春爛漫のこの時期に…

 3月は春の息吹が感じられ、4月は桜が春を告げる。5月は春爛漫の花の時期だ。
 こんな春の季節、おじさん母が入院した。第一希望の病院は満室で入院できず、救急車で運ばれた第二希望の病院。

 でもこの病院は、くうみんの買い物コースの途中にある。買い物の行きに気軽に立ち寄れる。帰りだと肉や魚、においの強い野菜が気になるだろう。ここは病院なんだから、そんなことも考えないと。

 お義母さんは目を開けて、回りを見渡しているように見えた。おとなしくしているので身体拘束もされていない。

 熱がなかなか下がらないということだったけど、何日か入院しているうちに、点滴で元気になったようだ。これで退院できるんじゃないかと思った。
「早くホームに帰れるといいね」
 お姉さん達と、そう話し合っていたけれど…でも実際は退院できなかった。

 その日は、前に来た時よりも弱っているのが分かった。
「痛いとか、苦しいとかじゃなければいいよね」
 くうみんはそう言って、しばらく枕元にただずんで帰った。

 買い物コースにある家に、ハンカチの木がある。

 ハンカチの木
 ハンカチの木

ハンカチの木遠景
 遠くから見ると、ハンカチがぶら下がっているように見える、ハンカチの木

 以前、おじさんにハンカチの木のことを言ったら、
「えっ!トンカツの木?」
「バカ!!トンカツのことばかり考えて!」
 おじさん、トンカツが好きだったね。

藤の花
 藤の花がきれい

ベルフラワー
 うちにあるベルフラワー。宿根草なので毎年花を咲かせてくれる

バラのつぼみ
 バラのつぼみがたくさんつきました。早く花開いて楽しませておくれ

 春爛漫のこの季節。

「痛いとか、苦しいとかじゃなければいいよね」

 そう言ってそばを離れたんだけど…



 


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テーマ : ひとりごと
ジャンル : ライフ

健康保険のついでに年金 払えないあなたにそっと教えるお得情報

 くうみんが市役所で非常勤職員(平たく言えばパート)をしていたのは健康保険の係だったが、隣は年金の係で、健康保険の手続きを終えると年金の係に案内した。

 中には年金になんか入らないと言って、そのまま帰ってしまう人もいた。
 こういう人で多いのは外国人。すぐに帰国してしまうから必要ないという考えの人と、永住するであろうけど、金は払いたくないから、年金なんか払わないよ、という人。その他、日本人でも年金なんかあてにならないと言って、払わない人もいた。

 でも、ちょっと待って欲しい。やっぱりかけておいた方が得だよ。それに、国民年金と言うと、老後しか関係ないと思うだろうが、若くして1級2級の身体障碍者になったときも年金が出る。この差は大きい。

 以前、在日台湾人が、テレビ番組で
「わしらには年金もないのだ…」
 と言っていた。そう、昔は日本人だけの制度だったので、在日外国人は国民年金に加入することはできなかった。

 そこで、なのかどうか知らないが、今は日本に居住しているすべての人、日本人だろうが外国人だろうが、国民年金に加入することが義務付けられている。

 どうだ!在日の皆さん!あなた方も年金を受け取ることができますよ!

 行政は胸を張って呼ばわったことであろう。

 しかし、現実は、外国人はほとんどと言っていいほど、国民年金に加入しない。すぐに帰国するからというのであればまだわかるが、永住権を持っている人ですら、国民年金に加入しない。(途中帰国する場合は全部じゃないけど返してくれる)

 そんなこと言っても、払えないよ。そういう人に明報!

 市役所に行って、支払い免除の手続きをなさいませ。

 年収によって、免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の四種類。これで本来受け取れる年金より少ないけど、貰えるようになる。

 放っておいたらだめ。同じ払わない状態でも、手続きさえすれば老後に少しでも年金がもらえる。

 日本はいい国だ。お金のない人にはそれなりの配慮がある。

 最近ちょっと様子が違ってきたが。



 PS.

