痛恨のネモフィラツアー 老人問題

 くうみん母には前の日の夕方にうちに来てもらった。近くのすし屋で一緒に食事をした。ここは昼は手ごろな値段で食べられる手打ちそばと寿司のセットがあるのだが、夜はお高くて本当にたまにしか来ることができない。

 くうみん母の誕生日が4月であったので、ここで誕生祝をしようとくうみんは考えたのだった。寿司屋だけど、お任せのコースがある。それが一番安いので、それを注文した。
「おいしい」
 くうみん母も満足そうだった。塩味は薄いのだが、出汁が良く効いているので濃厚な風味がある。寿司の他に、魚の煮物や天ぷらも出てきた。
 くうみんはビールを2杯飲んだ。くうみん母は女が酒を飲むなんてとんでもない!みんな飲んでいるなんて、言い訳にならないとくうみんを脅していたが、最近はそんなことも言わなくなった。

 おいしい食事に満足してくうみん達は家に帰った。明日は早いので早寝をした。

 年寄りは朝が早いと言うが、くうみん母はずっと寝ていた。くうみんが起こしに行くと、ぐっすり寝ていたが、起こさない訳に行かない。簡単な食事をして待ち合わせ場所に。

 集合10分前だったが、くうみん達が一番遅かったらしい。くうみん達が乗ると、すぐにバスは発車した。
 天気も良く、そんなに渋滞もなくバスは目的地に向かった。昼食会場にはかなり早めに着いたので、買い物をして時間をつぶした。刺身や干物などの生ものが安いけど、道中長いのでそういったものは買えない。くうみん母は残念そうだった。昆布とサバのみそ漬けを買っていた。
 昼食は海鮮定食で、そこそこおいしかったが昨日のお任せコースを食べたばかりだったので、ついそちらと比較してしまった。あっちの方がダントツでおいしかったな…

 ネモフィラがきれいだったのは先に紹介した通りだ。
 ネモフィラの見物をした後はいちご狩りがある。
「いちご狩りは30分一本勝負ですよ~。最後の人がハウスに入ってから30分ですからね、あわてないでください」
 添乗員さんがみんなに呼びかけた。

 いちごはもう、終わりのようだ。機動力に優れたくうみんは、あっちの列、こっちの列とひらりひらりと飛び歩いた。しかし、くうみん母は、いくら足腰丈夫でもさすがに89だけあってそうはいかなかった。
「ちょっと、手を引っ張ってよ」
 道を替えるのも、よっこらしょっと大変なことだった。

 いちごは10分もしないうちに跡形もなくなり、あると思うとカビが生えていたり、腐ったりしたものだった。みんなハウスから出てしまったが、くうみんは一人ハウスに残って食べられそうなイチゴを物色するのだった。
 もう食べられるいちごも底をついたので、仕方なくくうみんもハウスを後にした。

何もないいちご狩り跡
 何もないいちごのハウス。たまにあるのは腐ったいちご
 
 このインチキいちご狩りが!!どこに30分も食べられるほどのイチゴがあると言うんだ!ツアー代が高いのに許せん!クラブ〇―リズム!!

 ここからは帰るだけの行程だ。くうみん達の座席に、何か乗っていた。これは車内販売でくうみん母が買ったまんじゅうだ。添乗員が来て確認をした。
「お土産、置いておきましたからね」
 くうみん母は機嫌よく言った。
「どうもありがとう」
 くうみん母はくうみんの方に向き直った。
「何をくれたのかしら?」
「くれたんじゃないよ、これ、お母さんが買ったんだよ」
「えっ、そうなの?」
 今までの上機嫌がなくなりくうみん母は、怒りの様相を呈した。
「何よ!まるで押し売りじゃない!こんなの買った覚えはないわよ!」
「何を言っているの?車内販売でお母さんが買ったんじゃないの。こんなの買ってどうするのって言ったら、施設のお兄ちゃんやお姉ちゃんのお土産にするって」
「…全然覚えていない。お金はどうしたの?」
「お母さんが払ったわよ」

 なんと、朝の車内販売で買ったのを全く覚えていないのだった。これで良く、「○○さんがボケてどうしようもない」なんて言えるもんだ。
 そう言えば、朝から同じことを繰り返し言っている。
「私が○○さんにシチューを作って持って行ったら、そのお皿を食堂の方に持って行っちゃったのよ」
 この話を何十回も繰り返していた。こう言うのを「さっき聞いた」と言うのはよくないと言うので、うんうんとうなずいていたのだが。

