剣沢小屋から仙人池ヒュッテ 6.6キロ 標準歩行時間5時間50分
山の朝は早い。5時から朝食なので、4時半くらいに起きて顔を洗ったり、荷物をまとめる算段をする。
他の人たちは狭い場所で大変な思いをして荷物をまとめるのだが、何しろくうみんは一人部屋なので、思いっきり店を広げて片づけることができた。
これも台風情報のおかげだ。台風が来ると言っていたのに、いい天気。こんなことってあるのね。
山小屋を出たのは、6時だが、これでもくうみんが最後だった。

明けゆく剣の朝

このしるしに従って、道を進む

こんなのに落ちたら、万年雪だから、永久に出て来られない。
山小屋を予約するときに、「6本爪以上のアイゼンを持ってくるように」言われたので、急遽買った。今まで4本爪のアイゼンで十分だったんだが…でも山小屋の人の言うことは聞かなきゃ。

アイゼン装着完了!今のアイゼンは着けるのが簡単
そのうちに、団体さんに追い付いて来た。難所のスラブ(一枚岩)で難儀しているらしい。
「左手でロープ持って!違う!右手は岩をつかむ!右手は岩!そうじゃない!!」
ガイドが客に声を張り上げて、指導している。まあ、客と雇われている側は、通常客の方が偉いのだが、このような場合はガイドの方が偉いから、仕方ない。

声を張り上げて指導するガイド
ロープを伝い終わったのを見計らって、今まで聞いたガイドの指導に従って、岩を下りた。スッスッと行けた。何だ、簡単じゃない。
次のロープに最後の客が取り付いている。この人が終わるまでここで待っていなきゃ…そう思って待っていると、あのガイドが、くうみんに向かって鬼のような形相で怒鳴る。
「あんたはここで待って!」
はぁ?わかっていますよ、それくらい。あなたの客、慣れていないようだし。それにしても、私、あなたの客じゃないんですけど?なんでそんな口のきき方するの?
しかし、くうみんは大人。にっこり微笑んで言ってみた。
「私はツアー客じゃないのに、なんでそんなに親切にしてくれるんですか?」
「私、あんたの客じゃないんですけど」という意味で言ったつもりだった。
なのだが、このバカガイドには通じなかった。
「あんたが早過ぎるからだよ!!」
このボケが。しかし、このボケとは、その後の宿も同じで、悩まされることとなった。

団体さんとともに2番目の雪渓を歩く。
「早く先に行って!!」
あのバカガイドが、私に向かって言う。はいはい、あなたの指導を無料で受けるような図々しさは、もうありませんから。
雪渓をやり過ごして歩き始める。

エーデルワイスの一種

道しるべ

棒を渡したところが道です。下は川

二股のつり橋

赤い鳥小鳥、なぜなぜ赤い

赤い実を食べた

三の窓雪渓。これは2012年、氷河と認定された

イワカガミの葉が紅葉している

こんな道は嫌だ。だけどこんな道が多い

今はリンドウの季節

山小屋が見えてきた~

もうすぐに違いない
ここは仙人池ヒュッテと、池の平小屋へ行く道の分岐だ。仙人池ヒュッテは今宵の宿だが、その前に池の平小屋にも行ってみようか?おじさんとも行ったことのある池の平小屋…

そう思った人が他にもいた
さっきのリュックを置いていった人達が戻って来た。
「池之平小屋に行くんですか?」
「はい」
60代と思われる男性の二人組だった。この人達とも二日間、一緒に行動することになる。
池の平小屋まで徒歩30分とあったが、もうちょっとかかった。

池の平小屋が見える

池の平小屋近くにはリンドウの群生が

池の平小屋からの風景。ここでおじさんと写真を撮ったっけ

こんなものもありました

池塘
写真を撮って、景色を眺めていると、あの団体さんが。早く戻ろう。
そこから分岐まで40分くらいかかったか?分岐から仙人池ヒュッテはすぐだろうと思ったら、そうでもなかった。やっぱり30分くらいかかったような気がする。見えるのに遠いって、なんだかな。

