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国民健康保険給付係 思い出す市民の皆さん 国保離脱の手続きをしないと…

 その日も日曜日だった。いつものようにカウンターの内側で市民の方をお待ち申し上げていた時のこと。
 30代と思われる小太りでメガネをかけた男性が、電話機を抱えて現れた。
 つかつかとカウンターに近づくと、いきなりその電話機をカウンターにたたきつけた。
「○×□▽!!」
 何やら怒りの言葉を吐いた。

 怒りながらの説明を聞くと、こうだった。

 市役所からの留守電が入っているが、何を言っているのかわからない。どこの部署からかも言わないので、どこに問い合わせていいのかもわからない。連絡する部署と用件くらい言え!!

 この人の言うことはもっともなことだ。
 ここに来る前に市民課に行ったそうだが、そこで「これは健康保険の係ですね」と言われて、ここに来たらしい。

「まず、この録音を聞いてみよう」
 正職員のHさんに言われて、その場にいる者皆、直立不動になって録音を聞いた。
「国保税係のMです。また電話します」

「Mさん…」
 こちらはわかっているので聞き取れるが、何もわからない人が聞いたら、聞き取れないかも知れない。
 Mさんの仕事は国保税を支払わない人の督促。ってことは、この人も国保税滞納か?
「いや、国保はもうやめたよ。今は就職した会社の組合健保だもの」
「そうでしたか。しかし、国保離脱の手続きがしていなかったんで、督促が行ってしまったようです。Mの仕事は、督促ですから、用件を言ったら、ご家族がびっくりしてしまうかも知れません。ですので、督促のときは言わないようにしているらしいですよ」

 この場で国保離脱の手続きを行った。こちらの説明でこの男性も、気持ちを納めたらしい。

 督促の場合は、用件は言わない。まあ、仕方ないか。

 国保加入の手続きは、皆さん必要なことだから忘れずにするけれど、離脱の手続きは忘れてしまう場合が結構あるらしい。しなくてもいいと思っている人もいるようだ。

 保険料を自動振り替えにしている人が、会社の組合健保に移ったのに手続きをせずにそのまま払い続け、引っ越すことになってやっと国保に入りっぱなしであることに気付いたケースもある。
 この人は、市民課の人に
「国保に入っていますね?」
 と、指摘され、初めて気づいたのだった。
 3年くらい国保税払いっぱなし…その分は全額払い戻すことになるんだけど、ま~、ありがたいと言うか、のどかと言うか。

 就職が決まって組合健保になった方、国保離脱の手続きを忘れずにしてくださいね!!







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健康保険給付係 思い出す市民の皆さん 大人の階段のぼるくうみん

 その人は日曜日にやってきた。なにをしに来たかは覚えていない。だっていきなり怒鳴られて、他の人に替わってもらったんだもの。

 日曜日要員としてパートに出たくうみん。日曜日は、すべての課が開庁している訳ではなく、くうみんの所属する国保年金課や、市民課など、市民の皆さんが必要であろう部署だけが開庁している。なので、いつものフロアとは違う所で仕事をすることになる。

 いつものようにカウンターの中で待機していると一人の中年男性が、やってきた。
「おはようございます」
「国民健康保険の扶養の範囲はどうなっているのかね?」
「はい、国民健康保険には扶養と言う考えはないんです」

 いつもなら、ここで、
「え、どうして?」
 と言う突込みがあるはずだった。
「扶養と言うのは、一人の方が支払ったお金だけで、入いれると言うことですよね?でも、国民健康保険では、たとえ赤ちゃんでも均等割りはお支払いいただくんです。そういう意味で、扶養と言う考えはないと」
 そう説明するはずだった。

 しかし、
「ふ…」
 と、説明しようとしたら、

「家族なのになんで扶養で入れないんだ!バカなことを言うな!!」
 いきなり怒鳴られてしまった。
「はい、あの、しかしですね」
 しどろもどろになりながら、説明をしようとしたが、くうみんはあることに気が付いてしまった。

 ズボンのチャックが開いている!!

