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健康保険給付係 思い出す市民の皆様 その一

 くうみんは他のパート仲間とは違って、主に窓口に出るように言われていた。しかし、たまにはデスクワークもあって、そのとき電話に出ることもあった。

 くうみんが机に向かっていると、電話が鳴った。
「はい、健康保険の係です」
「市民の方からお電話です」
 電話交換室経由で電話が来た。
「もしもし!」
 中年と思われる男性の声だった。
「はい、どうされましたか?」
「どうしたじゃない!!」
 男性は話し始めた。
「何で毎年保険証を換える必要があるんだ!!」

 その時、ちょうど保険証の切り替えの時期だった。毎年8月から有効になる、新しい保険証を7月中に郵送する。
 会社勤めしている人の保健証は、会社をやめない限りずっとそのまま使う。しかし、市町村発行の健康保険証は、毎年新しいものを発行する。そうでないと、保険料を払っていないのに、使ってしまう人がいないとも限らない。

 健康保険料が払えなくて、分割にしている人もいた。そういう人には、ひと月とか、3カ月とかの短期の保険証を発行することがある。

 男性によると、新しい保険証が来たので、古いのは捨ててしまった。新しい保険証を持って、病院に行ったら、これはまだ使えない、古い方を持ってくるように言われたと言う。
「面倒くさいじゃないか!!」

なのでくうみんは説明した。
「確かに面倒ですが、そうしますと、保険料を払わないのに保険証を使う人も出て来る可能性があります。市民の方にはいろいろな方がいます。お客様のようにきちんとした方ばかりではないのが実情です

 すると男性の態度が途端に軟化した。きちんとした人…と言われて、まんざらでもない男性の顔が浮かぶ。こういうことは顔を見なくても、雰囲気でわかるものだ。
「あ、そう、そうだねえ。うん、わかりました」
「こういう事情がありますので…申し訳ありません。もし病院にかかるようでしたら、病院に、こちらに問い合わせるように言っていただければ、確認が取れますので」
「うんうん、ありがとう」

 お客様のように、きちんとした方…この人きっと、いつもだらしがないとか言われているのかも知れないな。

 この男性の気持ちがよ~~~くわかるくうみんであった。

 

 
  





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