河津に河津桜を見に行ったのだけれど
おじさんのお姉さん方である、金子銀子両姉さんとは月一くらい集まってランチに行く。今回はちょっと贅沢をして伊豆にでも行こうという話になった。
おじさんとよく行った旅館が第一候補として挙がったが、やはりシーズンなのでいつもよりちと高い。なので、その宿はまたの機会に、ということになって、網代温泉にある松風苑に行くことになった。
予約はくうみんが入れた。電車の時刻もくうみんが2つばかりの案を考えて、その中から選んだ。
「いや~、ついにこの日が来ましたね。旅館は安いけど、夕食は部屋食なんですよ」
「お風呂はどんな感じかしら?」
特急電車の中で昼ごはんであるサンドイッチをぱくつきながら、おしゃべりに興じる。
これがないと旅は始まらぬ
女性は配偶者が酒飲みだと自分も酒飲みになり、飲まない人だと飲まなくなるようだ。長女の金子姉さんはご主人が飲まないので飲まない人となり、銀子姉さんはご主人が飲む人なので飲む人となった。
銀子姉さんが飲むと言ってもくうみんとはレベルが違う。銀子姉さんは350mlのビールを一本持っていたが、それは夕食時用だという。
くうみんは家から7本の第3のビールを持って行ったが、これでは足りないと駅でもう1本買って行った。電車の中で2本飲み、あとどういう配分にするか、算段していた。おじさんもこんなことを考えていたのだろうと思うと、感無量だ。
網代に着くと、もうすでに送迎バスが来ていた。かなりの数のお客さんが乗り込んで行ったが、後で金子姉さんが言うには、
「年配の女性ばかりだったわよ」
とのこと。この3人組も同じく「年配の女性」なのであった。
3人だったからか、割とゆったりした部屋をあてがわれたが、格安プランだったので眺めは良くない。まあいいか。
さっそく庭を散策してから風呂に入る。この周りにはコンビニなどもない。10分ほど歩いた所にスーパーがあったが、ビールもこれだけあれば足りるだろう。
風呂上りにビールを飲んでいると、食事の支度をしに仲居さんが来た。ビールを隠す。
突き出し
刺身も新鮮
イセエビの鬼がラ焼き。旅館で出される鬼がラ焼きはパサパサのことが多いが、ここはふっくらジューシー。左にあるのは天ぷら
ポーク蒸し焼き。見た目は悪いが、おいしかった
翌日は河津まで行ったが、電車はさすがに混んでいた。
肝心の河津桜は、もう遅かった。かなり葉っぱが出ている。見ごろを過ぎたという点では、サクラのことに文句は言えない立場の3人組は、なぜか桜の方はあまり見ず、この時期だけに出ているのであろう店の方ばかり気になって仕方ない。
葉っぱが目立つサクラ。でも、この3人組には桜より気になるものがあった
店先にある試食品の数々。
くうみん達はさくら羊羹、サクラまんじゅうの試食をした。
「お茶が欲しいわねえ」
銀子姉さんが、まんじゅうをほおばりながら言う。口の中が甘くなったらしい。
「お茶ですか?あ、ありますよ!」
くうみんがお茶の試飲を見つけた。
河津の人は太っ腹なのか試食品は丸ごと一つとか、結構な量を出してくれる。
金子姉さんは、甘いものが好きなので本気で買おうと思っていたようだが、試食で満足してしまった。くうみんはわさびの茎が気になったが、金子姉さんが、
「あれは高いわ!」
というのでやめた。どこかの道の駅でもっと安く売っていたとのこと。そこで買うことはないにしても、「高い」と言われると買う気が失せた。
帰りの電車はうまいこと座れた。若いとは言えない3人組、立って帰るのはあまりにも酷だ。
リゾート21は普通乗車券で乗れる
遠くからならボロが出ないのは桜も人間も同じ
まだイケてるさくら
去年河津に行ったときは、2月中旬でまだ咲いていなかった。今回は3月初めではや葉ザクラ。桜の季節は難しい。
しかし、くうみんにはそんなことはどうでもいいのだ。電車の中でビールを飲み、旅館で温泉に浸かってまたビール。
そして今回くうみんは、おじさん家の意外な家風を知ることになった。くうみんがおじさんと結婚した時は明治生まれのしっかり者のばあちゃんが君臨していたのだが、この方は武家出身だったそうだ。くうみんから見ても、なかなか立派なばあちゃんだった。
その武家風の躾には、意外なものを感じた。そしておじさん家の足跡をしるしたノートの中に、とんでもないものがあるのを思い出した。
その話はまた今度。