「あの~、お客様~」

 そのことも注意したものか、迷っていると、男性はまたもや大きな声をあげた。

「あんたじゃ話にならない!上を呼んで来い!」
「え~、そうじゃなくて…」
「いいから早く!!」
「は、はい」
 
 どひゃ~!!上と言っても今日は日曜日だから全員が出ていると言う訳ではない。課長も係長も今日は休みだ。ヒラだが、正職員の若い男性に来てもらった。
「お願いします。国保の扶養の範囲を説明して欲しいと」

 その男性職員は若いが、物静かで知的な雰囲気のする人なので「男クールビューティー」と言われていた。
 男性もこの人の言うことならば信用するだろう。どのように説明したのかはわからないが、何やら納得したような顔で去って行った。
 見たところ、何の手続きもしていない。聞きに来ただけかもしれない。

 そして、出ていくところをチェックしたら、やはりズボンのチャックは開いたままだった。
 この男、クールビューティーも、かの男性にご注意申し上げなかったのだ。

 見えないはずはないのに…

 ああいった場合、ベターなのは女性ではなく、男性が注意すること。ご注意申し上げるのが親切だと思うが、男クールビューティーが何も言わなかったのは、彼もやはり腹にイチモツあったからか?

 そして、くうみんとしては、どうするのが最善だったのだろうか?

 このことをフィットネスクラブのオバ仲間に問うた。
「それでよかったのよ。もし言ってしまったら大変よ」

 腹立たしいこの女職員め、お前なんかに注意されてたまるものか。これはマイブームなのだ!!チャックを開けるファッションなんだ!!古い奴だな!

「そういうことになると思うわ」

 そうか、これで良かったのか。

 人との付き合いにおいて、正直ばかりがいい事じゃない。
 男クールビューティー氏も、腹にイチモツあった訳ではなかった。若いのに大人だな。

 一つ大人の階段をのぼった気分のくうみんであった。







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テーマ : 忘れられない
ジャンル : 日記

国民健康保険給付係 思い出す市民の皆さん その三 免許不携帯のじいさん

 そのじいさんは、確か健康保険証を新しく作る手続きに来たのだと思う。
 記入すべきところに記入し、あとは身分を証明する写真付きのものを見せてくれれば、その場で交付される。なければ郵送される。

「写真付きの身分証明証はありますか?例えば運転免許ですとか、パスポートのようなものですね」
 じいさんは、
「今、手元にはないけど、車の中に置いてある。持って来て、また戻るのも面倒なので、車までついてきて欲しい」
「そうですか、わかりました」

 くうみんはじいさんの後についていった。じいさんは一台の車のドアを開けると、カバンの中から何か、紙を出した。
「これ」
 それは免許証のコピーだった。
「あの~、本物は?」
「本物は家にある!」
 これでもこのじいさんの身分はわかるが、その前にこれって免許不携帯…

「あの、お客様~、これでこちらの証明にはなりますが、あの、免許を持たずに運転すると、おまわりさんに捕まってしまうんじゃないですか?」

 するとじいさんは、悪びれることなく、言うのだった。
「だってね、いつも持ち歩いていたんだけど、そうしたら詐欺で騙し取られそうになったんだよ。それからコピーを持ち歩くようになったんだ」
「しかし、これではおまわりさんに、しょっ引かれる…」
「保険証の手続きはこれでいいだろう?」
「はあ、これでいいですが、でも運転するときは免許証がなければ、おまわりさんに…」
「はい、手続きは終わったんだから、もう行くから」
「はい、こちらは終わりますが、免許は…」

 くうみんはなおも食い下がろうとしたが、じいさんはめんどくさそうな顔をして車を出した。

 これって免許不携帯というのよね。あのじいさんが、今後、安全運転で何事もなければ、このまま行ってしまうのだろうが、何かあって、免許証の提示を求められたら、どうなるんだろう?

 あのじいさんは、「自分は何も悪くない!」と思っているようだ。

 免許証をだまし取られそうになったから、自己防衛のために本物は家に置いてある。だからここに免許証のコピーがある。これでいいだろう!っておまわりさんにも、言うつもりなのか?

 これって、立派な道交法違反になるはずだよね?

