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夏の悲しい思い出 楽しみにしていたプールが…

 夏になると思い出すのははるかな尾瀬ばかりではありません。くうみんには子供の頃の悲しい思い出があるのです。

 夏になると、今でもあると思いますがくうみんが当時住んでいたところでは地区ごとに行事がありました。
 子供向けのことですから、たいしたことではありません。すいか割り大会だったり、花火大会、近くのプールに連れて行ってもらう。そんなところです。
 その年は、バスで10分ばかり行った所にあるプールに、みんなで行くことになっていました。

 子供はプールが大好き。くうみんもその例外ではありませんでした。くうみんはその日を指折り数えて楽しみにしていました。
 あと何日だろう。今度の日曜日だから、もうすぐだ!起きると考え、寝る前にも考え、それはそれは楽しみにしていたのです。

 とうとうその日がやってきました。水着は、家から着て行きます。その上にスカートをはいて、浮き輪を持って、着替えのパンツもビニールの袋に入れました。
 みんなが集まっているところに行って、友達とニコニコしながら引率のおばさんを待ちました。

 おばさんが来ました。
「それじゃ、行くよ~」
 そのまま行こうとしたとき、おばさんの目がくうみんを捉えました。
「あら、くうみんちゃん、あなたは申し込みをしていないから行けないのよ」
「えっ。お父さんは申し込んでないの?」
「ないわ。他は…皆申し込んでるね」
そういうと、おばさんはみんなを連れて行ってしまいました。

 みんなが行くのをくうみんはビニール袋を持って見ていました。水着も着ているのに。着替えも自分で準備したのに。
 お父さんが申し込んでいないなんて嘘だ。ちゃんと頼んでおいたのに。おばさんが意地悪しているに違いない。

 家にすぐ戻って、おとうさんに確認しよう。

 お父さんはたたみの上で寝ていました。くうみんはおとうさんをゆさゆさゆすって起こします。
「おとうさん!今日のプール、申し込んでくれたでしょ?」
 お父さんは、しばらく寝ぼけ眼でいました。なんのことか判らないようです。やっと事情が飲み込めたようで、答えました。
「面倒だから、申し込んでいないよ」
「えっ!」

 そのあとくうみんは泣き崩れ、大騒ぎしました。あんなに楽しみにしていたのに。皆と一緒に行きたかったのに。
「おとうさんのうそつき!」
 水着を着たまま、ずっと泣き叫んでいました。
 今頃皆、プールで泳いでる!今頃は、かき氷を買ってもらって食べている!その夜は、なきながら眠りについたのを今でも憶えています。

 そばに妹のマキロンもいたはずですが、マキロンの姿は記憶にありません。あまりの悲しさに、記憶が欠落しているのかも知れません。それくらい悲しかったのです。

 その思い出があるから、今の国民バカンス党、くうみんになったのかも知れません。結構旅行には行っているほうだと思います。今は幸せ。

 今の子は、件の東京湾クルーズはおろか、ハワイやグァムに連れて行ってもらうことさえあって羨ましいなあと思います。
 けれど、くうみんがあの夏、プールを楽しみにしていたのと比べて、満足度ってどうなのかとも思うのです。
 年に何回もないこと、希少なことだからこそ、どんなお手軽な行事でも楽しい。

 悲しい思い出ではあるけれど、それだけ楽しみにしていた行事があったと言うことは、すばらしい思い出だとも言えるかもしれません。


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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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