仙人池は裏剣のビュースポット
「予約しております、くうみんです」
「くうみんさんね。団体さんは見かけませんでしたか?」
「池の平小屋の方に行っていましたけど、もうすぐ来ると思います」
「それじゃ、団体さんが来る前にお風呂に入った方がいいですね」
到着後、すぐに風呂を使わせてもらった。湯船にも入れる。こんな山中で風呂に入れるのはありがたい。
水のない山域を2、3泊すると、ホームレスのような臭いを発するのが自分でもわかる。
ふもとの宿で風呂に入るのだが、服を脱ぐときにその臭いがひときわプン!と。近くの人がこっちを見て、眉をひそめるのが分かる。
おじさんも、言っていた。
「あれは、仕方ないんだよ、って噂しているのを聞いた。肩身が狭かった」
今日は相部屋だけど、たったの二人とはラッキー。この山小屋に以前泊ったときはもうすし詰め状態だったもの。

同室だったのは、室堂の某宿で働いているという若い女性だった。山が好きで、勤め先もそこにしたらしい。

暮れゆく仙人池と裏剣。先程の写真とは少し、アングルが違う
くうみんが20年近く前に泊ったとき、ここは料理自慢の山小屋だった。それこそ、剣沢小屋のような食事を出したものだ。でも、経営者が変わったのか、もっともポピュラーな山小屋の食事になっていた。

以前はここでもこんな感じの食事を出していた
同じ食卓を囲むのは、同室の女性と、分岐点で会った60代男性と40代と思われる女性の3人組。この人達は地元富山の人だと言う。
「イカの黒作りがあるとは嬉しいねえ!」
と感動していた。
ジャガイモを揚げてから、醤油と少しの砂糖で味付けしたのだろうか、これもおいしかった。まったく普通の食事に見えるが、こう言ったところに料理自慢の残り香を感じた。

もっともポピュラーな山小屋の食事。しかし、ジャガイモの炒め物とイカの黒作りを出すのは、ただモノではない
明日は、雲切新道を行く。以前来た時の道は台風で通れなくなったので、この道が造られた。以前よりも険しく、長くなったと言う。
心して行かねば。
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
↓


にほんブログ村
他の人たちは狭い場所で大変な思いをして荷物をまとめるのだが、何しろくうみんは一人部屋なので、思いっきり店を広げて片づけることができた。
これも台風情報のおかげだ。台風が来ると言っていたのに、いい天気。こんなことってあるのね。
山小屋を出たのは、6時だが、これでもくうみんが最後だった。

明けゆく剣の朝

このしるしに従って、道を進む

こんなのに落ちたら、万年雪だから、永久に出て来られない。
山小屋を予約するときに、「6本爪以上のアイゼンを持ってくるように」言われたので、急遽買った。今まで4本爪のアイゼンで十分だったんだが…でも山小屋の人の言うことは聞かなきゃ。

アイゼン装着完了!今のアイゼンは着けるのが簡単
そのうちに、団体さんに追い付いて来た。難所のスラブ(一枚岩)で難儀しているらしい。
「左手でロープ持って!違う!右手は岩をつかむ!右手は岩!そうじゃない!!」
ガイドが客に声を張り上げて、指導している。まあ、客と雇われている側は、通常客の方が偉いのだが、このような場合はガイドの方が偉いから、仕方ない。

声を張り上げて指導するガイド
ロープを伝い終わったのを見計らって、今まで聞いたガイドの指導に従って、岩を下りた。スッスッと行けた。何だ、簡単じゃない。
次のロープに最後の客が取り付いている。この人が終わるまでここで待っていなきゃ…そう思って待っていると、あのガイドが、くうみんに向かって鬼のような形相で怒鳴る。
「あんたはここで待って!」
はぁ?わかっていますよ、それくらい。あなたの客、慣れていないようだし。それにしても、私、あなたの客じゃないんですけど?なんでそんな口のきき方するの?
しかし、くうみんは大人。にっこり微笑んで言ってみた。
「私はツアー客じゃないのに、なんでそんなに親切にしてくれるんですか?」
「私、あんたの客じゃないんですけど」という意味で言ったつもりだった。
なのだが、このバカガイドには通じなかった。
「あんたが早過ぎるからだよ!!」
このボケが。しかし、このボケとは、その後の宿も同じで、悩まされることとなった。

