問題はあったのだが、この問題も、ブラックバイトを頑張って乗り切ろう。
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