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走りたい。もう一度。

 くうみんは去年の冬くらいから足腰の不調に悩んでいる。
 どこが痛いのかと言われれば、太ももの裏側だ。マッサージや鍼をすると、その時は良くなるが、すぐに元の状態に戻ってしまう。近くの整骨院で鍼、マッサージを数カ月続けたが、一向に良くならない。整骨院の先生によると、お尻のインナーマッスルである梨状筋を痛めたのだろうとの見立てだった。
 病院でMRI画像を撮ると、異常なし、筋肉が硬くなっているので、ストレッチをするようにと言われた。医者からは、
「運動不足です」
 なんて、見当違いのことを言われた。服着た上からじゃこの筋肉は見えない。ただのガリガリに痩せたおばさんだ。
「運動はしていましたが、痛いから休んでいるんです。どうしてよくならないのでしょう?」
 真剣に聞いているのに医者は、
「さあ、どうしてでしょうねえ?」
 自分の胸に聞いてみな、とでもいうように、ニヤニヤしながら答えるだけだ。やっぱり医者は嫌いだ。

 今はPCがある。PC検索すると、3カ月以上やってよくならないのであれば、その治療はもうやめた方がいいとのこと。

 梨状筋のストレッチは、椅子に腰かけて痛い方の足首あたりを、健常な太ももの上に置いて上体を倒すようにして行う。お尻の肉が伸びるのがわかる。
 床にテニスボールのようなボールを置いて、その上にお尻が乗るように寝っ転がってグリグリマッサージをすると、梨状筋がほぐれるというので、毎日するようにした。はじめは痛かったけど、だんだん痛くなくなって行く。

 でも、それだけの話で一向に症状は良くならない。
 
 くうみんももう年だしな。スポーツはいつかは引退するときが来る。体を動かすのはもう終わりにして、ライティングの方に力を入れれば、金も稼げて一石二鳥。

 でもなあ、最後の悪あがき、してみたいじゃないか。もうこうなったら、またあそこに頼んでみようか…

 最近、
「あの人は本当に信用できるの?」
 と思っている治療家がいる。以前は全面的に信用していたが、今はちょっと「?」と思うようになったあの人。最近、おじさんに問うている。
「ねえ、おじさん、あの人はいい人なの?」

 くうみんはしかし、藁にもすがる思いでその治療家に電話を掛けてみた。
「今、先生は手が離せません。折り返しお電話いたします」
「そうですか、よろしくお願いします」

 連絡を待ったが、連絡は来なかった。

 どうしよう?これも「そこはダメ」と言う天の声、おじさんの導きか?

 その日、走ることのできないくうみんは、フィットネスクラブに行って水中ウォーキングをして、風呂に向かった。すると、ランニングサークルで知り合った一人のオバを見つけた。
「あら、久しぶり」

 彼女は今では、ここのランニングサークルではなく、別のランニングクラブに所属したらしい。膝の具合が悪いと言ってもう2年も走っていないと言っていたっけ。
「膝はどうですか?」
「それがね」

 彼女は名医と言われる先生を訪ねまわった。しかし、いい結果は出なかった。諦めかけていた時に、新しく入ったランニングクラブで勧められた治療院に通ったら、かなり改善されたという。
「正座ができなかったのが、今ではできるようになったのよ。もうすぐ走れそう」
「本当に?!」 
 実は私も梨状筋で悩んでいる。その先生を教えて欲しい。そう言って、その治療院を教えてもらった。

 完全予約制で紹介者が必要らしい。保険も利かない。
 すぐに電話して予約を入れた。近所という訳ではなく、電車に乗るから交通費もかかる。だけど、今までの治療では何も良くならなかった。今までいくら支払っただろう?ドブに捨てたようなものと言ったら、お世話になった先生に失礼だろうか。

 予約した日に治療院に向かった。
 治療は全身に鍼、灸をするもので、パンツ一丁の素っ裸の上にバスタオルを載せた姿で行う。この痛みを何とかしたい。恰好なんてどうでもいい。

 マッサージをすると、時々すごく痛いところがある。
「はぁ~~~!!そこ痛いです!!」
「ここが痛いのは、肝臓が悪いの」
 う~ん、身に覚えあり。

 くうみんは左側の梨状筋に異常があるのだが、右のくるぶしは何ともないのに、左のくるぶしをマッサージすると、激痛が走った。
「はぁ~~~!そこ、痛いです!!」
 さっきの肝臓より痛い。涙が出るほど痛い。
「左側に異常があるから痛いんですよ」

 施術は約1時間かかった。体が軽くなったが、直後に軽くなるのは町の整骨院でも同じ。
「明日の朝、体がどうなっているか、見てくださいね」
 はい、わかりました。先生がいいというまでは運動はやめること、ストレッチもあまり追い込まないように。いくつか注意を受けて、その日は終わり。

 いつもなら水中ウォーキングでもするところだが、フィットネスクラブでは風呂だけにした。

そして翌朝…まだよくわからん。 
 
 癌になって抗がん剤のおかげで筋肉や心肺機能に大きな影響を受けた。

 医者が「影響のない程度に行う」と言うのは「死なない程度に行う」と言う意味だと知ったとき、目の前が真っ暗になる思いだった。

 それでも諦め切れずにチャレンジ…
 周りに癌サバイバーのランナー、先生になる人はいなかった。自分でインナーから工夫した。
 練習法も、自分なりに工夫をして少しでも心肺機能を上げることから始めた。

 今、くうみんの前に立ちはだかっているのは老化。若い人と同じでなくていい、それなりに走れればいい。

 ダメでもともと。

 走りたい。もう一度。

 
 


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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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