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またまた事件発生!金なら返さん!

 いつもは月一くらいで、様子見を兼ねてどこかに宿を取るのだが、くうみんは母が、自分の日記帳を読んだと思っていたので、声をかけないでいた。

 どうも人の日記を読んだり、手紙を読んだり、机の中をあさったりするのは悪いこととは思っていないようだ。
くうみんが、学生時代に書いていた日記をゴミ箱をあさって手に入れたのを、20年以上も毎日読んでいたという。

「あんまりかわいそうなので、毎日読んでは泣いているの」
 ゲッ!勘弁してくれ!そう思って取り返した。
「やめてよ恥ずかしい!」
「気にすることないじゃないかね♡」

「お前の書いたあのマンガ、面白いね」
 など、机の中をあさらなければわからないことまでシレッとして言う。これは透視能力があった訳ではあるまい。

 いつか言ってやる!日記の盗み見と言うのは、デバカメ、盗撮と同じ卑しい行為なのだと!

 な~んて思っていると、ついに向こうから連絡が来た。
「旅館に泊まるのはもったいないから、お前の家に泊めてよ」

「あのさ~。来るのはいいけどね、私の日記、盗み読みするのはやめてくれる?」
 当然、いつものように「気にすることないでしょ~」と言うと思っていた。しかし違った。

「読んでないよ、そんなもの!!」
「えっ、でも位置が違っていたんだもの」
「そんな言いがかりをつけて、私を避けようとしているのね!!」

 偉い剣幕で怒り始めた。そう言われると、自分の間違いだったかと言う気もしてきた。見た訳じゃないし、勘違いかも?
「え~っと、そう、じゃ、これは私の思い違いかしら?でもね、以前、お母さんは私の日記を20年以上も持っていて、繰り返し読んでいたっていう前科があるのよ。だからまたそうなのかと思ってしまったの」
 くうみんは急激にトーンダウンした。
「知らないわよ、そんなの!」
 しかし、ちゃんと日記を取り返した。これは紛れもない事実。

「いいわよ、どうせ私は厄介者、一緒に居たくないんでしょ!足手まといの邪魔ものなんでしょ!だからそんな言いがかりをつけるのよね!」
「そんなこと言ってないでしょう。だから私の勘違いだって言ったでしょう。謝ります、ごめんなさい」

くうみん母は、怒りで声を上ずらせ、くうみんに罵詈雑言を浴びせかけた。ボケババアが、良くこれだけ罵る語彙があると、感心するほどだ。
「そうだ、お前には金がかかっているんだ。大学にも行かせたし、自動車の教習所にも通わせただろう?なんだかんだで1千万はかかっているだろうから、1千万、返しなさい!」
「…」

 これは、加藤登紀子のお母さんが言ったことだそうだ。加藤登紀子がおかあさんに反発したら、こう言われた。
「そんなに私が嫌ならここを出て行きなさい。ただし、うちのお金で買ったものは全部置いて行きなさい」
 加藤登紀子は、自分の着ているものも、持ち物もすべて家のお金で買ったものだと気付いて、それ以、来親の言うことを聞くのは仕方ないと思ったという。
 
 それを今言うか?!
 しかし、こちらまで声を荒げるのはなんだかな。ここはしおらしくしておくのが得策だと、ずるいくうみんは思った。

 「これからはおじさんのお姉さん達とだけ、仲良くすればいいわ。ああ~!!私の人生最大の失敗は子供を産んだこと!子どもなんか産むんじゃなかった!!」
 これは子供の頃から、よく聞かされた。でも、今はもうこんなに育ちすぎるほど育ってしまったし…ていうか、ばあばと言われる年になってしまったし… 
「…生まれてきてごめんなさい」
 そう言ってくうみんは静かに受話器を置いた。

 しかし、おっかあ、盗み読みは悪いことだとわかっていたんだ。「気にすることないじゃないかね♡」とか言っていたのは何だったのか?「お前の書いたあのマンガ…」と言っていたのはついポロっと出てしまっただけなのか?
 すぐに謝りの電話を入れたところで、こじれるだけだろう。しばらく放っておこう。
 すると、不思議な解放感がこみ上げてきた。

 山に行こう。月末は天気が悪そうだから、10月中頃にでも。だとしたら、あそこの山域に行きたいな。今度東京に出た時に、ヘルメットを買って来よう。ドカヘルじゃなくって山岳用のかっこいいの。そうそう、ストックのバスケット(ストックの先に付いている丸いわっか)も買ってきたい。
 山がだめそうなら、どこかに一人で一泊してもいいな。

 とにかくしばらく羽を伸ばそう。


 
 PS.
 いつもなら2、3日後に怒りの手紙が来るはずだった。
「もう放っておいてくれ!来なくていい!こっちはこっちでやっている!他人さまの方が役に立つ!」
 などと言うような。
 しかし、1週間ほど経った今でも届かない。新住所がわからないからなのか、言い過ぎたと思ったのか、それとも忘れてしまったのか?
 
 どうでもいいが、金なら返さん!もう時効だ!




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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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