 そう言えばおじさんは年金を払っている時点で死んでしまったから、これは「かけ損」ということになるな。くうみんはおじさんが掛けた国民年金から、わずかな遺族年金を貰っているが、とても元を取ることろまで行かない。

 まったく、おじさんのバカ。



 

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テーマ : 大切なこと
ジャンル : ライフ

おじさん母入院す

 おじさんのお姉さんたちは2週間に一度、お母さんの入居先にお母さんにお昼ご飯を食べさせに来る。その時くうみんも一緒に行ってその後、昼ご飯をおごってもらう。これが楽しみだ。

 その日はちょっと様子が違った。お姉さんの所に前の晩、お母さんの具合が悪いと施設から連絡があったそうだ。
「具合が悪いってどんなのかしら?」
 そんなことを話しながら施設に向かった。

 お母さんは見た目そんなに具合が悪いようには見えなかった。しかし、かなりな高熱を出すことがあって、解熱剤を使うとその時は熱が下がるものの、すぐに熱が上がってしまい、かかりつけの医者も、やはり病院に行くべきだという。

 介護タクシーを呼んで、病院に搬送した。
 検査のため、長い長い時間を病院で過ごした。こんなことなら本でも持ってくればよかった。

 検査の結果、どうやら腎臓に炎症があるらしい。やはり入院だ。

 この病院はベッドがいっぱいで入院することができず、他の病院を紹介してもらうことになった。
「差額ベッド代が7千円かかるんですが、ここでどうです?」
 ここで計算違いが起きた。いつもならここで、
「そんなに払えません」
 と、困ったように言う作戦に出るのだ。そうするとあっさり、それじゃ差額ベッド代はなしということで、という運びになるのだが、紹介では、交渉のしようがない。
 でも7千円は高すぎるので、もっと安いところはないかというと、4千320円の所があった。仕方ないのでそこで手を打った。

 お母さんは救急車でその病院に運ばれた。お姉さんたちは一緒に救急車に乗り、くうみんは自転車で追いかけた。救急車は赤信号でも止まらず、非常に早く目的の病院に到着した。

 入院手続きが終わって、食事をしたのはもう夕方8時近かった。おじさんがいた時はよく行ったとんかつ屋に入った。

エビとヒレカツ
 一番上の金子姉さんが注文したエビフライヒレカツセット

エビとロースかつ
 くうみんが注文したエビフライロースカツセット

エビフライ
 二番目のお姉さん銀子姉さんが注文した特大エビフライセット

「あの年で入院なんかしたら、かえって悪くなるんじゃないかしら?」
「そうよねえ。認知が進んじゃうもの」

 それよりこの3人組にはもっと気になることがあった。お姉さんたちはそれぞれ一週間後に国内旅行をひかえていた。くうみんはくうみんで実は海外旅行の計画があった。
「もし何かあったら旅行に行けなくなるわ!」 
「困ったわねえ」
「う~ん」

 3人組は、自分のことしか考えないのだった。

 その日から二日後、様子を見に行ったら、お母さんは結構元気にしていた。食事もミキサー食だが、食べているようだ。
「よかった。口から食べさせないと、食べるのを忘れてしまうものね」
「これなら元気になって退院できそう」

 一同ホッとしたのだが、これはお母さんの容体が良くなったからホッとしたのではない。

 自分たちの旅行が大丈夫そうだからホッとしたのだった。


 

 
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テーマ : 最近の出来事
ジャンル : 日記

最近何かとお呼び出し くうみん母のもとに馳せ参じてみれば

 ある日某所から電話があった。
「もしもし、くうみんさんのお宅ですか?」
「はい、そうですが」
 何かと思ったら西太后陛下に関する公的な手続きのことだった。
「という訳で書類をお送りしたいのですが、お母様の方に送りましょうか?それともくうみん様の方へ?」
 以前から書類だの手続きだのは苦手だったのに、歳をとってからそれに輪をかけてできなくなってる。
「それでは私の方に」