団体さんとともに2番目の雪渓を歩く。
「早く先に行って!!」
あのバカガイドが、私に向かって言う。はいはい、あなたの指導を無料で受けるような図々しさは、もうありませんから。
雪渓をやり過ごして歩き始める。

エーデルワイスの一種

道しるべ

棒を渡したところが道です。下は川

二股のつり橋

赤い鳥小鳥、なぜなぜ赤い

赤い実を食べた

三の窓雪渓。これは2012年、氷河と認定された

イワカガミの葉が紅葉している

こんな道は嫌だ。だけどこんな道が多い

今はリンドウの季節

山小屋が見えてきた~

もうすぐに違いない
ここは仙人池ヒュッテと、池の平小屋へ行く道の分岐だ。仙人池ヒュッテは今宵の宿だが、その前に池の平小屋にも行ってみようか?おじさんとも行ったことのある池の平小屋…

そう思った人が他にもいた
さっきのリュックを置いていった人達が戻って来た。
「池之平小屋に行くんですか?」
「はい」
60代と思われる男性の二人組だった。この人達とも二日間、一緒に行動することになる。
池の平小屋まで徒歩30分とあったが、もうちょっとかかった。

池の平小屋が見える

池の平小屋近くにはリンドウの群生が

池の平小屋からの風景。ここでおじさんと写真を撮ったっけ

こんなものもありました

池塘
写真を撮って、景色を眺めていると、あの団体さんが。早く戻ろう。
そこから分岐まで40分くらいかかったか?分岐から仙人池ヒュッテはすぐだろうと思ったら、そうでもなかった。やっぱり30分くらいかかったような気がする。見えるのに遠いって、なんだかな。

仙人池は裏剣のビュースポット
「予約しております、くうみんです」
「くうみんさんね。団体さんは見かけませんでしたか?」
「池の平小屋の方に行っていましたけど、もうすぐ来ると思います」
「それじゃ、団体さんが来る前にお風呂に入った方がいいですね」
到着後、すぐに風呂を使わせてもらった。湯船にも入れる。こんな山中で風呂に入れるのはありがたい。
水のない山域を2、3泊すると、ホームレスのような臭いを発するのが自分でもわかる。
ふもとの宿で風呂に入るのだが、服を脱ぐときにその臭いがひときわプン!と。近くの人がこっちを見て、眉をひそめるのが分かる。
おじさんも、言っていた。
「あれは、仕方ないんだよ、って噂しているのを聞いた。肩身が狭かった」
今日は相部屋だけど、たったの二人とはラッキー。この山小屋に以前泊ったときはもうすし詰め状態だったもの。

同室だったのは、室堂の某宿で働いているという若い女性だった。山が好きで、勤め先もそこにしたらしい。

暮れゆく仙人池と裏剣。先程の写真とは少し、アングルが違う
くうみんが20年近く前に泊ったとき、ここは料理自慢の山小屋だった。それこそ、剣沢小屋のような食事を出したものだ。でも、経営者が変わったのか、もっともポピュラーな山小屋の食事になっていた。

以前はここでもこんな感じの食事を出していた
同じ食卓を囲むのは、同室の女性と、分岐点で会った60代男性と40代と思われる女性の3人組。この人達は地元富山の人だと言う。
「イカの黒作りがあるとは嬉しいねえ!」
と感動していた。
ジャガイモを揚げてから、醤油と少しの砂糖で味付けしたのだろうか、これもおいしかった。まったく普通の食事に見えるが、こう言ったところに料理自慢の残り香を感じた。

もっともポピュラーな山小屋の食事。しかし、ジャガイモの炒め物とイカの黒作りを出すのは、ただモノではない
明日は、雲切新道を行く。以前来た時の道は台風で通れなくなったので、この道が造られた。以前よりも険しく、長くなったと言う。
心して行かねば。
面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
↓


にほんブログ村
スポンサーサイト