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直木賞受賞 テスカトリポカは怖いぞっと 

 本はよく読む方だと思うが、あまり文学的と言えないものばかり読んでいる。
 しかし、これは文学作品だろう。何しろ直木賞受賞作だもの。
 図書館で予約して一年近く待って、ついにくうみんの順番になった!

 やった~~~!文学作品キター!…って、大袈裟ですか?

 読み始めてビックリ、ギャングによって、目をそむけるような殺され方をした人が出て来たり、おぞましい生贄の話…これはほんのイントロで、そこから舞台はメキシコから、ジャカルタを過ぎ、日本に移っていく。
 そして本題の臓器売買ビジネスに…

 この話に出て来るアステカ帝国では、神をなだめるためにたくさんの生贄を捧げてきた。動物ではなく、人間の心臓を神にささげたという。
 
 日食だ!太陽が消えてしまう!早く生贄を!

 …のような感じだったらしい。

 古代文明においては、どこも似たようなことをしたらしい。中国も殷の時代あたりはそんなことをしたかもしれない。日本でも、卑弥呼は災害を避けることができなくて、最後は殺されたのではないか、という推測もあるらしい。

 しかしな、アステカの時代は、もうずいぶんと時代が下って、豊臣秀吉くらいの時代だった。そんな時代にこんな前時代的なことをしているからスペイン人にやられちゃうんだよ。

 だって、スペイン人がこんなところに来て、捕虜になったら、生贄にされてしまうのは必至。
「俺、やだ~~~!普通に剣で刺されるだけでも痛いのに、あんな切れなさそうな黒曜石の石器で心臓取り出されるの、もっと痛いじゃん!」
 
 そこで征服しに来たスペイン人も、必死になって皆殺しにしようとする。生き残りはすべて奴隷に。もっと穏やかだったら、もうちょっとましになるよう、交渉の余地もあったかも知れない。

 秀吉様、えらい!あなた様は、何人かの日本人が奴隷としてヨーロッパに売られたことを聞き、激怒してポルトガル宣教師を皆殺しにした。早いうちに手を打ったのが功を奏した。
「ひえ~っ、神の使いの宣教師を殺すとは、罰が当たるぞ~っ!って、もう日本には、手を出さないことにしよう」
 と、ポルトガル人は尻尾を巻いて、逃げて行ったとさ。

 アステカと日本は、ここで運命を分かつことになった。ちなみにインカ帝国もアステカと同じ運命をたどったが、インカ帝国でも盛んに生贄を捧げたらしい。

 この物語の中に、腕のいい闇外科医が登場するが、正常な医者って言うのも普通の人間の感覚と違う所があるんじゃないか。
 医者って言うのは、人間の体を切り刻んだり、薬物(毒物)を注射することを何とも思っていない。
 当然と思うかもしれないが、これはもっと拡大して考えれば、自分の腕を上げるためにとか、やりがいのある大きく切開する手術をしたいという気持ちにつながっていくこともあるのではないか…な~んて、ガンサバイバーのひねくれものは考えているのだよ。

 最後は悪い奴は全部死んでしまう。これだけは良かった~、と思うのだが、本当にこんな闇ビジネスが、ないことを祈る。

 






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