ブロ友の死
くうみんのこのブログはかつて乳癌ブログだった。それがfc2に来てから専業主婦ブロブになり、死別ブログになり、今では死別でもあり、オバさんの一人暮らしをつづるブログへと変化している。
くうみん自身はジミな性格で、自ら波乱を求めている訳ではないのに、なんと波乱に満ちた人生だろうか、など感じている。
ブログを通じて知り合った友達をブロ友と言うが、乳癌を患った人や、死別の人がもちろんいる。しかし、持病のある人はやはり別れの確率も高いものだ。
びんぼっちゃん、亡くなってしまった。
くうみんが出会ったときはびんぼっちゃんと言うハンドルネームだったが、その他カモちゃんも名乗っていたようだ。
びんぼっちゃんとの出会いは一本の糸を辿るような偶然からだった。
自意識過剰人間くうみんは、「ひねくれくうみん」で、自己を検索したことがあった。その時ヒットした中に
「この人面白い!URLリンクしよう!」
と、くうみんのブログをリンクしたブログがあったのだ。そのブログも乳癌ブログで、その頃のくうみんと同じように、今の癌治療に否定的な意見を展開していた。
感動したくうみんは、そのブログにコメントを残した。
「お褒め頂き、感動の涙を流しております」
それからの付き合いだ。
向こうの地元に行ったり、こちらに来たり、2、3回会ったかねえ。
二人ともステージ2bで同じだったが、びんぼっちゃんはホルモン剤とハーセプチンの効くトリプルポジティブと言うタイプで、進行の速い癌だった。びんぼっちゃんは、その後乳がんの転移があり、4期になってしまった。
ガンは1期、2期は初期と言われる。3期は局所進行、4期は転移が見られるもの。
くうみんの通う病院では、3期以上になると、抗がん剤は使わない。抗がん剤は体力を消耗する。この段階になったら、体力を温存すべきだと、病院側も判っている。だけど、そんなまどろっこしい治療に我慢できない患者は、抗がん剤治療をしてくれる病院を探して、そちらに転院する。
すると、数か月後に、
「あの人、亡くなったって」
という風の便りが届く。
4期になると、命はひと月単位だ。2年と7、8か月後に半分が亡くなり、そのまた2年7、8か月後に半分が亡くなり…と半数ずつ亡くなっていく。でも、20年以上生存するツワモノ患者も4%程度いる。
「大丈夫だよ、その4%になれるよ」
「うん、私も癌が消えたって人、結構見たから」
びんぼっちゃんは明るかった。
抗がん剤は使わずに、半身浴療法、5本指靴下を5枚かさねて履く健康法、健康体操などいろいろやっていたようだ。本人も、
「命がけ養生」
と言っていた。
そのうちガンは皮膚を飛び出して、出て来たそうだ。すると食べたものによってガンが元気になったり、小さくなったりするのがわかると言う。
「豆製品や野菜を摂ると、癌が小さくなるの。でも、健康に良さそうだと思うのに、果物を食べると癌が元気になるのよ」
果物を食べると体が冷えると言うガン友は多い。くうみんもそう思う。だから、果物は健康のために食べるのではなくて、嗜好品だと思っている。
去年の春ごろ、久しぶりに会わないかとメールをしたけど、何だか元気がなかった。
「癌からすごい出血があって、救急車で運ばれたの」
漢方と、ホルモン剤による治療をしているらしい。
「癌が消えるなんて、幻想なのかも」
と、いつになく弱気だった。
でも、ブログをしているから、ブログの更新があれば生きているってことだから…
そのうちブログも更新されなくなった。毎日のように見ていたけど…
そのうち、あるコメントに気付いた。2017年11月投稿のコメントだ。
「ご冥福をお祈りします」
今まで気づかなかった。
びんぼっちゃんのいくつかのメアドにメールを出してみたが、エラーで帰ってきたり、なしのつぶてだったり…携帯に電話するのは迷惑だろうし…
ブロ友って儚いものだ。本名すらわからない場合だってあるし、住所がわからないなんて当たり前のこと。こういうことがあると手も足も出ない。
彼女は理系女子だった。本名で検索してみると、科学についての女性向けの講演や、勉強会をしていたことが分かった。単なる主婦じゃなくて、フリーでかなり仕事をしていたらしい。見たことのある彼女が、仲間とほほ笑んでいる。
私が友達だと思っていただけで、向こうは何も思っていなかったのかも知れない。
寂しいな…
今となっては、線香を手向けることも、香典を送ることもかなわない。でも、びんぼっちゃん、私は心の中で手を合わせているよ。
あの世にいるのが本来のことで、この世にいるのはほんの一時だそうだ。今はまだ、旅の途中だろうか。あの世でもきっと活躍することだろうと、くうみんは思っている。
びんぼっちゃんことカモちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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くうみん自身はジミな性格で、自ら波乱を求めている訳ではないのに、なんと波乱に満ちた人生だろうか、など感じている。
ブログを通じて知り合った友達をブロ友と言うが、乳癌を患った人や、死別の人がもちろんいる。しかし、持病のある人はやはり別れの確率も高いものだ。
びんぼっちゃん、亡くなってしまった。
くうみんが出会ったときはびんぼっちゃんと言うハンドルネームだったが、その他カモちゃんも名乗っていたようだ。
びんぼっちゃんとの出会いは一本の糸を辿るような偶然からだった。
自意識過剰人間くうみんは、「ひねくれくうみん」で、自己を検索したことがあった。その時ヒットした中に
「この人面白い!URLリンクしよう!」
と、くうみんのブログをリンクしたブログがあったのだ。そのブログも乳癌ブログで、その頃のくうみんと同じように、今の癌治療に否定的な意見を展開していた。
感動したくうみんは、そのブログにコメントを残した。
「お褒め頂き、感動の涙を流しております」
それからの付き合いだ。
向こうの地元に行ったり、こちらに来たり、2、3回会ったかねえ。
二人ともステージ2bで同じだったが、びんぼっちゃんはホルモン剤とハーセプチンの効くトリプルポジティブと言うタイプで、進行の速い癌だった。びんぼっちゃんは、その後乳がんの転移があり、4期になってしまった。
ガンは1期、2期は初期と言われる。3期は局所進行、4期は転移が見られるもの。
くうみんの通う病院では、3期以上になると、抗がん剤は使わない。抗がん剤は体力を消耗する。この段階になったら、体力を温存すべきだと、病院側も判っている。だけど、そんなまどろっこしい治療に我慢できない患者は、抗がん剤治療をしてくれる病院を探して、そちらに転院する。
すると、数か月後に、
「あの人、亡くなったって」
という風の便りが届く。
4期になると、命はひと月単位だ。2年と7、8か月後に半分が亡くなり、そのまた2年7、8か月後に半分が亡くなり…と半数ずつ亡くなっていく。でも、20年以上生存するツワモノ患者も4%程度いる。
「大丈夫だよ、その4%になれるよ」
「うん、私も癌が消えたって人、結構見たから」
びんぼっちゃんは明るかった。
抗がん剤は使わずに、半身浴療法、5本指靴下を5枚かさねて履く健康法、健康体操などいろいろやっていたようだ。本人も、
「命がけ養生」
と言っていた。
そのうちガンは皮膚を飛び出して、出て来たそうだ。すると食べたものによってガンが元気になったり、小さくなったりするのがわかると言う。
「豆製品や野菜を摂ると、癌が小さくなるの。でも、健康に良さそうだと思うのに、果物を食べると癌が元気になるのよ」
果物を食べると体が冷えると言うガン友は多い。くうみんもそう思う。だから、果物は健康のために食べるのではなくて、嗜好品だと思っている。
去年の春ごろ、久しぶりに会わないかとメールをしたけど、何だか元気がなかった。
「癌からすごい出血があって、救急車で運ばれたの」
漢方と、ホルモン剤による治療をしているらしい。
「癌が消えるなんて、幻想なのかも」
と、いつになく弱気だった。
でも、ブログをしているから、ブログの更新があれば生きているってことだから…
そのうちブログも更新されなくなった。毎日のように見ていたけど…
そのうち、あるコメントに気付いた。2017年11月投稿のコメントだ。
「ご冥福をお祈りします」
今まで気づかなかった。
びんぼっちゃんのいくつかのメアドにメールを出してみたが、エラーで帰ってきたり、なしのつぶてだったり…携帯に電話するのは迷惑だろうし…
ブロ友って儚いものだ。本名すらわからない場合だってあるし、住所がわからないなんて当たり前のこと。こういうことがあると手も足も出ない。
彼女は理系女子だった。本名で検索してみると、科学についての女性向けの講演や、勉強会をしていたことが分かった。単なる主婦じゃなくて、フリーでかなり仕事をしていたらしい。見たことのある彼女が、仲間とほほ笑んでいる。
私が友達だと思っていただけで、向こうは何も思っていなかったのかも知れない。
寂しいな…
今となっては、線香を手向けることも、香典を送ることもかなわない。でも、びんぼっちゃん、私は心の中で手を合わせているよ。
あの世にいるのが本来のことで、この世にいるのはほんの一時だそうだ。今はまだ、旅の途中だろうか。あの世でもきっと活躍することだろうと、くうみんは思っている。
びんぼっちゃんことカモちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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