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タイの洪水で思い出した タイから来た花嫁と年金問題

 くうみんはタイが好きで毎年のように行っています。海辺の町でのんびり過ごしたあと、バンコクで一、二泊、買い物したり、観光して帰ります。そのタイが洪水で大変なことに…早く水が治まって、元のエネルギッシュなタイになりますよう、お祈りいたします。

 タイと言うと思い出すことがあります。以前市役所で非常勤職員として働いていました。国民健康保険の係でした。市民の方と直接話をするのはくうみんのような非常勤の職員が多いのです。
 時々外国人と日本人のカップルが来て、健保加入の手続きをしていきます。ほとんどはそれなりにつりあいのとれた普通のご夫婦なのですが、たまにあれ?と思うようなカップルがいます。

 その日もカウンターで保険加入の手続きのお手伝いをしていました。すると、おぢいさんと若い女性がこちらに向かってきました。
「こいつを健康保険に加入させたいんだが…」
 もういい加減おぢいさんです。二人は婚姻の入籍をしたばかりでした。

 女性は外国人が手続するための用紙を持っています。国籍タイ、年齢30代半ば…日本語はしゃべれません。紺色のワンピースを着た清楚な感じの人で年よりずっと若く見えます。
 お互いに言葉が通じないのに結婚…?
 男性は60代半ばです。当時よく話題になっていた外国人とのお見合いツアーで見つけた花嫁かしらと思いました。

 愛があれば歳の差なんてと言いますが、日本人通しでも年が違えば話題も違い、知る人のいない外国で、言葉も通じず、これからの大変な日常が想像されます。

 でも女性はとても幸せそうで、にこにこしています。きっと敗戦後の日本女性が、アメリカ人に憧れたと同じように、憧れの日本に来ることができただけで幸せに感じるのでしょう。

 健康保険に入る手続きを済ませ、保険証を交付すると、次は年金のご案内。
「次は国民年金の手続き、お願いします」
「年金なんか、必要ない!」

 え?でも、あなたが死んだ後、奥さんはどうなるの?それは年間数十万円かも知れないけど、あなたが死んだ後これだけあれば奥さん、国に帰ればどうにか食べていけるんじゃない?

 そうは思ったけれど、そんなこと言っても無駄なのは判っています。そこでこう話を持っていきます。
「年金と言うと、老後のためのものとお考えになる方が多いんですけど、例えば奥様がご病気や事故で一級、二級の障がい者になったとします。一定の条件を満たせば障害年金が受けられますよ。係の者に詳しい話をさせますので、聞いてみてはどうでしょう?」
 ぢいさんは、ほう、という顔をして、
「それじゃあ、聞いてみようか」
「どうぞこちらへ」
 年金係に案内し、職員に申し送りをします。

「こちら奥様が外国人なので、年金に入るのをためらっておられます。老後のためだけではなく障がい者になった時はどのような給付があるか聞きたいとのことです」

「おかけください」
 年金の係が説明を始めます。これでくうみんの役割は終わり、次の方の受付をします。
「お待ちの方、どうぞ」
 年金は日本に住んでいる限り加入しなければいけないのだけれど、加入すべき人がお金を出したくないのと、罰則がないので、加入しない人が結構います。

 さっきのカップルが帰って行きます。奥さんがこっちを見て、にっこりと会釈します。くうみんもにっこりと会釈を返します。
 年金、はいれた?ご主人とうまくやってね。何かあっらた外国人の悩み相談もあるからね。

 幸多かれとひそかに祈りました。

 

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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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