祖母谷温泉(ばばだにおんせん)はカメムシの宿 でも、温泉最高
本当はもっと駅からすぐ近くの宿に泊まりたかった。けやき平から歩いて15分くらいの所にあるのは名剣温泉だが、お一人様は受けていない。
黒薙駅から徒歩20分の黒薙温泉では、一人個室を受け付けてくれる。鐘釣駅から徒歩10分の鐘釣温泉旅館は露天風呂のみの豪快さ。しかしどこも満員。
宇奈月温泉でも何軒か候補はあった。近代的な旅館の快適さに大いに誘惑を感じたが、この際野趣あふれる温泉宿に泊まろうと思った。
そこで目に着いたのが欅平駅から徒歩50分の祖母谷温泉だ。ダメもとで聞いてみると、
「空いていますよ。でも、山小屋なので相部屋になるかも知れません」
とのこと。もうどうでもいいや、お願いしよう。ということで泊まることになった。
しかし欅平の駅から徒歩50分という立地に、キャンセルしようかかなり迷ったが、「素晴らしい風呂」との噂があちこちから聞こえてきた。
行ってみるか!!

落石注意 自己責任で通るように

高級旅館名剣温泉 これで一泊2万円

こんなトンネルを3つばかり過ぎると…

今宵の宿、祖母谷温泉へ

祖母谷温泉の看板 値段の所は空欄になっている。一泊二食付きで9500円
「こんにちは~。予約しておりますくうみんです」
まだ2時くらいだったが、旅館と違ってすぐに部屋に案内してくれるのはありがたい。運良く一人部屋だった。やっぱり他の人と一緒なのは気を遣うもの。

広い大部屋を一人で使わせてくれた
風呂は全部で3つある。内湯、男子露天風呂、女子露天風呂だ。はじめは内湯、次に女子露天風呂に入ったが、同じ湯のはずなのになぜか内湯の方が湯が滑らかで、気持ちいい。
内湯の湯船には豪快に熱い温泉と、温度調節のための冷たい水が同時に景気よく注がれている。しかし、女子露天風呂でははじめから温度調節した湯がちょろちょろ流れている。ここのところが違うのか?
同じはずなのにどうしてこんなに違うのかよくわからない。源泉からの距離も影響しているのだろうか?

曇ってよく見えない内湯。でもここの湯が最高!

目隠しが張り巡らされた女子露天風呂。こんな裸、いくらでも見せてやらあ
そして気になるのは男子露天風呂だ。周りからは丸見えでくうみんが隙を見て入ろうとしても、誰かが入っているか、または近くに人がいるか、どちらかだった。しかし絶対入ってやる!!
食事時間まで近くを散策した。

祖母谷温泉の源泉があるらしい

ここが源泉。そっと手を入れてみたが、熱くて入れない

山を背に建つ祖母谷温泉。のんびりした、いいところだ

枝豆、厚揚げとゼンマイの煮物、かにかまときゅうりの酢の物、キノコ汁、マグロの刺身にコロッケ。コロッケは里芋で手作りだ
食事は6時から。同じテーブルの人たちは、ご夫婦と、一人で来ている山登りの男性と、京都から来た女性だった。この4人がこの酒豪くうみんも及ばないほどビールや酒を飲んでいるのにはびっくりした。500ミリリットルビールをすでに飲んでいたが、持ち込んだ焼酎を遠慮なく飲むことにした。
翌朝になって知ったのだが、ご夫婦の方は500ミリリットルビールをこの場で3本ずつ飲み、その後部屋でも数本飲んだらしい。京都女子は500ミリリットルビール、その次に日本酒、そして部屋でチューハイを飲んだと、朝になって宿の親父に自己申告していた。山登りおやじは、山登りのため、飲酒をセーブしていたが、山には焼酎を2本持って行ったこともあるという大酒飲みだそうだ。
なんと居心地のいい宿であろう。
しかし、ここはカメムシの宿だ。カメムシが部屋にたくさん生息していた。カメムシというのは何を食べるのだろうか。草を食べるなら、こんなところにいても何も食べられないではないか?