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おじさんとよく行った旅館が第一候補として挙がったが、やはりシーズンなのでいつもよりちと高い。なので、その宿はまたの機会に、ということになって、網代温泉にある松風苑に行くことになった。
予約はくうみんが入れた。電車の時刻もくうみんが2つばかりの案を考えて、その中から選んだ。
「いや~、ついにこの日が来ましたね。旅館は安いけど、夕食は部屋食なんですよ」
「お風呂はどんな感じかしら?」
特急電車の中で昼ごはんであるサンドイッチをぱくつきながら、おしゃべりに興じる。
これがないと旅は始まらぬ
女性は配偶者が酒飲みだと自分も酒飲みになり、飲まない人だと飲まなくなるようだ。長女の金子姉さんはご主人が飲まないので飲まない人となり、銀子姉さんはご主人が飲む人なので飲む人となった。
銀子姉さんが飲むと言ってもくうみんとはレベルが違う。銀子姉さんは350mlのビールを一本持っていたが、それは夕食時用だという。
くうみんは家から7本の第3のビールを持って行ったが、これでは足りないと駅でもう1本買って行った。電車の中で2本飲み、あとどういう配分にするか、算段していた。おじさんもこんなことを考えていたのだろうと思うと、感無量だ。
網代に着くと、もうすでに送迎バスが来ていた。かなりの数のお客さんが乗り込んで行ったが、後で金子姉さんが言うには、
「年配の女性ばかりだったわよ」
とのこと。この3人組も同じく「年配の女性」なのであった。
3人だったからか、割とゆったりした部屋をあてがわれたが、格安プランだったので眺めは良くない。まあいいか。
さっそく庭を散策してから風呂に入る。この周りにはコンビニなどもない。10分ほど歩いた所にスーパーがあったが、ビールもこれだけあれば足りるだろう。
風呂上りにビールを飲んでいると、食事の支度をしに仲居さんが来た。ビールを隠す。
突き出し
刺身も新鮮
イセエビの鬼がラ焼き。旅館で出される鬼がラ焼きはパサパサのことが多いが、ここはふっくらジューシー。左にあるのは天ぷら
ポーク蒸し焼き。見た目は悪いが、おいしかった
翌日は河津まで行ったが、電車はさすがに混んでいた。
肝心の河津桜は、もう遅かった。かなり葉っぱが出ている。見ごろを過ぎたという点では、サクラのことに文句は言えない立場の3人組は、なぜか桜の方はあまり見ず、この時期だけに出ているのであろう店の方ばかり気になって仕方ない。
葉っぱが目立つサクラ。でも、この3人組には桜より気になるものがあった
店先にある試食品の数々。
くうみん達はさくら羊羹、サクラまんじゅうの試食をした。
「お茶が欲しいわねえ」
銀子姉さんが、まんじゅうをほおばりながら言う。口の中が甘くなったらしい。
「お茶ですか?あ、ありますよ!」
くうみんがお茶の試飲を見つけた。
河津の人は太っ腹なのか試食品は丸ごと一つとか、結構な量を出してくれる。
金子姉さんは、甘いものが好きなので本気で買おうと思っていたようだが、試食で満足してしまった。くうみんはわさびの茎が気になったが、金子姉さんが、
「あれは高いわ!」
というのでやめた。どこかの道の駅でもっと安く売っていたとのこと。そこで買うことはないにしても、「高い」と言われると買う気が失せた。
帰りの電車はうまいこと座れた。若いとは言えない3人組、立って帰るのはあまりにも酷だ。
リゾート21は普通乗車券で乗れる
遠くからならボロが出ないのは桜も人間も同じ
まだイケてるさくら
去年河津に行ったときは、2月中旬でまだ咲いていなかった。今回は3月初めではや葉ザクラ。桜の季節は難しい。
しかし、くうみんにはそんなことはどうでもいいのだ。電車の中でビールを飲み、旅館で温泉に浸かってまたビール。
そして今回くうみんは、おじさん家の意外な家風を知ることになった。くうみんがおじさんと結婚した時は明治生まれのしっかり者のばあちゃんが君臨していたのだが、この方は武家出身だったそうだ。くうみんから見ても、なかなか立派なばあちゃんだった。
その武家風の躾には、意外なものを感じた。そしておじさん家の足跡をしるしたノートの中に、とんでもないものがあるのを思い出した。
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