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健康保険給付係 思い出す市民の皆様 その二 ○子さん

 その女性は息子が退職したので代理で国保加入の手続きに来た。
 健康保険の加入手続きが終わったので、国民年金加入の手続きに案内しようとした。
「こちらでの手続きは終わりましたので、次に国民年金加入の手続きにご案内します」

 すると、その女性はキッとくうみんをにらんだ。
「うちは厚生年金!国民年金なんかには、入りません!」
 会社を辞めたのだから、厚生年金も同時に離脱したのに、それがわからないらしい。

「いえ、息子さんは、会社をお辞めになったので、厚生年金も離脱したんです。次の転職先に就職したら、厚生年金に戻りますが」

「うちは厚生年金なのよ。厚生年金を支払っているのに、国民年金を払うなんておかしいと思うの」
 そう言って、その女性は出て行ってしまった。

 仕方ないので、その届け出書に、「代理で来た○子さん、国民年金加入拒否」と書いておいた。拒否された場合は、備考欄にそう書くように言われていたからだ。

 会社を辞めた息子さんは、年齢的に年金加入年数は、20年にあとわずか足りないくらいだ。今は違うが、その当時は年金を20年以上払い込んでいないと、年金が出ないことになっていた。

「今回拒否したせいで、年金が出ないなんてことになったら、どうするんだよ」
 くうみんは思った。

 他の職員も「これはまずいことになるかも」と思ったらしい。
「くうみんさん、この、○子さん国民年金加入拒否ってどういうこと?」

 くうみんは事情を説明した。
「○子さん、何か勘違いしているんだと思うんです。会社を辞めたから、厚生年金も離脱したって言うのが、わからないみたいで」

 その後、その事件がどうなったかはわからない。心優しい某市の国民年金係の職員が、息子さんに電話して、年金加入を勧めたかも知れない。
 すぐに就職先が見つかって、空白の期間があったとしても、厚生年金に加入すれば大事には至らない。
 しかし、あの時の国民年金の決まりでは、最悪、そのまま自営業になるなどして、年金を払わずにいたら、せっかく十数年、支払い続けた年金がパァに…

 まあ、途中で気が付くと思うが、どうなったか気になってしまう。

 あの時、くうみんにはあれ以上の説明ができなかったのだよ。







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