 家に帰るとくうみんはフィットネスクラブの風呂に入り、くうみん母は家の風呂に入った。今日は疲れたので家で食事。こうしてネモフィラツアーの一日は終わったのだった。

 次の日、くうみん母は、帰ることになるのだが、何やら小田急線の渋沢にいる友達に会いに行きたいと言う。
「なかなか行けないからこのついでに」
 と言う。千葉県某市のくうみん最寄駅からは、何回か乗り換えなければならない。若い人ならどうってことないが、このぼけ老人では…
「一人で行けるところまで、私も行く」
「そう、済まないね」

 都営新宿線に乗るルートと、千代田線に乗るルートがあるが、千代田線ルートを取った。地下鉄を乗り継いで代々木上原まで行ったが、あいにく小田原方面に行く電車ではなかった。
「ちょっとここも無理」
 くうみんは母と一緒に電車に乗り込んだ。

 くうみんも、小田急線はあまり詳しくない。この線は間違って乗ると、とんでもない方向に行ってしまう。
 車内の路線図をにらみながら、乗り換えの駅に着いた。相模大野だ。

 くうみんは、母と一緒に向かいに止まっている電車に乗り込んだ。
 これに乗って行けばいいはずだけど、急行の止まる駅かしら?大丈夫だ、これに乗って行けば8つ目の駅で降りればいい。
「お母さん、この電車に乗って行けばいいんだよ。それじゃ、私降りるからね」
 そう言ってドアを見ると、ドアは閉まり、電車は走り始めた。
「あら~、ごめんね、世話をかけて」
「…」

 次の海老名までは、3つほどの駅を通過して、やっと着いた。
「ここから7つ目の駅だからね」
 ここなら大丈夫だろうと、くうみんは電車から降りた。そして新宿方面に行く電車がすぐに発車するのに気付いた。

「ぬおっ、負けるもんか!!」
 くうみんは階段を駆け上り、そして階段を2段抜かし、3段ぬかしで駆け下り、新宿行の電車に飛び乗った。
 一億歳超のオバさんが、2段ぬかし、3段ぬかしで駆け下りる…なかなかできることではない。くうみんもこういった非常時でないとこの芸当はできない。火事場のばか力と言うものだ。

 自分は大丈夫と思っているが、危なっかし過ぎるぞ。おっかあ、介護保険受けろや。と言っても、「私は耄碌していない!!」と言い張るんだろうなあ。トホホ。

という訳で、 くうみんは往復4時間かけて、家に戻ったのだよ。


 
 くうみん母からの土産。自作の煮物や山菜の冷凍品

冷凍食品
 約2キロあった。引っ越しまでにすべて食べねばならない。トホホ

謎の冷凍食品
 訳の分からない謎の冷凍品。解凍して食べたらタケノコとガンモの煮物だった。いい加減霜が張り付いていたが、何年前のものだろう?

こんな古いものを
 賞味期限2016年9月の柚子味噌。ビンテージものである




  



面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
   ↓    


FC2Blog Ranking



にほんブログ村



スポンサーサイト

テーマ : なんだかなぁ、、、、
ジャンル : 日記

痛恨のネモフィラツアー

 去る4月21日、くうみんはくうみん母とともに、ひたちなか海浜公園のネモフィラ一日ツアーに参加した。はじめはゴールデンウィークの出発を予定していたのだが、今年は花が咲くのが早く、ゴールデンウィークには見ごろを過ぎてしまいそうだったので、早めのツアーに切り替えたのだ。
 ゴールデンウィークの前半くらいなら、まだ見ごろと言えるのではないかとの予想らしい。

 もう満開のネモフィラで、これはとっても良かったんだけど…

チューリップ1
 ネモフィラだけでなく、チューリップも見ごろ

チューリップ2

チューリップ3

ちゅーりっぷ4

謎の花
 なんて言う花でしょうね?