ハエではなく、カメムシ
翌朝、問題の男湯を何回か見に行った。何回か見ているうち、ついに誰もいない時が来た。大急ぎでタオルをもって湯につかりに行った。
おお~、いい~。


最近の旅館は女湯の方に力を入れているというが、露天風呂となると、どうしても女子風呂は目隠しで囲ってしまう。それこそ自己責任でいいから、豪快な開け放しの露天風呂に入りたいものだ
宿の奥さんに
「男湯は男女入れ替え制にして欲しい」
とお願いしたが、
「みんな適当にやっていますよ」
よし、わかった。今度来た時も、適当に入ることにしよう。
カメムシはいるが、それを上回る温泉の良さ。立ち寄り湯もできるが、立ち寄り湯では内湯に入れない。
朝は8時頃この宿を出た。お世話になりました。また来ます。

ここら辺も紅葉がきれいだ
トロッコ電車は普通車とリラックス車両と、特別車両があって、料金が違う。普通車は吹きさらしなので夏は気持ちいい。でも、今はどうだろう?と思いつつ普通車に。上着の上にさらに防寒着を着用したのでそんなに寒くなかった


泊まろうとした黒薙温泉のある黒薙駅。ここにも泊まりたいけど、祖母谷温泉も捨てがたい

黒薙駅近くの古い橋


小さなトロッコ列車は、はじめは関西電力の業務専用だったそうだ。それが一般人に「あのトロッコ電車は眺めが最高らしい」と、噂になり、乗車証ならぬ「便乗証」を発行し、「便乗ノ安全ニ付イテハ一切保証致シマセン」と記されていたという。ここでも自己責任

黒部の田んぼ ここのコメは水がいいのでおいしいと阿曽原のオヤジも祖母谷のおかみさんも言っていた

北陸新幹線はくたか
新幹線はくたかに乗り込んだ。空席を見つけてほっとした。ビール用のつまみにと、残った登山用食料を出すため、食料バッグを開けた。するとカメムシが一匹出てきた。床を歩いていると思ったら、ふと見ると、天井のあたりを飛んでいる。
頑張れよ…
これから見知らぬ都会に行ってしまう、このカメムシはどうなってしまうのか…くうみんはビールをごくごく飲みながら、カメムシにエールを送った。
缶ビール500ミリリットル入りを駅のコンビニで一本買ったが、飲み足りないので車内販売はないかと思っていると、来た来た、社内販売のお姉さんが。
「ビールください」
「はい、スーパードライと富山の地ビールがありますが」
「んじゃ、地ビールを」
たまにはローカルなビールも味わわないと。

オレンジジュースっぽい味の地ビール、グランアグリ
帰りは上野で降りた。行きは始発の東京駅で乗れば、座れる確率が高いが、帰りは上野で降りた方が、くうみんの場合はちょっとだけ経済的。
大きな荷物を担いで家路を急ぐ。
まあ、家に帰ってからいろいろあったのだが、それは今は省略。家にある簡単なもので食事の下ごしらえをして、フィットネスクラブの風呂に入り、さっぱりしたところで食事とビール。
ああ、大変だったけど楽しかったな。阿曽原に着いた時は、
「も~ぅ山やめた!!」
と思ったけど、のど元過ぎればなんとやら、また行ってみたいと思った。
食卓の上のおかずがどんどんなくなって行ったが、ビールはまだある。つまみは…おお、あるじゃないか、山で食べなかった行動食。
くうみんはまた、行動食の入った食料袋を手にした。そしておもむろに中に入っているナッツの袋を取り出した。
と、ナッツの袋とは別に、出てきたのは…
またまたカメムシ!

