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主治医スナミ

 「あなたの主治医は角南先生です」
 いつのまにか主治医が割り当てられました。今日は初めての主治医の診察です。今日も主人が付き添ってくれました。順番が来て診察室にいくと、白髪頭の角南先生がいました。普通白髪頭と言うのは生え際から進むものと思っていましたが、角南先生は頭のてっぺんから白髪です。まるで夏の富士山のようです。この先生の言うことがキツイの何の…
「生きていればこそ、いい事もあるんですよ。全摘で、どうです?全摘で再建すれば、見た目はそれが一番いいですよ。再発もしないしね」
何でこんなことを言うのでしょう。なるべくなら体を切り刻みたくないのは人情です。
 それに、見た目がいいとか、再発もないというのは後から判りましたが嘘です。見た目は再建物はよほどうまくできれば別ですが本物には叶いません。全摘しても、局所再発はありえます。これは後からわかったことで、このときはそういうものかと思いました。
 でも、なるべく自前で済ませたくてこちらの希望を伝えました。
「温存でお願いします。全摘はなるべくしたくありません」
 こちらをまるで見ない、冷たい横顔でした。触診のため、主人は外に出ました。胸を出しながら、涙目になりました。すると、角南先生はさっきより少し優しい顔になっていいました。
「なるべく温存にしますからね」
 それから訳のわからない検査を連日のように受けました。肺活量の検査なんて、乳癌とどう関係がるんだろう?そう思って、担当の女医さんに尋ねると、
「手術に耐える体力があるか、調べているんですよ」
 いつの間にかベルトコンベアに乗せられていました。私は手術するともしないとも言っていないのに、手術を前提にことが運ばれていました。
 すみません。もう眠いのでここら辺にします。おやすみなさい。


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 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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