スマホ事件の結末
はじめは一人で行くつもりだったくうみん母であるが、一人で行かせたらまた面倒なことになるのは見えているので、くうみんも付いて行くことにした。
片道2時間以上かかる遠い道。交通費もバカにならない。
以前住んでいた実家よりも遠い所に何の相談もなく、移り住んでしまった、くうみん母。
「何でこんな勝手なことするのよ!!行くのが大変じゃない!!」
「ううん、来なくていいの。何でも一人でできるから。お葬式も来なくていい」
「そんな訳に行かないでしょ!!」
「ううん、いいの」
そして何かしでかした時はいつも言う。
「お前に迷惑をかけちゃいけないと思って…」
そのたびに尻拭いをさせられる。保険屋に騙されたときや、ヨシ伯母の相続問題、そして確定申告…
ショップの予約は午後3時なので、その日のうちに帰れなさそう。なのでまた宿を予約。余談だが、直前予約でえらく安く泊まれた。これだけは良かった。
午後3時、一緒にショップに行くと、少し待たされて、担当のお兄さんが接客してくれた。
「スマホをひと月前位に買ったらしいのですが、使いこなせないそうです。それに、お知らせ音が気になるらしいんです」
そばでくうみん母が、しきりに訴える。
「あのお知らせ音が鳴ると、ドキッとして、血圧が高くなるのよ!」
まず、買い替えするとなると、どれくらいの金額がかかるのか、試算してもらった。すると、4万円ちょっとかかるらしい。
「4万円!!」
くうみんは、だから慣れるように言うつもりだった。買い替えはお金がかかる。もうちょっと頑張ってみてはどうか?
しかし、お兄さんの反応は意外なものだった。
「スマホだと毎月の支払いが大きいですよね。ちょっと上に相談してみましょう」
お兄さんは、くうみん達の目の前で電話をかけた。ちょっと横を向いて、「どうでしょうかねえ?」みたいな感じで誰かと話している。
「今、充電器や箱はありますか?」
「あります。ちゃんととっておいたの」
こんなことがあるとわかっていた訳ではないだろうが、充電器や箱を、まんま持って来ていた。
お兄さんが奥から持って来たのはガラケーだった。ガラホですらない、通話とメールだけができる、あのガラケーだった。
「これは4万円ちょっとするんですけどね、このスマホの代金と差し引きでいいと、上の許可を得たのでその差額だけ頂ければ」
「えっ、そうですか?!それは助かります!」
ということで、ガラケーとスマホの料金の差額660円を支払って、ガラケーに交換してもらうことにした。
毎月の支払いも、スマホでは5千円近くかかるが、このガラケーなら、基本料金が1200円で、あとは通話料。これなら安い。
くうみん母は変なところで新しもの好きなようだ。今回も、スマホならいろいろと面白そうだし、スマホ教室で教えてもらえば大丈夫だと思ったらしい。
しかし、このばあさんは、わからない所が分からないというレベルなので、スマホ教室で教えられて判るなんてありっこない。
くうみんは数学が苦手だった。数学が苦手なら、教えてもらえば簡単にできる、というものでもなかったことくらい、わかっている。しかし、このバアさんは、そんなことも判らない。
「これからは自分で何でも判断しないように!」
「だって、お前に迷惑をかけないようにと思って…」
「迷惑をかけないようにって、それがこんな風に二度手間になるんじゃないの!」
しかし、2カ月前より、かなり来ている。どこにって頭が。
3時に予約して帰るのは、5時近くになったのだが、くうみんは大雨が降っているのに気付いた。
「すごい雨だわ」
「雨が降るって言っていたわね」
くうみん母は、外の雨に全く気づかない。
「だから、降っているんだって」
「そうなの?」
外を見ても何もわかっていないようだ。自動ドアの外に出て、初めて大雨に気付いた。
「わあ、凄い雨!」
この後タクシーでホテルまで一緒に行ったんだけどね、なんかやっぱり変。
一緒にお風呂に行ったんだけど、動きがゆっくりなので、くうみんは先に脱衣所から風呂場に向かった。
「先に行ってるからね」
ところが待てど暮らせど風呂場に来ない。5分ほどして、やっと来た。
「ずいぶん遅かったけど、どうしたの?」
すると、なんと脱衣所から風呂場とは逆の方に向かってしまい、裸で外に出てしまったそうだ。お風呂場がない、と思っていたら、そこにいた女性に連れられて、風呂場に戻ったと言う。
「いや~、恥ずかしい」
こんなんでも羞恥心があるのかね。どんな男性も、見たくもないだろうが。そして、こんなことはくうみんにとってどうでもいい事だが。
一難去ってまた一難。エンドレス。今までずっとこうだった。