蜘蛛の巣
 この蜘蛛の巣、きれいなんだけど、うまく撮れなかった

レンゲ
 昔はどこにでもあったレンゲ。くうみんも首飾りを作って遊んだよ

グミ
 グミだと思うんだけど…

空とネモフィラの区別がつかない
 
ネモフィラ1

ネモフィラ2

ネモフィラ3

ネモフィラ遠景

 ネモフィラはきれいだった。チューリップもきれいで、お天気にも恵まれた。
 でも、この記事のカテゴリをご覧ください。国内旅行ではありません。

 老人問題になっています…


 その恐ろしい話は次回に…






面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
   ↓    


FC2Blog Ranking



にほんブログ村


テーマ : 行ってきました!
ジャンル : 日記

月に一度は母の様子見 そして15日現在の河津の桜

 くうみんは月に一度くらい、高専賃に入居した母の様子を見に行く。そこは10階建てのマンション風の建物だ。くうみん母の部屋は7階なのでエレベータに乗って行くのだが、くうみん母はエレベーターの乗り方がよくわからないと言う。

 何がわからないかというと、ボタンの押し方らしい。
 本人は下に行きたいのだが、エレベーターは下の階で止まっている。その場合、上を押せばいいのだろうと思って、上のボタンを押す。下に行こうと思っているのに上に行ってしまう場合がある。これはなぜ???

 若い頃から判らなくて、11階まで階段を使って登ったこともあると言う。
「わからないんだったら、なんで人に聞かないの?」
「だって、聞けないわよ」

 効けばいいのに、聞かないで11階もの長い階段を上って行く方が理解できない。
 それに何よりエレベーターのボタンの押し方がわからないと言うのが理解できない。

 そういえばその昔、おじさんとフランスのパリに行ったときのこと。
 言葉からしてギリシャ人だと思うが、その人たちがやはりエレベーターの呼び方がわからなかったようだ。くうみんから見ると、あてずっぽうにボタンを押しているようにしか見えなかったが、おじさんがその法則性に気付いた。
「自分の行きたい方向ではなく、エレベーターよ上に来い、と思って上のボタンを押し、下に来いと思うと、下のボタンを押している」

 その時はパリでも東京でも、田舎者はいるんだなという認識だった。
 子供の頃、少年サンデー連載の、「俺は直角」という漫画があった。その漫画に、脇役として出ていた西洋かぶれの御曹司、北条照正が、西洋の品物を珍しがる人々に「遅れた奴らめ」と言うのだが、くうみんもこの時そう言いたくなった。
 しかし、くうみん母も同じだったとは!それでよくもくうみんを、バカだバカだと罵られたものだ。

 くうみんは、くうみん母にエレベーターのボタンの押し方を伝授した。
「ただ単に、行きたい方のボタンを押せばいいのよ。下に行きたければ下のボタン、上に行きたければ上のボタン。エレベーターがどこにあるかは関係ないの」

「あら、そうだったの~」

 わかったふりをしているけど、わからないだろうな~。

 もう一生、わからないだろうな~。


 河津の桜を見に行きました。2月15日現在2分咲きくらいです。あと一週間~十日くらい経ったらいいかな?

2018さくら2
 まだ寂しい咲き方

2018さくら1

2018さくら3
 一番咲いていそうな木を接写



 ここからは去年の2月16日の河津桜

さくらと菜の花

河津桜1

河津桜3

 今年は春の訪れが遅いようだ。




面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
   ↓    


FC2Blog Ranking



にほんブログ村


テーマ : 静岡県
ジャンル : 地域情報

片づけは引っ越しのためだけじゃない。

 最近ゴミ屋敷が話題になっている。住民は捨てられない性格の上、どこからか役に立ちそうなものを拾って来るらしい。

 いつか使うと思って。だからそれ、捨てちゃダメ!

 いつか使うと言うことは、いつになっても使わないものだ。

 ブロ友Mmerose様の近所にもゴミ屋敷があるそうだが、倒壊や火事の心配もあるし、いい形で解決するように祈る。

 程度の違いはあるものの、年行った人の住まいは物が多い。年行けば行くほど、物は増えていく。
 おじさんやくうみんの実家もそうだった。結婚するにあたって、くうみんの使っていたものはかなり実家に置いて来た。だからくうみん自身も物あふれの元凶の一つだった。どうもすみません。

 その後、おじさんの実家は義父母が老人施設に入居することになって処分したし、くうみんの実家も同じ様に処分することになって、今は家も、そしてあふれていた物も、なくなってしまった。

 次のはくうみんの番だ。

 今、引っ越しを念頭に置いて家の中を片付けている。まだ引っ越す家も決まっていないが、残しておくべきもの、捨てるもの、考え考え捨てている。

 おじさんの物は基本使わないから捨てるんだけど、いきなりごみとして捨てるのはなんだかな。
 捨てるにはもったいないと思うものもある。だけど、誰かにあげるほどのものではないし…発展途上国に送るNPO法人を見つけたので、使えそうなものはそこに送るべく、段ボールに入れていく。
 ここです。
    ↓
ワールドギフト