 その後どうなったか、くうみんには知る由もない。 
 






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テーマ : 日々のつれづれ
ジャンル : 日記

健康保険給付係 思い出す市民の皆様 その二 ○子さん

 その女性は息子が退職したので代理で国保加入の手続きに来た。
 健康保険の加入手続きが終わったので、国民年金加入の手続きに案内しようとした。
「こちらでの手続きは終わりましたので、次に国民年金加入の手続きにご案内します」

 すると、その女性はキッとくうみんをにらんだ。
「うちは厚生年金!国民年金なんかには、入りません!」
 会社を辞めたのだから、厚生年金も同時に離脱したのに、それがわからないらしい。

「いえ、息子さんは、会社をお辞めになったので、厚生年金も離脱したんです。次の転職先に就職したら、厚生年金に戻りますが」

「うちは厚生年金なのよ。厚生年金を支払っているのに、国民年金を払うなんておかしいと思うの」
 そう言って、その女性は出て行ってしまった。

 仕方ないので、その届け出書に、「代理で来た○子さん、国民年金加入拒否」と書いておいた。拒否された場合は、備考欄にそう書くように言われていたからだ。

 会社を辞めた息子さんは、年齢的に年金加入年数は、20年にあとわずか足りないくらいだ。今は違うが、その当時は年金を20年以上払い込んでいないと、年金が出ないことになっていた。

「今回拒否したせいで、年金が出ないなんてことになったら、どうするんだよ」
 くうみんは思った。

 他の職員も「これはまずいことになるかも」と思ったらしい。
「くうみんさん、この、○子さん国民年金加入拒否ってどういうこと?」

 くうみんは事情を説明した。
「○子さん、何か勘違いしているんだと思うんです。会社を辞めたから、厚生年金も離脱したって言うのが、わからないみたいで」

 その後、その事件がどうなったかはわからない。心優しい某市の国民年金係の職員が、息子さんに電話して、年金加入を勧めたかも知れない。
 すぐに就職先が見つかって、空白の期間があったとしても、厚生年金に加入すれば大事には至らない。
 しかし、あの時の国民年金の決まりでは、最悪、そのまま自営業になるなどして、年金を払わずにいたら、せっかく十数年、支払い続けた年金がパァに…

 まあ、途中で気が付くと思うが、どうなったか気になってしまう。

 あの時、くうみんにはあれ以上の説明ができなかったのだよ。







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テーマ : こんなことがありました
ジャンル : ブログ

健康保険のついでに年金 払えないあなたにそっと教えるお得情報

 くうみんが市役所で非常勤職員(平たく言えばパート)をしていたのは健康保険の係だったが、隣は年金の係で、健康保険の手続きを終えると年金の係に案内した。

 中には年金になんか入らないと言って、そのまま帰ってしまう人もいた。
 こういう人で多いのは外国人。すぐに帰国してしまうから必要ないという考えの人と、永住するであろうけど、金は払いたくないから、年金なんか払わないよ、という人。その他、日本人でも年金なんかあてにならないと言って、払わない人もいた。

 でも、ちょっと待って欲しい。やっぱりかけておいた方が得だよ。それに、国民年金と言うと、老後しか関係ないと思うだろうが、若くして1級2級の身体障碍者になったときも年金が出る。この差は大きい。

 以前、在日台湾人が、テレビ番組で
「わしらには年金もないのだ…」
 と言っていた。そう、昔は日本人だけの制度だったので、在日外国人は国民年金に加入することはできなかった。

 そこで、なのかどうか知らないが、今は日本に居住しているすべての人、日本人だろうが外国人だろうが、国民年金に加入することが義務付けられている。

 どうだ!在日の皆さん!あなた方も年金を受け取ることができますよ!

 行政は胸を張って呼ばわったことであろう。

 しかし、現実は、外国人はほとんどと言っていいほど、国民年金に加入しない。すぐに帰国するからというのであればまだわかるが、永住権を持っている人ですら、国民年金に加入しない。(途中帰国する場合は全部じゃないけど返してくれる)

 そんなこと言っても、払えないよ。そういう人に明報!

 市役所に行って、支払い免除の手続きをなさいませ。

 年収によって、免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の四種類。これで本来受け取れる年金より少ないけど、貰えるようになる。

 放っておいたらだめ。同じ払わない状態でも、手続きさえすれば老後に少しでも年金がもらえる。

 日本はいい国だ。お金のない人にはそれなりの配慮がある。

 最近ちょっと様子が違ってきたが。



 PS.

 そう言えばおじさんは年金を払っている時点で死んでしまったから、これは「かけ損」ということになるな。くうみんはおじさんが掛けた国民年金から、わずかな遺族年金を貰っているが、とても元を取ることろまで行かない。

 まったく、おじさんのバカ。



 

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Author:ひねくれくうみん
 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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