年寄り騙す悪い奴 完結編 おっ母から世界一信用されていなかったおじさんとくうみん
解約手続きのための種類も揃ったし、あとはおじさんの都合のいい時に実家に行って手続きしよう。これで月々10万円近い支出もなくなる…と思っていました。それが…
ある時郵便受けを見ると、くうみん母、西太后陛下からお手紙が来ていました。おじさん、くうみん様、だって。なんだろう?
「おじさん、おっかあから手紙が来てる」
中にくうみん達が毎年あげているお年玉袋が透けて見えます。
「何だ?」
内容は怒りの言葉。
「今までハゼハラさんには親も及ばぬ恩を受けてきた。その恩人を悪く言うとは何事。お前たちと付き合うつもりはない。ワレガネにツリガネとはよく言ったもの、これからはお父さんと仲良くやっていく。こちらのことはご放念ください。あんたのご主人、おじさんなんか大嫌い!偉そうに!お年玉も返します!」
くうみん両親は、仲が悪い夫婦だ。まあ、仲良くするのは悪いことじゃない。
お年玉袋の中には、あげたはずの1万円札が。
いきなり、どうしちゃったんだろう。きっと、ハゼハラさんが保険契約を解除させないために口八丁で言いくるめたに違いない。あんな娘夫婦と私と、どちらに恩があるか、とか。
「ワレガネにツリガネなんて言わないよ~、それを言うなら割れ鍋にとじ蓋だよ~」
おじさんはお年玉袋から一万円札を取り出して、言いました。
「そんなことよりこの金で、なにかうまいものでも食べに行こうぜ」
おじさんとくうみんはその夜、たまに贅沢するときに行く寿司屋に行きした。
「もう、情けなくなるよ、これだけ一生懸命しているのに」
「何で実子のくうみんより、保険屋のおばさんを信用するのかなあ」
「あいつら、契約取るためならなんでもするぜ」
おじさんが言います。おじさんのお父さんは某保険会社に勤めていたのです。真面目にその人にあった保険を勧める人はもちろんいるだろうけど契約さえ取れれば、という人もいるだろうな。
くうみんは寿司をつまみながら言いました。
「もう、ほっとくしかないかな。それにおっ母の金で契約するんだし。パチンコや競馬ですったと思うしかないかな。ああこの寿司うまい」
所詮自分の金じゃない。何に使おうが本人の勝手といえば言える。
ある日、久々にくうみん母から電話がありました。
「お金がどんどんなくなっていくの。」
「へ?」
「なくなっていく!なくなっていく!」
そう言ってがちゃんと電話は切れました。
なんだろう?
それから数日、おじさんと外を歩いていると、おじさんの携帯がなりました。
「はい」
うん、うん、だから…おじさんは受け答えしていました。
「くうみんのおっ母からだ」
「なんだって」
「ハゼハラさんの悪い噂を聞いたそうだ。あの人は三文判をたくさん持っていて、勝手に人の契約をしちゃうって。くうみん母さん、気をつけなさいよって、言われたって」
「やっぱり…ハゼハラさんってそういう人だったのね」
「わざわざ俺の携帯に電話してくるのはくうみんに言ったら、そら見たことか!って言われると思ったんじゃないのか」
おじさんはため息をつきながら言いました。
「結局私はハゼハラさんに騙されていたのねって言ってたぞ」
そんな人よりくうみんは信用ならんかったのか。人に言われて初めてハゼハラさんの正体に気づくのか。
悪い奴というのは、どうしたら疑われないか、どうすれば関心を買えるか、そのツボを心得ているから、真心で接するより真心っぽいのかもしれません。
そういえば、亡くなったくうみん母の姉、くうみんの伯母にあたるヨシ伯母もくうみんのことは全く信用せず、一族の鼻つまみ者のK子の術中にはまり、身ぐるみ剥がれて最後はくうみん母がやっと探した療養型病院でひっそりと最後を閉じたっけ。
ヨシ伯母、くうみんに任せてくれればそんなことしないよ。部屋の中にトイレくらいはついている、良心的な施設を見つけて月一くらいは遊びに行ってあげる。なにかおいしいものでも持って行ってあげる。そう思っていたのに。
それからまたまた数日してから、くうみん母から電話がありました。
「全く、大した食わせ者だよ、ハゼハラのやつ!」
前と打って変わってハゼハラさんの悪口を言いまくるくうみん母。
「じゃ、おじさんによろしく、頼りになるからね、おじさんは」
言うことがずいぶん違うな。しかしま、いっか。
という訳でくうみん母との交流は今も続いている。
ある時郵便受けを見ると、くうみん母、西太后陛下からお手紙が来ていました。おじさん、くうみん様、だって。なんだろう?
