葬式とブラックバイト

 河津桜を見に行った日の翌日、いきなり銀子姉さんから電話が。
「ヨハネ叔父さんが亡くなったの。19日にお通夜で20日は告別式。来られなかったら無理しないでいいけど、どうする?」

 ヨハネ叔父さんはおじさんのお父さんの弟だ。お父さんの兄弟の最後の生き残りだったが、とうとう身罷ってしまったか。
「告別式だけ行きます」
 そう答えたが、ハタと思った。例のブラックバイト、受けてしまった後だ。4日間ならこれだけ書くなら楽勝だろう、ハッハッハ!と思っていたが、いきなり一日つぶれてしまったではないか!
 仕方ない。スピード上げて書くことにしよう。

 で、努力の甲斐あって大幅に繰り上げて納品に成功。やればできるじゃないか。
 
 しかし、葬式当日の朝、思わぬ展開が待っていた。ブラックバイトのマネージャーさんから痛い指摘。
「くうみんさん、ここ間違えていますよ!」
「くうみんさん、どうしてこんなに間違いが多いのですか?」

 そう。くうみんは言っていることを勘違いすることが多い。昔こんな漫画を見たことがある。
 社員から
「給料上げろ!!」
とつつかれた社長が、たまらず応える。
「わかったよ、あげるから黙れ!!」
「勝利!勝利!」
 と言って喜ぶ社員。
「何でこんなことを望むんだろう?めんどくさい」
 そう言ってお金の入った給料袋を油で「揚げる」社長。
 この社長のような勘違いが、くうみんは非常に多い。

 コミュニケーションに問題のあるナントカ障害があるのかも知れない。そう思ったことが何回もある。

 仕方ない、ダメ出しの所は帰ってからにしよう。
 くうみんは葬式に向かった。

 葬式はみんなで賛美歌を歌うことと、神父様のお話で構成される。神父様は3人で、二人は外国の人、そのうち一人はかなりお年を召しているのか、立っているのがやっとのようだ。時々座って休んでおられる。

 葬式ではヨハネ叔父さんではなく、くうみんの夫であるおじさんを思い出して、涙が出てきた。これから葬式があるたびに、おじさんを思い出してこんな風に泣くんだろうな。

 親族なので火葬場に行って骨を拾った。
 その後の精進落としでは久々のすし屋の寿司を食べることができて感激!ヨハネ叔父さん、ありがとう。3人前ほど残ったので、人の分まで喰いまくった。

 葬式は終わった。家に帰ってブラックバイトに手を付けた。指摘されたところだけでなく、ひょっとしてこれもあれも、勘違いしているかも知れない。でも指摘されたところだけとりあえず直した。後は知~らないっと。

 もうこのバイト、やめた。

 向こうももう、使おうとしないだろうけど。

 


 
 あとでこの仕事のチャットを見たら、皆「すみません、すみません」と謝っている。やり辛い仕事だってことは確からしい。





 

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テーマ : とりあえず書いとこ ~ф(゜゜)
ジャンル : 日記

2月は花粉症の季節。そして…

 くうみんは花粉症だ。初めてこの症状にみまわれたのは大学のときだったと思うが、風邪を引いたわけでもないのにいきなりくしゃみと鼻水、そして目の痒さにどうしてこうなったのか、戸惑うばかりだった。

 医者に行くと、「花粉症です」という診断だった。以来、春はくうみんにとってあまりいい季節ではなくなった。

 その始まりは、2月の初めだ。2月の初めに雨が降る。すると翌日から花粉が飛び始め、花粉症の始まりだ。
 医者に行って薬を処方してもたうのが、年中行事だったが、抗がん剤の副作用及び後遺症を押さえるための漢方薬を飲むようになって症状が出なくなった。
 
 漢方というのは、その症状だけを治すのではなく、全身のバランスを取る働きがあるので、本当に体に合った漢方ならば、関係のなさそうな症状の改善にも役立つらしい。

 という訳で漢方を飲んでいたここ数年は、花粉症の症状が出なかった。去年から漢方薬を飲まなくなったが、体質が変わったのか、まだ季節ではないのか、今の所花粉の症状は出ていない。

 新薬ではなく、民間薬としては、甜茶がよく効いた。薬を飲みたくない人は、試してみてください。

 そうそう、昔の漫画で「同棲時代」というのがありましたね。その中にも花粉症が出てくるのですよ。
 マスクをかけた若い女性が、
「私、お嫁に行けない体なんです!!」
 と言って、自分は花粉症であるという身の上話をする。
 主人公の男女は、
「こんな不幸な人もいるのね」
 と、同情していた。

 この漫画では、「花粉病」と言ってましたが。

 そうか、くうみんはお嫁に行けない体だったのか!!そんなにも不幸な人間だったのか!!

