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悲しむ暇なんざない! 父の死後の世界 その4

 これで終わりと思ったあなた、ちっ、ちっ、ちっ。まだ甘い。 これはくうみんだけの問題ではないと思います。何かといえば…
 墓です。墓がないんじゃぁ~!!

 くうみん父の実家の墓がないことはありません。しかし、父は繰り返すようですが変わり者だったので埋葬するに当たって親戚筋からあまり良い返事はありませんでした。
 埋葬は許す。しかし勝手にしろ。わしらは立ち会わん。
「そうですか…」
 墓はくうみんの住んでいる所から電車で2時間以上かかるところにあります。そこに遠慮しいしい、墓参りするのは難儀なことです。

「どうしよう…」
 散骨を考えました。海に流すのです。と言っても勝手に流す訳に行かないので専門の業者に頼みます。インターネットで検索すると、たくさんの葬儀屋さんがヒットしました。
「メモリアクルーズ株式会社…東京湾コースかぁ。これが一番安いかな」

「3人まで乗船で8万4千円だって。マキロンとマリリン(妹の子供)と、私の3人乗船でいいんじゃない?業者にまいてもらえば3万1千500円らしいけど、これじゃぁね」
 妹のマキロンに言いました。
「えっ、そんなことできないよ!」
「何でよ?先祖代々の墓には入れないし、お金もないのよ」
 この頃のくうみんは骨をなんとかしなければ、と言う思いが強くて、どうにかできればどうでもいいと思っていました。
 しかしマキロンは、どうしても骨を海に流すのは受け入れられないと言うので、またまたネット検索したところ、2駅ほど離れた所にある納骨堂をみつけて、そこはどうかということになりました。
「浄土宗か…宗派問わず…うちは天台宗とか言っていたけど、これならオッケーだ」
「戒名はどうするの?」
マキロンが言います。
「ないわよ、そんなの」
「そんな、せめて普通にしてあげようよ」
おっ、ほっ、ほっ!!そう笑うと、言いました。
「何言ってるの、マキロン。これ、普通じゃないの?!」
「えっ、これ、普通かぁ」
 戒名なんて日本だけの習慣です。仏教本場のインドでも、聞いたことがありません。
 その納骨堂なら、埋葬料20万円で、10年間は納骨堂に納められ、そのあとは合葬されると言うことです。くうみんが死んでも、これならお寺さんがまつってくれます。
 ここがいい、くうみんはそこに父遺骨を預けることにしました。
 納骨当日、おじさん(主人のこと)が、はじめてお骨を持ってくれました。
「わっ、こんなに重いの、お前持っていたのかよ!」
「何よ、仕方ないじゃない」
「こんなに重いんじゃ、やっていられないな。どうにかならないかなあ」
 なにやら考え込んでいます。またしようもないことを企んでるな。
 そう、主人の父ももうそろそろ、なのです。

 納骨のときくらいは、と思い、5万円ナリを出して、坊さんにお経を上げてもらいました。ここは値段をはっきりと明示してあって、良心的だと思います。これだけのことで5万円かあ、とも思いましたけど。

 それからくうみんは月に一度、自転車に乗って線香、チャッカマン持参で金魚の墓を子供が守るように墓参りすることになります。
 これでいいよね、お父さん。


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悲しむ暇なんぞない! 父の死後の世界その3

 役所、銀行、年金の手続きが一段落付いたら今度は片付けです。年寄りの部屋というのは長年のガラクタが山積みになっていますから捨てるには業者さんを頼むのですが2社の業者さんに直接見てもらって見積もりを出し、良心的と思われるほうを選びました。

 日時を指定すると、その間に家捜しです。業者さんはただ捨てるだけになりますから、その前にとっておきたいものを探します。安い物では洗剤や鍋などの日用品、若干のお金、残高があるかどうかわからない通帳の束、家の権利証…
 そういったものを妹のマキロンの運転する車で何日か掛けて持ち帰ります。車の中ではおしゃべりに花を咲かせます。あまり仲の良い姉妹とは言えないのだけれど、女はおしゃべりです。

 たんすの中を探っていると、A4の封筒が出てきました。何か入っているので中を見ると、女性の写真が何枚か出てきました。数人います。
 何と驚いたことにその中には若い頃の母の写真もありました。
「ちょっと、マキロン、これ見てよ」
「わっ、今まで付き合った女の写真じゃないの?あっ、お母さんのもある!」
 母は大変きれいな人でした。写真の中の女性の中でも一番の美人です。(今はその片鱗もありません。美とは儚いもの)

 くうみん父と母はくうみんたちが子供の頃、離婚したのです。くうみん達は父の元に引き取られました。
「わしらは捨てられたのぢゃ」
父はそう言っていましたが、子供心になさけないおやぢだと思いました。
 母はさっさと再婚を果たし、別の家庭を持ちました。
 くうみん達は割と母の家とも行き来があり、母の方は
「な~によ、あんな男!」
と、昔から今に至るまで言ってはばかりません。未練など、微塵もないのです。

 父は長い人生の間に、他に好きな人ができてそれなりにときめく事もあったようですが、母にもずっと未練を持ち続けていたようです。
 写真をどうしようか、一瞬迷いましたが、母の写真を含めて、捨てることにしました。そうすることが父の元に届けることになると思ったからです。
「男って言うのは、しようがないなあ」
 くうみんはそうつぶやくと片づけを再開しました。
 いまだ感傷に浸っている場合ではありません。
 
 その後、業者さんによって部屋の中は空っぽになりました。完璧です。


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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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