 もうそろそろ行かなきゃいけない時期だしな、まったく遠い所に移り住んだもんだ…など思いつつ、書類到着を待っていたある日の午前8時過ぎ、突然くうみん母、西太后陛下から電話があった。
「すぐ来なさいよ!」
 何か突発的なことでもあったのだろうか?書類到着を待ってからではいけないだろうか?
「何かあったの?」
 するとくうみん母はとんでもないことを口走った。
「ススキがきれいだから、見せたいの~。11時までに来てよ~」
 くうみんは思わずガックリした。
「この時間から11時までなんか行ける訳ないでしょ!支度もあるし!」
 すると陛下はなおも食い下がってきた。
「支度なんかいらないじゃないの~」
 支度なんかいらないと言っても、朝食の片付けもしなくちゃいけない、着替えもしなくちゃいけない。おじさんのお下がりの部屋着を着た、この格好で電車に乗ったら大ひんしゅくだ。

 今すぐと言うのは無理。ちょうど役所の手続きで問い合わせがあった所だから、書類が届いたら行こうと思う。そんなに時間はかからない、2、3日うちに連絡する。

 そう言って電話を切った。
「かなり来てるかな?」
 人の都合や、時間を無視して今すぐ来いというのは認知が来ているのかも知れない。しかし、年齢的に仕方ないか。

 ほどなくして書類が届いたので、くうみん母の住む町に赴いた。必要事項を記入させ、書類をチェックした。
「くうみんの世話になるもんかなんて言わないでよ、こんなことも、やらなきゃ損するんだから」
「うん、わかった」
 以前はそういう気持ちがあったらしく、なくしてはならないからと、くうみんが預かるものに限って再発行してしまった。今ではそんなこともなくなったが。

「そうそう、これね、あのススキのきれいな山で採った花で作ったの」
 そう言って、一枚のクリアファイルをくうみんに渡した。キッチンペーパーの中に押し花が入っているのがうっすら見える。
「ふ~ん」
 しかし陛下、この花、採っても良かったの?そう聞こうとしたが、やめた。 

 くうみん母の所に来ると近辺の安くてそこそこ居心地のいい旅館に宿を取るのだが、今回もそうした。
 今回の宿は従業員の対応は大変良くて、海に面した露天風呂は囲いなしのナイスビュー、近くの船からは丸見えだが、この際どうでもいい。

 露天風呂
 船から丸見えの素晴らしい露天風呂

 しかし料理が…
 料理は塩味が効き過ぎている。夜中に何回も水を飲んだ。
 出汁を効かせれば塩は少なくて済むが、出汁を節約しようとすれば足りない味をカバーしようと塩辛くなる。

アワビ踊り焼き
 アワビの踊り焼き、これはいいのだが…

カサゴの煮つけ
 カサゴの煮つけは塩気がきついぞ~。あと、鍋も塩辛いぞ~!!

 翌日は陛下お勧めのススキスポットへ行くことにした。細野高原と言うなだらかな山だ。10月5日から11月11日まで秋のススキイベントをしている。バスはイベント期間中の土休日のみ運行。往復割引千円、片道590円。

 私たちはタクシーで行った。伊豆急の稲取駅から15分ほどだろうか?タクシー代は1100円ちょっとかかる。その上入場料が一人600円。

 受付から200メートルほどの所にあるバス乗降場からシャトルバスで登っていくと、そこら中がススキのじゅうたんだ。ススキが風にそよいでいる。

 ススキ

 上のシャトルバス乗降場に着くと、そこからは人力で上がる。爺さん婆さんが息をゼイゼイさせながら登っていく。
「ね、きれいでしょ」
 くうみん母もゼイゼイ言いながら登っている。今日は天気が曇りで残念だが、晴れた日なら青い海と黄金に輝くススキは歓声を上げるほどきれいだろう。
「うん、そうだねえ」
「これをぜひ見せて上げたくて」
 私、先日もっとすごい所に行ったんだけど。くうみん母、西太后陛下なりの気持ちであるので、素直に感謝した。

