野獣倒れた
「ウッホ~!!」野獣は叫んで木から木へと飛び移って行った。野獣は野猿、山猿、普通に言えばニホンザルなのであろうか?
年経た雌猿のようだ。もう雄猿は相手にしてくれない。だから自活するしかない。つやのない毛並、そぎ落とされたような痩せた肉体。
この間、観光客から奪い取った弁当はうまかった。それに味をしめて、また取ってやろうとしたら、見えない壁があって手がそこでつかえてしまう。
「お父さん!サルだ!サルが手を伸ばしてきた!」
「大丈夫だ、窓を閉めているからね。車の中までは来られないよ」
中にいる人間は不安そうでもあったが、勝ち誇ったような顔をしているようにも見えた。ダメだ、あきらめよう。
「ウッホ~」
そう言えばこの間、捨ててあった弁当を食べたら、じんましんが出て痒くてかなわなかった。食中毒と言うのだろうか?気を付けなくては。人間の食べるものと言うのは当たりもあればハズレもある。
自然界のものはハズレなどない。いつもの木に行って、木の実でも食べることにしよう。
そしてあの木の洞に行けば、またうまいものが食べられる。あれは私が見つけた秘密の食べ物だ。あれを食べると妙に陽気になる。ブドウの木のあったあの木の洞に、ブドウの実がたくさん落ちて、あのようになったに違いない。ヒック。
木の実も食べた。あのうまい、奇妙に陽気になってしまう食べ物も食べた。
体が熱い。あの食べ物のせいだろうか?いや、それだけではなさそうだ。喉が痛い。熱がある。首にぐりぐりがある。
ダメだ。野獣の本能が休めと言っている。
連日8度以上の高熱。おとなしくします。
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「大丈夫だ、窓を閉めているからね。車の中までは来られないよ」
中にいる人間は不安そうでもあったが、勝ち誇ったような顔をしているようにも見えた。ダメだ、あきらめよう。
「ウッホ~」
そう言えばこの間、捨ててあった弁当を食べたら、じんましんが出て痒くてかなわなかった。食中毒と言うのだろうか?気を付けなくては。人間の食べるものと言うのは当たりもあればハズレもある。
自然界のものはハズレなどない。いつもの木に行って、木の実でも食べることにしよう。
そしてあの木の洞に行けば、またうまいものが食べられる。あれは私が見つけた秘密の食べ物だ。あれを食べると妙に陽気になる。ブドウの木のあったあの木の洞に、ブドウの実がたくさん落ちて、あのようになったに違いない。ヒック。
木の実も食べた。あのうまい、奇妙に陽気になってしまう食べ物も食べた。
体が熱い。あの食べ物のせいだろうか?いや、それだけではなさそうだ。喉が痛い。熱がある。首にぐりぐりがある。
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