「おじさん、おっかあから手紙が来てる」
中にくうみん達が毎年あげているお年玉袋が透けて見えます。
「何だ?」
内容は怒りの言葉。
「今までハゼハラさんには親も及ばぬ恩を受けてきた。その恩人を悪く言うとは何事。お前たちと付き合うつもりはない。ワレガネにツリガネとはよく言ったもの、これからはお父さんと仲良くやっていく。こちらのことはご放念ください。あんたのご主人、おじさんなんか大嫌い!偉そうに!お年玉も返します!」
くうみん両親は、仲が悪い夫婦だ。まあ、仲良くするのは悪いことじゃない。
お年玉袋の中には、あげたはずの1万円札が。
いきなり、どうしちゃったんだろう。きっと、ハゼハラさんが保険契約を解除させないために口八丁で言いくるめたに違いない。あんな娘夫婦と私と、どちらに恩があるか、とか。
「ワレガネにツリガネなんて言わないよ~、それを言うなら割れ鍋にとじ蓋だよ~」
おじさんはお年玉袋から一万円札を取り出して、言いました。
「そんなことよりこの金で、なにかうまいものでも食べに行こうぜ」
おじさんとくうみんはその夜、たまに贅沢するときに行く寿司屋に行きした。
「もう、情けなくなるよ、これだけ一生懸命しているのに」
「何で実子のくうみんより、保険屋のおばさんを信用するのかなあ」
「あいつら、契約取るためならなんでもするぜ」
おじさんが言います。おじさんのお父さんは某保険会社に勤めていたのです。真面目にその人にあった保険を勧める人はもちろんいるだろうけど契約さえ取れれば、という人もいるだろうな。
くうみんは寿司をつまみながら言いました。
「もう、ほっとくしかないかな。それにおっ母の金で契約するんだし。パチンコや競馬ですったと思うしかないかな。ああこの寿司うまい」
所詮自分の金じゃない。何に使おうが本人の勝手といえば言える。
ある日、久々にくうみん母から電話がありました。
「お金がどんどんなくなっていくの。」
「へ?」
「なくなっていく!なくなっていく!」
そう言ってがちゃんと電話は切れました。
なんだろう?
それから数日、おじさんと外を歩いていると、おじさんの携帯がなりました。
「はい」
うん、うん、だから…おじさんは受け答えしていました。
「くうみんのおっ母からだ」
「なんだって」
「ハゼハラさんの悪い噂を聞いたそうだ。あの人は三文判をたくさん持っていて、勝手に人の契約をしちゃうって。くうみん母さん、気をつけなさいよって、言われたって」
「やっぱり…ハゼハラさんってそういう人だったのね」
「わざわざ俺の携帯に電話してくるのはくうみんに言ったら、そら見たことか!って言われると思ったんじゃないのか」
おじさんはため息をつきながら言いました。
「結局私はハゼハラさんに騙されていたのねって言ってたぞ」
そんな人よりくうみんは信用ならんかったのか。人に言われて初めてハゼハラさんの正体に気づくのか。
悪い奴というのは、どうしたら疑われないか、どうすれば関心を買えるか、そのツボを心得ているから、真心で接するより真心っぽいのかもしれません。
そういえば、亡くなったくうみん母の姉、くうみんの伯母にあたるヨシ伯母もくうみんのことは全く信用せず、一族の鼻つまみ者のK子の術中にはまり、身ぐるみ剥がれて最後はくうみん母がやっと探した療養型病院でひっそりと最後を閉じたっけ。
ヨシ伯母、くうみんに任せてくれればそんなことしないよ。部屋の中にトイレくらいはついている、良心的な施設を見つけて月一くらいは遊びに行ってあげる。なにかおいしいものでも持って行ってあげる。そう思っていたのに。
それからまたまた数日してから、くうみん母から電話がありました。
「全く、大した食わせ者だよ、ハゼハラのやつ!」
前と打って変わってハゼハラさんの悪口を言いまくるくうみん母。
「じゃ、おじさんによろしく、頼りになるからね、おじさんは」
言うことがずいぶん違うな。しかしま、いっか。
という訳でくうみん母との交流は今も続いている。
スポンサーサイト