お彼岸に墓参り

 お墓に魂が宿っている訳ない。魂が宿っているのはくうみんのいるこの家で、この祭壇。

 そう思っていたが、友達が、「そうだけど、墓参りも大事だよ」というので、思い立って20日、お彼岸におじさんの遺骨のある墓に行った。
 なんだか不思議だった。おじさん家の墓は、東京の郊外にあって、行くのに1時間半くらいかかる。でも、待ち時間がほとんどなくてスムーズだった。

 電車の乗り継ぎはもとより、バスの連絡も良かった。バス停もうろ覚えで、
「ナントカ通り郵便局行きのバスはどこですか?」
 というとんでもない聞き方をしても、
「あのバスです」
 とちゃんと通じたし、出て行きそうなそのバスに
「待って~~~」
 と大騒ぎして走り寄ったら、ちゃんと止まってくれたりした。

 先日めろんさんと下呂温泉に行ったとき、
「絶対いるよね」
「うん、いる」
 と二人で話し合った。今までちょくちょく道で会っていた嫌な奴と全く会わなくなったとか、そぐそばに気配を感じるとか。きっと守ってくれているに違いない。
 くうみんが一人旅できるのも、おじさんがいるのがわかるからだ。そうでなければ行く気はしない。

 なんだか、電車やバスで移動しているとき、おじさんがすぐ横に立っているような気がしてならなかったし、そしてこの連絡の良さ。やっぱりおじさんがここにいるんだ。目に見えないだけで。

 いや、やっぱり目に見えた方がいいな。魂だけでもいいけど、できればこの現世の身で。そう、生きているおじさんが一番なんだ。でも、これはかなわぬ願い。

 霊園の近くの花屋さんで花束を2束買った。霊園事務所に顔を出したけど、誰もいなかったのでそのまま墓に行く。箒と塵取りと、雑巾とスポンジ、そしてひしゃくとバケツを手に持つ。ここは掃除道具が完備なので手ぶらで来ることができる。

 墓参りの作法としてまず掃除。去年お墓を改装したから、雑草もほとんどなく、きれい。だけど鳥がフンをしていた。許せん、このバカ鳥が!!フンに水をかけて取りやすくし、ティッシュで拭った。

 スポンジで洗って水をかけ、最後に雑巾で拭いて終わり。キリスト教式なので線香はない。墓前にしゃがんで手を合わせる。

おじさん家の墓


 おじさんのお父さんの隣はお母さんの名前を彫るようにスペースが空いている。おじさんの次の所はくうみんの名前が入るんだけど、それで1枚目の墓碑は最後。
 まるでおじさんとくうみんでこの家は終わりというのが、はじめからわかっていたみたいだ。

墓碑

 2枚目の墓碑にはお父さんの弟であるおじさんの叔父さんの名前が彫ってある。この叔父さんの子が、この墓を継いでくれるという話が持ち上がっている。できればそうして欲しい。
 でも、無理は言わない。



 私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風 に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています.(千の風になって)



 骨がどうなっても、魂はおじさんとともにあればそれでいい。

 でも、今日の連絡の良さは不思議だな。なんとなく別れづらくて、墓の前でかなり長い間ただずんでいたけど、帰りのバスも全く待つことなく乗れた。

 不思議不思議の一日でした。



 

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