禿げた日々を思い出して そして志村けんさんへ
今日は、プールで歩くか。
そう思いながら、まず風呂に行った。ここで体を温めてから、いつもプールに行くことにしている。
のんびり湯に浸かっていると、顔見知りのオバが入ってきた。
もう60半ばと思うのだが、色白の美貌のオバである。最近ガンで、抗がん剤治療を始めたらしい。髪の毛が寂しくなったので、風呂場ではいつも、キャップをかぶっている。外ではヅラだが、かなり高いヅラのようで、一般人にはヅラとはわからないであろう。
ところがじゃ!あの意地悪ばあさんが言ったそうだ。
「すぐヅラってわかるわよ!」
あのババア、言うに事欠いてそんなことを!抗がん剤治療をしているのがわかっているのに、と言うか、わかっているから、と言うかまったく意地の悪いやっちゃ!
「そんなことないわ!あのかつら、2、30万するでしょ?普通の人には絶対に分からないわよ」
「ああ、よかったわ」
そんなこんなで、おしゃべりに花が咲き、プールには行かずじまいだった。
しかし、あの意地悪ばあさん、人間性を疑うよ!
このオバは今は、内臓のガンらしいが、以前には乳がんも患っており、くうみんとしても一気に親しみを感じるようになった。
ヅラは安いもので、2、3万からあるが、ヅラとバレバレの代物。まずわからないレベルになると、一気に値が上がり、2、30万円。これだと普通の人には、わからない。しかし、経験者にはわかる。
くうみんも抗がん剤で、禿げた時があった。抗がん剤の点滴をしているとき、看護師さんが言った。
「もうそろそろかつらを用意しないと間に合いませんよ」
かつらなんか必要なのかな?
禿げるとは思っていた。でも、帽子やバンダナでいいんじゃないか。でも、看護師さんが言うなら、買おうかと楽天の通販で2万か3万円のものを購入した。これはヅラとバレバレ。それにヅラはどんなに良くできたものでも暑いので、冬しか使わなかった。
あとは着け毛かバンダナで済ませた。
禿げであることが恥ずかしいという気持ちは薄かった。これは人によりけり。絶対に禿げを見せたくない人と、どうでもいい人は両方いた。
どうでもいい人間は、精巧なヅラではなく、バレバレの安いヅラ、あるいはつけ毛、あるいはバンダナでしのぐようだ。
しかし、公共の場でハゲモロダシという人は、男女合わせてあまりいないように思う。くうみんもそこまではできなかった。うまく説明できないけど、ビックリされるのが嫌だからだろうか?
さて、禿げた日々を思い出して、語ってみようかね。
うんと前の方に書いてあるけど、今と以前では、思いも違うだろう。
そう言えば志村けんさんがコロナで亡くなった。
コロナであることが発表されて10日も経っていないだろう。彼がドリフで活躍したのは、私が結構大きくなってから。だから、食い入るように見たというほどではないが、
「か~らぁす~、なぜ鳴くのぉ~、カラスの勝手でしょ~」
と言うのはカラス好きのくうみんとしては、気に入っていた。
まだ70歳。死ぬには早すぎる年齢。
感染防止のため、遺族はご遺体に会うことも許されないという。会えるのは遺骨になってから。それがどんなにつらいことか、死に別れのくうみんには痛いほどわかる。
志村けんさんのご冥福をお祈りいたします。それとともに、ご遺族もお体に気を付けて、ご自愛ください。
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