 おじさん、今更ながら、嫁に行けない体のくうみんと結婚してくれてありがとさん!

蛇足ながら2月11日、建国記念日はおじさんとくうみんが結婚を決めた日でもある。


お嫁に行けないあなたに甜茶を…





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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

おじさんに会いに行った

 おじさんに会いに行った。いつもおじさんはくうみんのいる家に来るというけれど、なんとなくいるような気はするけど、話をすることはできない。

 その仲介をしてくれる人がミディアムさん。

 去年も9月に訪れた。1年経った今、おじさんはどうしているのかな?

 今回もおじさんが来ているという証明をする。私しか知らない事実、周囲のほんのわずかな人だけが知ること。
「何でこんなことを知っているんだろう?」
 そういうことをズバリ当てるミディアムさん。ブログを読んでいるんじゃないの?いいえ、私のブログには書いていないことを言い当てる。決してあいまいなことではない。この人は本物。

 好きな人に会いに行く。結婚前はいつも私がおじさんの部屋を訪れた。そして今は、おじさんがくうみんの部屋を訪れているらしい。おじさんがどうしているか、年に一度だけくうみんの方から訪ねることにした。

 おじさんは去年は旅の途中だと言った。今回はどこかに定住するようになったのか、歴史の勉強と鳥獣の世話をしているらしい。
 
 鳥獣の世話?おじさんが? 

 とぉ~とぉ~、と~…なんて言って鶏でも追いかけているのかな?

 豚の背中をポンポンたたいたり、馬の顔をなでたり…エサもあげればおシモの世話まで。

 他にもいろいろ聞いたけど、今は勉強だけでなく、結構楽しくやっているみたいだ。

 本当に言うことがおじさんらしい。年末年始の旅行を今から楽しみにしているって。また船旅をすることになるよ…そういっているらしいけど、今の所予定はない。もちろん年末年始の旅行は飛行機だ。もう予約は取ったんだし、これは鉄板。その後はどうなるかな。

 おじさん、仕事がみつからないんだけど。ライティングの仕事もパタッと来なくなっちゃったんだけど。

 今は仕事よりも自分のケアをすることの方が大事だよ。焦らないで。おじさんはそう答えてくれた。

 おじさん、私たちが結婚することは、いつ決まったの?この世で?またはそっちの世界で?

 結婚はこっちの世界で決まることのあれば、そちらの現世で決まることもあるよ。僕たちの結婚はこっちの世界で決めたことだ。この糸でつながれていたんだよ。

 おじさんはそう言って金色の糸を振ってみせたとミディアムさんが言う。



 今日はおじさんの誕生日。おじさんの好きなものを夕食に出そう。おじさんの好きなもの?サバの水煮、ピーナッツや柿の種、トウモロコシ、枝豆。なんだか変なものばかり好きだなあ。ピーナッツと枝豆を買ったよ。

 おじさんは牛肉はあまり好きじゃないって本当?高いから遠慮していたんじゃないの?一応ハレの日の食事だから、久々にステーキを焼こうと思う。ちゃんと焼き方も調べたから、中まで熱いミディアムレアーにできると思う。

 誕生日、おめでとう。生きていれば61歳。でも、おじさんはあの日から歳を取らない。

 おじさんがいないこと以外、私は幸せにしています。そして、おじさんの所に行く日を心待ちにしています。



 

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テーマ : スピリチュアル
ジャンル : 心と身体

ごまめの歯ぎしり

 電話が鳴ったので出ると、以前おじさんが顧問をしていた会社で事務をしている女性だった。
「私、憶えていらっしゃいますか?」
 シングルマザーとして、子供を養っているしっかり者の彼女だ。
「もちろんです。お久しぶりです、お元気ですか?」

 今日、行っていいですか?どうぞいらしてください、お待ちしています。

 時間通りに彼女が来た。世間話をした後に、突然彼女が切り出した。
「私、会社を辞めたんです。辞めてくれって言われて…」

 聞くと7月いっぱい働いたのに、締め日までの給料しかもらえなかったという。
「その分餞別をいただいたので、損した訳ではないんですけど…」
 彼女としては何か釈然としないものを感じたようだ。

