眠れない夜のために クーラーがあるのは幸せだけど…

 高校生の時、くうみんは文学少女だった。学校の図書館で片っ端から本を読んだ。しかし、ほとんどなにを読んだか覚えていない。
 結構難しい本も読んだ。ヒルティの幸福論や、眠れない夜のために、など。ヒルティ氏は自分が不眠症だったらしい。

 辛いだろうな。くうみんも寝付けないときがあった。実家の2階で寝るようになってから。

 くうみんの実家では、ほとんどすべての部屋にクーラーが付いていたが、くうみんの部屋だけはクーラーがついていなかった。屋根は普通の瓦葺きの下の方を、銅板で葺いた「奴葺き(やっこぶき)」と言うくうみん母のリクエストした贅沢なものだそうだ。その瓦と銅版が相乗効果を上げて、熱気が2階のくうみんの部屋を襲った。

 夏の寝苦しいこと。とてもベッドで寝ていられなくて、窓の近くで床に直接寝てみたり、何とか眠れるように工夫した。就職が決まって、ヨシ伯母の所に居候するようになったので、その寝苦しさからやっと逃れることができた。

 その部屋を弟が使うことになったようだが、夏の暑さに、その部屋で寝られないと弟が文句を言うと、すぐにクーラーが付けられたという。

 ひどい!私があれほどクーラーを付けてくれと言ったのに、くうみん母は、
「あそこはつけられないのよ」
 と、付けてくれなかった。弟が言うとすぐにクーラーを付けるなんて、私っていったい何なの?
 その上、
「良くあんなところで寝ていたわね」
 などと言う。

 あきれてものが言えない。ここで眠らなくてはならないとすれば、どうにか寝るしかないではないか。やればできてしまう、これって考えてみると悲しいことだ。

 介護なんかでも、要介護5の老人をお母さんが必至で介護しているのを、良くできるなあと思うことがあるけど、それだってどうにかしないと、と思うとできてしまう。悲しいことに。
「ほら、できるじゃないか!!」
 他の家族は手伝いもしないで言っていたりして。

 トホホ、だ。今となってはこのくうみんを粗末にして済まないと思っている…訳はない。人間都合の悪いことはすぐに忘れてしまうもの。特にくうみん母のような勝手気ままな人間は。

 しかし、今更どうにもならない。

 今は幸せ、クーラーを付けたいときに付けられる。いつも快適に眠ることができる。

 そう、おじさんがいないことを除けば。

 たまに夜中に目が覚める。今、何時だろうと時計を見る。

 そして…

 すぐそこにいたはずなのに。おじさん…





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