 不要なものを送ると言っても、結構条件が厳しいところが多いが、ここはかなり許容範囲が広い。送るのにも費用はかかるが、人の役に立つと思えば、ただ捨てるよりも気持ちが楽になる。

 そこにも送れないようなものは、とりあえずゴミ袋に入れておいた。気持ちの整理がついたらそのまま捨てられるように。
 使わなくても、おじさんがお気に入りだったものは、何点か取って置くことにしよう。

 アルバムはデジカメで撮っておいてから、一冊のアルバムから何枚か取って置く。これが結構時間がかかる。今の所、高校時代からある、若い頃のおじさんの写真を整理しているけど、
「おじさん、わっか~い」
 など思って、見入ってしまう。

 くうみんがいなくなった時に、あとに残された人になるべく迷惑をかけないように、身軽にしておきたい。
 以前なら、
「そんな縁起の悪いことを!!」
 と言われたものだろうが、今は終活って普通のこと。

 老人問題は今まで、親のことだけだったけど、今やくうみんもその問題に片足を突っ込んでいる。子供のいないくうみん、お金は残せなくてもせめて、
「くうみんおばちゃん、こんなにゴミ溜めて。トホホ」
 とか言われないようにしないと。

 引っ越しのためだけじゃなく、終活のために家を片付けるくうみんであるよ。

 

 


面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
   ↓    


FC2Blog Ranking



にほんブログ村






テーマ : 断捨離
ジャンル : ライフ

猿に包丁持たせている

 くうみんは月に1回、くうみん母の様子見に行っている。片道3時間近くかかる。実家は2時間くらいで行けたのに、何の相談もなしにわざわざ遠いところに引っ越した。

 恨みもする。何でそんな勝手なことを。おじさん母も亡くなったことだし、今住んでいる所より近くなるところに引っ越すことを考えている。
 すると、くうみん母は言う。
「好きなところに住めばいいでしょ。こっちのことなんか気にしないでいいから」
 そうもいかない。危なっかしいじゃないの。
「大丈夫、こっちはしっかりしているし、何よりも信頼できる人に葬式あげてもらうように頼んであるから。葬式も来なくていいし、様子を見になんて来なくていいのよ」

 なんだ、そうなのか。信頼できる人に葬式を頼んであって、しっかりしているから様子見なんていらないのか。そうか…

 って、そんなことできるはずないだろう!!

 しっかりしている?どこが!!
 現に今、家具屋から電話が来た。ベッドを頼んだんだけど、やっぱり要らないから断りたいと。でも、相手の家具屋は売り上げが
なくなるのは嫌だから、執拗に買うよう迫っている。
「でも、要らないの」
「○×▽!!」

 家具屋が迫っているのがわかる。
「貸しなさい」
 くうみんはくうみん母から電話を取った。
「あ、私くうみん母の家のものです。ベッドは要らないんです、要らないものを売りつける気ですか?え?金は受け取っている?だったら返してください!!」
 家具屋は何やら言っていたが、「わかりました、返金します」と言って引き下がった。くうみんはホッとした。
「ボケだと思ってバカにしているのよ!!」
 バカにされたら最後、とことん食い物にされる。
 
「大丈夫だから。私のことは気にしないでいいの」

 そうじゃない。気にしなくていいものなら気にしない。でも、気にしなければ、こちらが大変なことになるから、気にせざるを得ない。

「大丈夫だって?だったら確定申告は自分でやれ!!」
「それはやってもらわないと困る」

 確定申告だけでなく、生活全般にできないのに、「気にするな」と。気にしなくてこちらに害が及ばなければいいけど、そうじゃないんだから。それがわかっていない。

 往復ビンタ100連発、罵詈雑言、羞恥攻め、やりたい放題のくうみん母ではなくなった。

 しかし、それでもくうみんを悩ます母である。サルに包丁持たせている気分。

 わかるかね?


 


面白いと思ったらクリックしてください。励みになります。Ctrlキーを押しながら、ポチポチと続けて押せば画面が飛びません。
   ↓    


FC2Blog Ranking



にほんブログ村



テーマ : 壊れそうな心
ジャンル : 心と身体

検索フォーム
面白いと思ったら、クリックしてください。励みになります。
プロフィール

ひねくれくうみん

Author:ひねくれくうみん
 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

メールフォーム
くうみんにメールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
過去記事一覧表はこちら ↓

全ての記事を表示する

アクセスカウンター
今訪問している方は?
最新記事
カテゴリ
お好きなテーマはどれ?
最新コメント
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR