コウノトリの記事に思う

 コウノトリがサギと間違えられて撃たれて死んだと新聞にあった。5歳の雌で、子育て中だったそうだ。

 なんだか身につまされてね。いきなりおじさんが「いなくなって」しまった、あの日を思い出してしまったのだよ。
  
 お父さんコウノトリはその上、ヒナまで取られてしまった。コウノトリ保護のために仕方ないことではあるが、コウノトリのヒナは、6月には巣立つらしい。あともう一息だったのに。

 死別も悲しいが、生き別れも悲しい。



 お母さんがいなくなってしまった。残されたお父さんは思った。
「お母さんはどこに行ってしまったんだろう?いなくなってしまった。でも、子供がいるから頑張らなきゃ」

 ヒナはお母さんがいなくなったことに気付く。
「お父さん、お母さんはどこに行ったの?」
 お父さんはため息をつきながら答える。
「お父さんにもわからないんだよ」
 他のヒナが、お父さんにエサをねだる。
「お父さん!お腹空いた。ご飯ちょうだい」
「僕も!」
「私も!」
 お父さんは、ハッと我に返ってエサを探しに行く。天敵のカラスやヘビはいないだろうか?ヒナだけを残していくのは心配だが、そうも言っていられない。食べ盛りのヒナは一羽で、一日1キロ以上ものドジョウを食べる。
「わかった、ご飯を持ってくるから、ここで待っているんだよ」

 お父さんはそうやって何回も一人で餌を探しに行った。

 お母さんがいなくなって数日経った。今日もエサを探しに田んぼに行った。うまいこと小さめのドジョウがたくさんいた。子供にはあまり大きなドジョウは食べにくいので、小ぶりなものがいいのだ。子供たちも喜ぶことだろう。お父さんは、子供たちの喜ぶ顔を想像すると、思わず笑みがこぼれた。

 お母さんはいなくなってしまったけれど、そのうち帰ってくるかも知れない。お母さんがいない間、子供たちをしっかり育てなくては。

 巣に着いた。
 しかし、子供たちの姿が見えない。
「いったい、どうしたんだ?!」

 巣立つにはまだ早いはずだ。どこに行ったんだろう?こんなにおいしいご飯を持って来たのに。今までで一番おいしそうなのに。お父さんは一人途方に暮れて、口の中にしまっておいたエサを巣の中に落とした。

 お父さんは巣の中をかき分けて子供たちがいないか、捜してみた。
「お前たち、どこへ行ったんだ?!どこに隠れているんだ?!」

 いくら探しても、巣の中には子供たちの姿は見つからなかった。

 あたりには、羽が風に舞うだけだった。



 
 

 


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