 その社長のことはくうみんも知っている。いい人だと思っていたが、このことで見方が変わった。

 中小企業とも言えない零細企業が、労働基準法なんか守れないことくらいわかっている。10年近く勤めた彼女に対し、退職金を払う余力などない、そんなことはわかっている。

 だけど、できる限りの誠意は示せよ。

 具体的には働いた分の給料は支払う。その上でいくらかの餞別を出す。餞別の数万円を出すくらいなら、いくら零細企業でも潰れることはなかろう。

 会社を経営するということは大変なことだ。自分の家族だけでなく、社員の生活も守らなくてはいけない。会社を立ち上げるときに、そうれは覚悟していただろうに。

 くうみんは憤慨した。
「おじさんがいれば、きっと意見したと思うよ」
 彼女もうなずいた。
「おじさん先生だったら、絶対社長に言ってくれたと思います。だけど今の税理士先生は、社長の言うことを淡々と聞くだけですから」

 おじさんはウェットな男だった。義理人情に厚いところがあった。
 
 くうみんもおじさんが亡くなったときに、信頼していた人から手痛い仕打ちを受けたことがある。まさかこの人が…人間、金が絡むと鬼になる。そう思い知った。

 2時間近くも話し込んで、彼女は帰って行った。
 くうみんには何の力もない。くうみんにできるのは、ただ話を聞くことだけ。そしてひたすらごまめの歯ぎしりをするだけ。




 ごまめの歯ぎしりとは、実力のない者が、いたずらに苛立ったり悔しがったりすることのたとえ。 (故事ことわざ辞典)






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テーマ : ひとりごと
ジャンル : ライフ

今年は山に行けるかな

 毎年のように何日もの山の縦走に行っていたのはもう何年前になるだろう。
 何年前なんてものじゃない、20年以上前のことだ。
 おじさんがテレビ番組で、立山の室堂から黒部峡谷鉄道の欅平に抜ける山道を見て、行く気になったのだ。その後かなり大変な道だとわかって、おじさんはやめたいと思ったようだが、くうみんが行きたくてたまらなくなった。

 上野の百貨店で、こんなサービスをするという新聞記事を偶然見つけた。
「山の安全をお祈りして、今年もお客様に山の案内をいたします」
 おじさんと一緒に会場に行くと、各山域ごとに案内の人がテーブルについていた。立山担当の人の前に行って、
「こういうルートで登りたいのですが」
 と聞くと、
「大丈夫だぁ。普通の人は登れる。ただし…」
 地図を指さし、 
「ここの道は下は200メートルもの谷だぁ。毎年一人か二人落ちるけど、もう二人落ちているから、あんたたちは大丈夫」
 おじさん 「…」
 くうみん 「そうですか、良かった~♡」

 おじさんは高いところが苦手で、ややビビりだったが、気に入って2、3年続けて行ったように思う。

 その後、山は日帰りがメインになり、海外旅行に行くようになって、そのうち国内旅行に目覚めて、そしておじさんがいなくなった。
 
 おじさんのお姉さん達がクルーズの旅に行くというのを聞いて、去年くらいからクルーズにも行くようになった。だけど、そうね、これからはいろいろ取り混ぜて行きたい。

 今年はぜひ富士山に登ろうと思っている。でも、足がこれでは行くに行けない。一応鍼の先生には富士山に登りたいと言っておいた。
「今はまだ無理、でも8月終わり頃になったら行けるかも」
 頭ごなしにダメと言ったら、がっかりするだろうと思ってこう言ったのかも知れないけど、行けたらいい。いや、絶対行ける!!

 と言うことで新しいザックを神保町まで買いに行った。
 今持っているザックは20年も前に買ったものだ。おじさんの方が若干大きいけど、65リットル前後の容量だ。

 以前は3、4日の縦走にはこれくらいが普通だった。重さは10キロ前後だったか。
 しかし去年、久々に立山に行ったところ、みんなのザックは小さかった。くうみんのザックだけが異様にデカくて、
「テント泊ですか?」
 と聞かれた。

 今は登山用具も軽量化、小型化が進んで、そんなに大きなザックは必要なくなったらしい。
 店員に3、4日の縦走にはどの程度のザックがいいか聞くと、45リットルのものを出してくれた。いくつか試しに背中に着けてみて、一番フィットするものを選んだ。
 いずれ立山に行く時のために、6本爪の軽アイゼンも買おうとしたら、今くうみんが持っている登山靴に合うかわからない。靴を確認してから買った方がいいと、そのまんま東によく似た店員のお兄さんがアドバイスしてくれた。

 なのでとりあえずザックだけ買うことにした。アイゼンはもっとゆっくり買えばいいや…

 あっちに行きたい。こっちにも行きたい。まるでおじさんの夢を引き継ぐかのように。

 夢は野山を駆け巡る。






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ひねくれくうみん

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 年齢一億歳。
 
 病んだ乳を抱えて今を生きる。また走り始めた。涙を流しながら。

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