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くうみん父の新盆であった不思議な話と、今年のお盆

 くうみん父は6年前に亡くなった。年寄りは葬式代くらいは持っていると、詐欺グループの犯人がうそぶいていたらしいが、くうみん父はあったら使ってしまうというどうしようもない人間だったので、葬式代には困った。

 一応くうみんの方から出すことにしたが、焼くだけの直送、戒名なし、それでも20万円近くかかったように思う。
 家の中の遺品を捨てるにもお金がかかるのでかなりの出費だった。しかし、亡くなるまでの年金の受け取り、香典や株券の売却で何とか凌ぐことができた。

 墓もなかったので、走って30分くらいの所にあるお寺の納骨堂に納めることにした。
「納骨堂に入れておく期間は10年、20年、30年とありますが、どうしますか。その後は共同墓地で土に返すことになりますが」
 くうみんは当時、乳がん治療を終えて間もないときだったので、自分が10年生きていないかも知れないと思って、10年にしてもらった。期間を延ばすこともできるというし。

 とにかく、人ひとりが死ぬということは大変なことだ。お金のことだけではなく、お墓や役所関係の手続きも一気に押し寄せてくる。特に年金の手続きが煩雑なこと…父は転職を繰り返していたので、数多くて少額の企業年金の手続きには閉口した。バカ妹は鼻歌うたってのんびりしているだけだったし。まったくバッカヤロ。

 父は11月に亡くなったので、そうこうしているうちに新盆の季節がやってきた。
「めんどっちいから、お盆はなしね」
 そう思っていた。

 そんなある日、押し入れを覗くと紙袋が転がっていた。何だろう、と思って開けてみると、なんと葬儀屋さんでもらった仏具が入っているではないか!
 
 お盆やってくれってか。

 くうみん家ではそう言った宗教行事をしたことがない。どうしていいかわからなかったが、とりあえずお花を飾り、線香をあげ、夜にはろうそくをともすようにした。ろうそくは火事注意なので、いるときだけ。

 当時はまだおじさんがいた。
「じいさん(くうみんは父をこう呼んでいた)が、お盆やってくれって言うんだよ」
「そうか、生きてる時より死んだ後の方が仕事してるじゃないか」
 おじさんは笑っていた。ちなみにキリスト教ではお盆はないらしい。

 それからうちでは、毎年お盆をしている。おじさんの亡くなった去年はそれどころじゃなかったけど。

 去年まではおじさんの家と、くうみん父のお盆。
 今年からはおじさんのお盆も。

 白い祭壇を組み立てて、果物を供えた。上の段には、おじさんの写真を真ん中にして、左側にはおじさん家の写真や位牌、右側にはくうみん父愛用の扇子を置いた。
 おじさん家のお盆も、くうみん父のお盆も、「して欲しがっているようだから」今までやってきた。

 でも、今年からはおじさんに会いたいから…

 お盆には、アゲハ蝶の姿になって亡くなった人が帰ってくるという。

 おじさん、アゲハ蝶になって会いに来て。

 おじさん、生前の姿で夢の中を、会いに来て。



 お盆でもご飯は食べたい。よく食べるあなたにお勧めはこれ。


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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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