PCR検査遠隔操作 どっと疲れた話 なるべく不快感ないように書きましたが、心配な方は食事前、食事中には読まないでください
ある目的のために、くうみんとくうみん母は、PCR検査を受けることになった。自宅で唾液を採取して、それを検査機関に送る。検査結果はパソコンやスマホで確認することができる。
くうみんはつつがなくできた。やってしまえば簡単なのだが、説明書には手順が書いてあって、この手順を守るのは結構戸惑うことが多い。
心配なのはくうみん母だ。あのばあさん、最近とみに理解力がなくなっている。くうみんは母に電話をした。
「検査セット、来た?」
「検査キット」などと言っても理解できない。「検査セット」と言えば理解できるだろう。
「うん、来た。明日やってみようと思うの」
「たぶんひとりじゃできない。私が電話で手順を言うことにするからね」
時間の指定も、こっちの都合なんて考えない。何時にしようかというと、
「朝の7時!!」
「嫌だよ、そんなに早いの。朝の9時からね」
どうなるだろうなあ。不安を感じながら、その時を迎えた。
手順はこんな感じ。
・まず、机の上に指定の紙を広げて、キットを並べる。
・そして、紙に書いてある指示通りに、検体を採取、袋に入れ、封筒に入れて送る。
言ってしまえば簡単なのだが。
「セットを箱から出して。大きな紙が入っているから、それを広げて」
ところが、「紙を広げる」、この作業ができない。ハナからつまづいた。
「右の上の方に、『内容物にさわる前に』って書いてあるでしょ?その紙を広げると、裏は青い画面になっているでしょ?!」
「ううん、裏は『同意書の記入』になってる」
「それはまだ二つ折りなの!それを広げるのよ!」
しかし、どうしても広げることができない(紙を広げることが理解できない)。
仕方ない。施設の事務所の人に頼もう。そうしなければ、先に進めない。検体採取を頼むのは問題があるけど、紙を広げるくらいなら、問題なかろう。
「それじゃ、その紙を事務所の人の所に持って行って!広げてもらってよ!いったん切るからね!」
母は、なんでこれ以上できないことを、事務所の人に頼まなければいけないのか、理解ができなかったようだ。しばらくして、母から電話が来た。
「今、事務所の前にいる。事務所の人に替わるから、どうするのか言って」
「もしもし、お電話替わりました」
若い男性が出た。この人なら大丈夫。
「いつも母がお世話になっております。すみません、その紙を広げていただけますか?」
「はい」
ガサガサ。
「広げると、裏は青い面ですよね?」
「はい」
「母には、ここまで広げることが理解できないらしいのです」
「は~」
「広げたまま、持たせてください。たたんでしまうと、わからなくなるかもしれなせんので」
「はい、わかりました」
ほどなくして再度母から電話。できなかったことの言い訳をごちゃごちゃ繰り返していた。
「もう、あそこまでで終わりと思っていたのよ」
「だから、まだ二つ折りだって言ったじゃない!!」
その後もああでもないこうでもないと、つまずきはあったが、初めのつまずきほどではなく、検体採取無事成功。さすが元看護師。
「それをポストか、郵便局に出せばいいのよ」
「どっちがいいかねえ?」
それこそ、どっちでもいいのだが、どちらか一方を指定しないと、バアさんは気が済まないらしいので、郵便局を指定した。
電話の始まりから終わりまで、1時間くらいかかった。その後一日、くうみんの頭の中で、
「紙を広げて!紙を広げて!!」
という言葉が、リフレインしたのは言うまでもない。
どっと疲れた。

検査キットの箱

くうみん母には、ここまで広げることができなかった。

こんな感じに置いて、作業する
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くうみんはつつがなくできた。やってしまえば簡単なのだが、説明書には手順が書いてあって、この手順を守るのは結構戸惑うことが多い。
心配なのはくうみん母だ。あのばあさん、最近とみに理解力がなくなっている。くうみんは母に電話をした。
「検査セット、来た?」
「検査キット」などと言っても理解できない。「検査セット」と言えば理解できるだろう。
「うん、来た。明日やってみようと思うの」
「たぶんひとりじゃできない。私が電話で手順を言うことにするからね」
時間の指定も、こっちの都合なんて考えない。何時にしようかというと、
「朝の7時!!」
「嫌だよ、そんなに早いの。朝の9時からね」
どうなるだろうなあ。不安を感じながら、その時を迎えた。
手順はこんな感じ。
・まず、机の上に指定の紙を広げて、キットを並べる。
・そして、紙に書いてある指示通りに、検体を採取、袋に入れ、封筒に入れて送る。
言ってしまえば簡単なのだが。
「セットを箱から出して。大きな紙が入っているから、それを広げて」
ところが、「紙を広げる」、この作業ができない。ハナからつまづいた。
「右の上の方に、『内容物にさわる前に』って書いてあるでしょ?その紙を広げると、裏は青い画面になっているでしょ?!」
「ううん、裏は『同意書の記入』になってる」
「それはまだ二つ折りなの!それを広げるのよ!」
しかし、どうしても広げることができない(紙を広げることが理解できない)。
仕方ない。施設の事務所の人に頼もう。そうしなければ、先に進めない。検体採取を頼むのは問題があるけど、紙を広げるくらいなら、問題なかろう。
「それじゃ、その紙を事務所の人の所に持って行って!広げてもらってよ!いったん切るからね!」
母は、なんでこれ以上できないことを、事務所の人に頼まなければいけないのか、理解ができなかったようだ。しばらくして、母から電話が来た。
「今、事務所の前にいる。事務所の人に替わるから、どうするのか言って」
「もしもし、お電話替わりました」
若い男性が出た。この人なら大丈夫。
「いつも母がお世話になっております。すみません、その紙を広げていただけますか?」
「はい」
ガサガサ。
「広げると、裏は青い面ですよね?」
「はい」
「母には、ここまで広げることが理解できないらしいのです」
「は~」
「広げたまま、持たせてください。たたんでしまうと、わからなくなるかもしれなせんので」
「はい、わかりました」
ほどなくして再度母から電話。できなかったことの言い訳をごちゃごちゃ繰り返していた。
「もう、あそこまでで終わりと思っていたのよ」
「だから、まだ二つ折りだって言ったじゃない!!」
その後もああでもないこうでもないと、つまずきはあったが、初めのつまずきほどではなく、検体採取無事成功。さすが元看護師。
「それをポストか、郵便局に出せばいいのよ」
「どっちがいいかねえ?」
それこそ、どっちでもいいのだが、どちらか一方を指定しないと、バアさんは気が済まないらしいので、郵便局を指定した。
電話の始まりから終わりまで、1時間くらいかかった。その後一日、くうみんの頭の中で、
「紙を広げて!紙を広げて!!」
という言葉が、リフレインしたのは言うまでもない。
どっと疲れた。

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