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初めての独り暮らし 初めての一人年末年始

 今年は悪夢のような年だった。
 なにしろ一番大切な人を亡くしてしまったのだから。まさかおじさんが先に死ぬなんて、思っていなかった。

 あの日、夜遅くにおじさんが大変なことになっていると、連絡があったときも障害が残ったらどうしよう、その程度のことを考えていた。2時間半ほどでおじさんが搬送されたという病院に到着した。おじさんは看護師から心臓マッサージを受けていた。耳元で
「おじさん、こっちだよ、帰っておいで」
 とささやいたが、もうすでにこと切れていた。

 死んだ人の顔は、すぐに筋肉が緩んでマヌケな顔になるものだが、おじさんは微笑んでいて、眠ったふりをしているようだった。体幹は暖かかったけれど、指先はもう冷たくなっていた。
 結婚して30年もたてば配偶者なんて、もう空気のような存在になる。
 でも、それはおじさんは絶対に、ここにいるものという前提でのことだと気付いた。あまりにも残酷な勉強だった。

 私はあまり円満な家庭に生まれなかった。結婚してようやく幸せになった。子供に恵まれなくても、ガンになっても、私は幸せだった。いつも今が一番幸せだと思っていたのに、不幸のどん底に突き落とされた思いだ。

 そして、人の不幸を楽しむかのような人々が身近にいるということも分かった。この人たちとはもう付き合おうとは思わない。
 友達をなくした?悪い縁を切っただけ。あなた達なんかいらない。

 この前の年末年始は家で過ごした。イセエビをお取り寄せして、刺身やみそ汁でおいしくいただいた。スーパー銭湯に行って温泉気分を味わった。近くの神社に初詣でをして、ふるまいのお汁粉をいただいた。こんなささやかな年末年始だったが、おじさんと一緒なら楽しかった。

 クリスマスも一人だったけど、今回は初めて一人で過ごす年末年始だ。どこか旅行にでも出かける人が多いのか、うちは駅のすぐ近くで、いつも賑やかなのに、今日は街中が静かだ。そんなときに家で一人でいるのは耐えられない。かと言っておじさん以外の他の誰かといるのも気づまりだ。

 年末年始に一人泊オーケーという宿は少なくて選ぶ余地もなく、近県のリゾートホテルに31日から4泊することにした。以前なら、年末年始の高い時期に宿泊なんて考えてもみなかったが、こういう身の上になると、高いとわかっていても行くしかない。
 
 おじさんの遺影と、遺骨を持って行ってきます。4日に帰ってきます。それまでブログはお休みです。

 皆さん、よいお年を。



 
 



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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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