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読書の秋 教養の秋 源氏物語 末摘花くうみん流

 先日は芸術と食欲の秋でした。秋と言えば読書の秋です。

 くうみんは特売スーパーだけでなく、図書館にもよく出没します。
 そこで「源氏物語」の文庫本を発見しました。与謝野晶子訳。現代語になっているから、普通の本と同じように読めますが、考え方、風俗が違います。
 光源氏と言うのは今で言えば浮気者の上、小さな女の子を色の目で見るような変態ではないかと思うのですが、当時は色好みと言うのは風流の一つだったようです。

 美女ばかり登場の源氏物語ですが、ただ一人、ブスがいます。末摘花です。末摘花はサフランのことだそうです。

 源氏物語 末摘花 くうみんアレンジ版
 
 「かわいい子いないかな~」
 源治君はぼやきました。手持ちの女はたくさんいるけど、みんな気が強くてたまらん。六条の御息所なんて都会的できれいだと思ったけど、会うと疲れるわ。ほんと勘弁。
 もっとバカでいいから、癒し系ののんびりした子、いないかな~。

 そんな時に常陸の太守であった親王の息女の噂を聞きつけました。
「すごくおっとりしたいい女らしいぜ」
 友達から噂を聞きつけ、スケベ心に火がついた源治君。その姫の住んでいる屋敷を探し出し、女房に話を付けて、さっそく会うことになりました。

「ね~、どんな姫様?お琴がうまいって聞いたけど」
「そ、そうですわね、ちょっと弾いていただきましょうか?」
 出てきた女房は、なぜか落ち着かずに目をきょろきょろさせています。御簾の後ろの方で、ごそごそ物音がし、
「さ、姫様、早く!」など、小声で話しあっているのが聞こえました。

 一瞬シーンとなり、「びよんびよん」つま弾くのが聞こえます。
「は~?」
そんなに上手とも思えなかったけれど、琴は最近中国から輸入され始めたばかりの楽器だし、なんといってもええとこのお嬢のすること、まあこんなものかな、と思えました。

「私のマイハニー、かわいい人、私のこの思いに応えておくれ」
「…」
「好きだってば!」
「…」
「愛しているってば!」
「…」

 何を言っても答えてくれません。隣にいる女房に
「ちょっと、女房さん、いくらなんでもタカビーじゃないの?!」
「あ~、そっかな~、あはは!」
 女房は冬なのに汗だくです。

 一方屋敷の中では、女房達が焦りの汗を流していました。
「姫様、何かお答えください!」
「何か言わないとまずいですよ~」
「だ、だって私、こんな状況初めてだもの、男の人と話すの初めてだもの」
 姫はひたすらおろおろしています。
「歌詠み係の子、どこ行ったの?」
 一応貴族の館、そういう心得のある召使も採用してあります。名をくうみんの命婦と言います。
「今、トイレいってる…あ、帰ってきた!」
「ごめ~ん、遅くなって。最近近くてさ~」
「どうでもいいからそんなこと!」
「今大変な所なのよ、源治の君がこんなこと言って…」
「うん、わかった」
そう言うと歌詠み係くうみんの命婦は、鼻をつまんで姫の声色をまねて応えます。
「私だって好き好き。あなたに会いたいわ~ん。」

「おお!姫がやっと答えてくれたぞ!しかしなんだか声がおかしいような…」
「ひ、姫は風邪気味ですから…」
「そうか、風邪うつってもいいから会わせてくれよ」

 源治君の強い押しの一手にとうとう姫に会うことを許されました。
「どへへ、うまく行ったぜ」
部屋の中は真っ暗で鼻をつままれたってわからないくらいです。源治君は楽天倫理委員会もものともせず、張り切ってことを遂行しました。

「ここまでのプロセスが面白いんだけどな~、あまり簡単なのもな~」
など、おバカなことを考えて姫の方を見ました。月明かりの中、皮のちゃんちゃんこを着た姫が浮かび上がります。
「なんで皮のちゃんちゃんこなんか着るんだよ。かっこ悪い」
 そう思いながら姫の顔を見ると、
「ひ、ひえ~~~~!!」
 なんというブス!鼻が長くて垂れていて、おまけに赤鼻!おでこは、でこっぱち、こんなブスとやっちまったのか!

「ちょ、ちょっと用事を思い出した」
 源治君は身支度もろくにせず、烏帽子はズレズレ、ちち丸出しと言う、放射線直前で逃げたsashidakさんを彷彿とさせる格好で逃げるように出ていきました。

 そのうち姫の方から贈り物が届けられました。
「なんじゃこりゃ」
 すごく趣味の悪いえんじ色の着物です。源治君はあてつけがましく超高級着物を送り返しました。
 
 鼻の頭に赤い絵の具をつけて。小さな若紫に言います。
「おじさんの鼻、こんなんなっちゃったよ、どうしよう」
「いや、そんなのかっこ悪い」
「ウソぴょん。これは絵具だよ、ワハハ…」
 そんなこと言いながらいやらしい目で若紫を見る源治君でありました。

 数年がたちました。源治君は酒を飲んだ後ひとり散歩をしていると、なんだか見覚えのある屋敷の前につきました。
「ひえ~、ボロボロじゃん。あ、これって、あの不細工な姫の家!」
 中に入ってみると、もっとボロボロで人が住んでいるようには見えません。

「悪いことしたな、しかし、もういないんじゃどうすることの出来ねえよな。いれば援助もしようってもんだが」
 さすがにバツが悪く、自分の悪さをごまかしながら、スルメをかじりつつ進んでいくと、ぼっと明るい場所があります。
「誰かいるのか?」
 不思議に思ってさらに進むと、中に人が何人かいます。女のようです。
「ま、まさか、あの姫が…」
 不気味に思いましたが姫を呼んでみました。
「ひめ~、僕だけど」
 よろよろと一人の立つ影が見えました。がたがたと戸を跳ね上げると、年老いた女房です。
「ほえっ、源治の君ではありまふぇんか?」
 部屋の中に招じ入れられました。

 姫が言いました。
「わ~た~し~、し~ん~じ~て~い~ま~し~た~」
「ひ、ひえ~!!」
 不覚にも叫んでしまいました。まるで墓の中から手がにょきっと出て、掴まれたような気がしたからです。

「あっ、あの~、忘れた訳じゃないんだ、忙しくて。ほらいろいろあるじゃん?でへへ~」
 一生懸命取り繕いましたが、そんな必要もありません。姫は忠犬ハチ公並みのおつむだし、女房達はどこにも就職先がなかった年寄りだけです。
「ふえ~ん、源治の君さま~。信じてた~」
姫は情けなく泣くばかりでした。

「ちっ、仕方ない。乗りかかった船だ。こいつも俺の扶養家族にしよう。しかたない」
源治君はそう決心しました。
 これも身から出た錆ですが、何、領地の民百姓からの税金、7割ぶんどっていたものを8割ぶんどればいいだけの話、経済的には大したことはありません。

 次第に美しく成長する若紫をいつ食ってしまおうかと、よだれを垂らしながら、源治君の女遍歴は続くのでした。
                   
                                 末摘花終わり


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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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