細野高原1
 向こうに見えるのは大島

細野高原2
 むぉ~、寒いぞ~


マツヨイグサ
 マツヨイグサ

ヤマラッキョウ
 ヤマラッキョウ

アザミ
 アザミ

リンドウ
 リンドウ 秋の花は紫色が多い

 頂上まで登ったが、どうにもこうにも寒くてたまらん。体幹はいいのだが、手袋をしていなかったので手が冷えていかんともしがたい。陛下はまだ歩くと言ったが、私は寒い、もう嫌だと早々に退却した。
 シャトルバスに乗り込むと、冷え切った体もだんだん温まってきた。

「また来てよ」
「うん」
 陛下は自宅の最寄り駅に着くと、降りて行った。しばらくホームで立ち止まって、こっちを見ていた。電車が動き始めると、手を振って、出口の方に歩いて行った。
 体力的なことを考えると、もう母の方からくうみん宅に来ることは、そうはないだろう。こうして時々様子を見に来なくては。 

 くうみんが家に着くと、6時近くになっていた。あまりお腹もすいていない。フィットネスクラブの風呂に行ってから、あまり期待もしないで近所のスーパーに行った。
 このスーパー、結構高いのよね。あまり値下げもしないし…いいのがなかったら何も買わずに帰ろう。

 そう思って刺身コーナーに行くと、なんと半額セール!!これは買わねば!!
 家に帰ってパックをよく見ると、値段のシールが2重になっている。こんな時、前の値段はどうだったのか、ついはがしてみたくなる。
 もともとの値段は498円、値下げして398円、さらにその半額で199円!これはお買い得!!

 くうみんは刺身を肴にビールを飲んだ。ふとくうみん母の押し花を思い出した。クリアファイルを手に取り、ぬらさないよう気を付けて花をはさんでいるキッチンペーパーをそっと取った。

西太后陛下作 押し花
 くうみん母が作った押し花

 子供の頃、道端に生えている花を摘んで母にプレゼントしたことがある。機嫌が悪いと怖い母であったが、その時はニコニコと機嫌よく受け取ってくれた。

 その立場が逆になった。

 バッカヤロ、西太后陛下…本当はあそこで花を採ってはいけないはずだ…

 ススキとワラビ以外は採ってはいけないと、看板に書いてあったじゃないか…あんた本当はワラビの方が好きだろう。

 バッカヤロ、西太后陛下…
 
 

 
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ボケないためのキモはこれだ!!

 お義母さんの入居しているホームに、御年102歳の女性がいる。ホームの行事でこのホーム一番のお姉さんと紹介された。
 すごい元気だ。射的では大当たり、ボールを投げればストライク、たくさんの賞品を手にしていた。

 実はこの元気な婆さん、くうみんが通っているフィットネスクラブの知り合いの姑さんなのだ。このばあさんはいろいろと憎まれ口をたたくと、よく聞かされた。
「おばあちゃん、昼食べたもの、忘れちゃったでしょ?ていうとね、そんなつまらないことは忘れようがどうでもいいことだって返してくるのよ」
「うわっ、私そんな風に切り返せないわ!」
 102歳でこんなに言い返せるのは大したものだ。

 もう一人、くうみんの遠い親戚に100歳を過ぎて一人暮らしをしている婆さんがいる。誕生日が来ると、親戚中に電話を掛けて寄こすらしい。(くうみんの所までは来ない)
「○○ちゃんからはお祝いの品が送られて来たんだけどね、あなたはどうしたのかしらと思って」
 なので知らん顔もできず、仕方なく贈り物をするという。

 そう言えばくうみん母、西太后陛下もそんなにボケていない。都合の悪いときだけボケるという特技さえ持っている。このばあさんもあまり性格がいいとは言えないのだ。

 う~ん、ボケない人間は性格が悪いような気がする。きっとボケたら、誰も助けてくれないのがわかっているからであろう。

 そしてあと一点、ボケない人は歯が丈夫だということだ。

 なんとこの102歳の婆さんは歯が20本、すべて自前だそうだ。そしてくうみん母、西太后陛下も齢87歳にして、すべて自前。

 そういえば昔見た映画「楢山節考」で、早くお山(姥捨て山)へ行かねばと、一人の老婆が歯をわざと折る、そんなシーンがあったっけ。

 という訳でボケないためのキモは、次のようになる。

 歯が丈夫。そして性格が悪い。






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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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