殺すのもなんだかな、と思い、ティッシュで包んで外に放した。
カメムシよ、こんなところまで連れてきてしまって済まない。お前にも家族も友達もいただろうに。パートナーもいたかも知れない。知らぬ間に最愛のパートナーとの別れがやって来てしまったね。
でも、私もなんだよ、知らぬ間に、大切な人との別れが来てしまったのは。
一人、いや、一匹でも、頑張れよ。
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黒薙駅から徒歩20分の黒薙温泉では、一人個室を受け付けてくれる。鐘釣駅から徒歩10分の鐘釣温泉旅館は露天風呂のみの豪快さ。しかしどこも満員。
宇奈月温泉でも何軒か候補はあった。近代的な旅館の快適さに大いに誘惑を感じたが、この際野趣あふれる温泉宿に泊まろうと思った。
そこで目に着いたのが欅平駅から徒歩50分の祖母谷温泉だ。ダメもとで聞いてみると、
「空いていますよ。でも、山小屋なので相部屋になるかも知れません」
とのこと。もうどうでもいいや、お願いしよう。ということで泊まることになった。
しかし欅平の駅から徒歩50分という立地に、キャンセルしようかかなり迷ったが、「素晴らしい風呂」との噂があちこちから聞こえてきた。
行ってみるか!!

落石注意 自己責任で通るように

高級旅館名剣温泉 これで一泊2万円

こんなトンネルを3つばかり過ぎると…

今宵の宿、祖母谷温泉へ

祖母谷温泉の看板 値段の所は空欄になっている。一泊二食付きで9500円
「こんにちは~。予約しておりますくうみんです」
まだ2時くらいだったが、旅館と違ってすぐに部屋に案内してくれるのはありがたい。運良く一人部屋だった。やっぱり他の人と一緒なのは気を遣うもの。

広い大部屋を一人で使わせてくれた
風呂は全部で3つある。内湯、男子露天風呂、女子露天風呂だ。はじめは内湯、次に女子露天風呂に入ったが、同じ湯のはずなのになぜか内湯の方が湯が滑らかで、気持ちいい。
内湯の湯船には豪快に熱い温泉と、温度調節のための冷たい水が同時に景気よく注がれている。しかし、女子露天風呂でははじめから温度調節した湯がちょろちょろ流れている。ここのところが違うのか?
同じはずなのにどうしてこんなに違うのかよくわからない。源泉からの距離も影響しているのだろうか?

曇ってよく見えない内湯。でもここの湯が最高!

目隠しが張り巡らされた女子露天風呂。こんな裸、いくらでも見せてやらあ
そして気になるのは男子露天風呂だ。周りからは丸見えでくうみんが隙を見て入ろうとしても、誰かが入っているか、または近くに人がいるか、どちらかだった。しかし絶対入ってやる!!
食事時間まで近くを散策した。

祖母谷温泉の源泉があるらしい

ここが源泉。そっと手を入れてみたが、熱くて入れない

山を背に建つ祖母谷温泉。のんびりした、いいところだ

枝豆、厚揚げとゼンマイの煮物、かにかまときゅうりの酢の物、キノコ汁、マグロの刺身にコロッケ。コロッケは里芋で手作りだ
食事は6時から。同じテーブルの人たちは、ご夫婦と、一人で来ている山登りの男性と、京都から来た女性だった。この4人がこの酒豪くうみんも及ばないほどビールや酒を飲んでいるのにはびっくりした。500ミリリットルビールをすでに飲んでいたが、持ち込んだ焼酎を遠慮なく飲むことにした。
翌朝になって知ったのだが、ご夫婦の方は500ミリリットルビールをこの場で3本ずつ飲み、その後部屋でも数本飲んだらしい。京都女子は500ミリリットルビール、その次に日本酒、そして部屋でチューハイを飲んだと、朝になって宿の親父に自己申告していた。山登りおやじは、山登りのため、飲酒をセーブしていたが、山には焼酎を2本持って行ったこともあるという大酒飲みだそうだ。
なんと居心地のいい宿であろう。
しかし、ここはカメムシの宿だ。カメムシが部屋にたくさん生息していた。カメムシというのは何を食べるのだろうか。草を食べるなら、こんなところにいても何も食べられないではないか?