これからどんな尻拭いをさせられるのか、もはや恐怖でしかない。
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片道2時間以上かかる遠い道。交通費もバカにならない。
以前住んでいた実家よりも遠い所に何の相談もなく、移り住んでしまった、くうみん母。
「何でこんな勝手なことするのよ!!行くのが大変じゃない!!」
「ううん、来なくていいの。何でも一人でできるから。お葬式も来なくていい」
「そんな訳に行かないでしょ!!」
「ううん、いいの」
そして何かしでかした時はいつも言う。
「お前に迷惑をかけちゃいけないと思って…」
そのたびに尻拭いをさせられる。保険屋に騙されたときや、ヨシ伯母の相続問題、そして確定申告…
ショップの予約は午後3時なので、その日のうちに帰れなさそう。なのでまた宿を予約。余談だが、直前予約でえらく安く泊まれた。これだけは良かった。
午後3時、一緒にショップに行くと、少し待たされて、担当のお兄さんが接客してくれた。
「スマホをひと月前位に買ったらしいのですが、使いこなせないそうです。それに、お知らせ音が気になるらしいんです」
そばでくうみん母が、しきりに訴える。
「あのお知らせ音が鳴ると、ドキッとして、血圧が高くなるのよ!」
まず、買い替えするとなると、どれくらいの金額がかかるのか、試算してもらった。すると、4万円ちょっとかかるらしい。
「4万円!!」
くうみんは、だから慣れるように言うつもりだった。買い替えはお金がかかる。もうちょっと頑張ってみてはどうか?
しかし、お兄さんの反応は意外なものだった。
「スマホだと毎月の支払いが大きいですよね。ちょっと上に相談してみましょう」
お兄さんは、くうみん達の目の前で電話をかけた。ちょっと横を向いて、「どうでしょうかねえ?」みたいな感じで誰かと話している。
「今、充電器や箱はありますか?」
「あります。ちゃんととっておいたの」
こんなことがあるとわかっていた訳ではないだろうが、充電器や箱を、まんま持って来ていた。
お兄さんが奥から持って来たのはガラケーだった。ガラホですらない、通話とメールだけができる、あのガラケーだった。
「これは4万円ちょっとするんですけどね、このスマホの代金と差し引きでいいと、上の許可を得たのでその差額だけ頂ければ」
「えっ、そうですか?!それは助かります!」
ということで、ガラケーとスマホの料金の差額660円を支払って、ガラケーに交換してもらうことにした。
毎月の支払いも、スマホでは5千円近くかかるが、このガラケーなら、基本料金が1200円で、あとは通話料。これなら安い。
くうみん母は変なところで新しもの好きなようだ。今回も、スマホならいろいろと面白そうだし、スマホ教室で教えてもらえば大丈夫だと思ったらしい。
しかし、このばあさんは、わからない所が分からないというレベルなので、スマホ教室で教えられて判るなんてありっこない。
くうみんは数学が苦手だった。数学が苦手なら、教えてもらえば簡単にできる、というものでもなかったことくらい、わかっている。しかし、このバアさんは、そんなことも判らない。
「これからは自分で何でも判断しないように!」
「だって、お前に迷惑をかけないようにと思って…」
「迷惑をかけないようにって、それがこんな風に二度手間になるんじゃないの!」
しかし、2カ月前より、かなり来ている。どこにって頭が。
3時に予約して帰るのは、5時近くになったのだが、くうみんは大雨が降っているのに気付いた。
「すごい雨だわ」
「雨が降るって言っていたわね」
くうみん母は、外の雨に全く気づかない。
「だから、降っているんだって」
「そうなの?」
外を見ても何もわかっていないようだ。自動ドアの外に出て、初めて大雨に気付いた。
「わあ、凄い雨!」
この後タクシーでホテルまで一緒に行ったんだけどね、なんかやっぱり変。
一緒にお風呂に行ったんだけど、動きがゆっくりなので、くうみんは先に脱衣所から風呂場に向かった。
「先に行ってるからね」
ところが待てど暮らせど風呂場に来ない。5分ほどして、やっと来た。
「ずいぶん遅かったけど、どうしたの?」
すると、なんと脱衣所から風呂場とは逆の方に向かってしまい、裸で外に出てしまったそうだ。お風呂場がない、と思っていたら、そこにいた女性に連れられて、風呂場に戻ったと言う。
「いや~、恥ずかしい」
こんなんでも羞恥心があるのかね。どんな男性も、見たくもないだろうが。そして、こんなことはくうみんにとってどうでもいい事だが。
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