ハエではなく、カメムシ
翌朝、問題の男湯を何回か見に行った。何回か見ているうち、ついに誰もいない時が来た。大急ぎでタオルをもって湯につかりに行った。
おお~、いい~。


最近の旅館は女湯の方に力を入れているというが、露天風呂となると、どうしても女子風呂は目隠しで囲ってしまう。それこそ自己責任でいいから、豪快な開け放しの露天風呂に入りたいものだ
宿の奥さんに
「男湯は男女入れ替え制にして欲しい」
とお願いしたが、
「みんな適当にやっていますよ」
よし、わかった。今度来た時も、適当に入ることにしよう。
カメムシはいるが、それを上回る温泉の良さ。立ち寄り湯もできるが、立ち寄り湯では内湯に入れない。
朝は8時頃この宿を出た。お世話になりました。また来ます。

ここら辺も紅葉がきれいだ
トロッコ電車は普通車とリラックス車両と、特別車両があって、料金が違う。普通車は吹きさらしなので夏は気持ちいい。でも、今はどうだろう?と思いつつ普通車に。上着の上にさらに防寒着を着用したのでそんなに寒くなかった


泊まろうとした黒薙温泉のある黒薙駅。ここにも泊まりたいけど、祖母谷温泉も捨てがたい

黒薙駅近くの古い橋


小さなトロッコ列車は、はじめは関西電力の業務専用だったそうだ。それが一般人に「あのトロッコ電車は眺めが最高らしい」と、噂になり、乗車証ならぬ「便乗証」を発行し、「便乗ノ安全ニ付イテハ一切保証致シマセン」と記されていたという。ここでも自己責任

黒部の田んぼ ここのコメは水がいいのでおいしいと阿曽原のオヤジも祖母谷のおかみさんも言っていた

北陸新幹線はくたか
新幹線はくたかに乗り込んだ。空席を見つけてほっとした。ビール用のつまみにと、残った登山用食料を出すため、食料バッグを開けた。するとカメムシが一匹出てきた。床を歩いていると思ったら、ふと見ると、天井のあたりを飛んでいる。
頑張れよ…
これから見知らぬ都会に行ってしまう、このカメムシはどうなってしまうのか…くうみんはビールをごくごく飲みながら、カメムシにエールを送った。
缶ビール500ミリリットル入りを駅のコンビニで一本買ったが、飲み足りないので車内販売はないかと思っていると、来た来た、社内販売のお姉さんが。
「ビールください」
「はい、スーパードライと富山の地ビールがありますが」
「んじゃ、地ビールを」
たまにはローカルなビールも味わわないと。

オレンジジュースっぽい味の地ビール、グランアグリ
帰りは上野で降りた。行きは始発の東京駅で乗れば、座れる確率が高いが、帰りは上野で降りた方が、くうみんの場合はちょっとだけ経済的。
大きな荷物を担いで家路を急ぐ。
まあ、家に帰ってからいろいろあったのだが、それは今は省略。家にある簡単なもので食事の下ごしらえをして、フィットネスクラブの風呂に入り、さっぱりしたところで食事とビール。
ああ、大変だったけど楽しかったな。阿曽原に着いた時は、
「も~ぅ山やめた!!」
と思ったけど、のど元過ぎればなんとやら、また行ってみたいと思った。
食卓の上のおかずがどんどんなくなって行ったが、ビールはまだある。つまみは…おお、あるじゃないか、山で食べなかった行動食。
くうみんはまた、行動食の入った食料袋を手にした。そしておもむろに中に入っているナッツの袋を取り出した。
と、ナッツの袋とは別に、出てきたのは…
またまたカメムシ!

殺すのもなんだかな、と思い、ティッシュで包んで外に放した。
カメムシよ、こんなところまで連れてきてしまって済まない。お前にも家族も友達もいただろうに。パートナーもいたかも知れない。知らぬ間に最愛のパートナーとの別れがやって来てしまったね。
でも、私もなんだよ、知らぬ間に、大切な人との別れが来てしまったのは。
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