ミディアムさんとの面談 これはおじさん臭い
都内某所にあるビルを見つけるのは大変だった。何よりホームページに書かれた道案内が全く役に立たない。全くどういうセンスをしているんだ。
ブツブツ言いながら、番地を頼りに2人の女性警官に道を聞き、やっと時間ギリギリにたどり着いた。ドアの前には「面談中なのでノックしないでください」と張り紙がしてある。
どんな人なんだろう。くうみんは、真っ赤なマニキュアをして、黒地に金銀の刺しゅうを施したベールをかぶっている女性を想像した。あまりにベタな想像だった。
突然ドアが開いて、一人の女性が顔を出した。この人がミディアムさんのMさんだ。
「どうぞお入りください」
Mさんは30代後半から40代前半と思われる眼のぱっちりしたきれいな女性だった。白いブラウスにピンク色の口紅と言う、ごく普通のいでたちで、おしゃれな小物やフラワーアレンジメントでも取り扱う店の経営者のように見受けられる。
「初めまして、くうみんです。今日はよろしくお願いします」
霊との交信をミディアムシップと言う。ミディアムシップは霊界主体に行われるのでおじさんではない、違う霊が来ることもあるそうだ。
父親あたりが出しゃばってきたら、がっかりするよなあ…など思っていると、今来た霊の特徴をMさんは語り始めた。
以下の話は全く予備知識なしでMさんが語ったことだ。写真を持ってくるように言われたが、持ってくるのを忘れたので、おじさんの名前を書いて出した。
「50代と思われる男性です…お仕事は堅い仕事で、ハードだったと言っています」
当たっているけど、くうみんを見ればその連れ合いの年齢は何となく想像できる。同じくくうみんを見ればそんなにぶっ飛んだ仕事じゃないと言うことは想像できよう。
その他当たっているけど国民の90%はそんなんじゃないの?と言うことしか言わない。
まだ信じられないぞ、と思ったけれど、二つの数字を言って来た時は驚いた。おじさんの亡くなった月日だ!
しかも普通若い数字から言いそうなものなのに、若くない数字から順に言って来たのだ。
「それは主人の亡くなった日付です」
なぜか涙があふれてきた。おじさんがここに来ている。
その他言うことがどうもおじさんそのものだ。旅行のことばかり言っている。おじさんがいるときはひと月に一度は一泊で温泉に行っていた。本当はもっと行きたかったらしいが、旅行と言うのは例え一泊でも用意が大変なものだ。
「こんなにちょくちょく行くのは疲れる!!」
と、くうみんが音を上げたので、月一に落ち着いた。どこにも連れて行ってくれないとぶつくさ言う奥さんが多い中、なんとも贅沢なことだった。
「去年の秋の楽しみを奪ってしまって申し訳ない、と言っていますけど」
あ~、そうだよ!去年の10月初めには山登りに行こうかと思っていたのに、おじさんの納骨の日程が決まらず、行けなくなったんだ!
くうみんは、今おじさんがどうしているのか、聞いてみた。
おじさんは今、スピリットガイドの坊さんと二人で旅をしているそうだ。お父さんとは一緒ではないが、何回か会ったらしい。
「酒はそっちでは飲めるの?」
くうみんが聞くと、首を振って、こっちではそんなの必要ないんだよ、と言っていると言う。何とあの世で酒をやめたか!
病院のベッドに横たわるおじさんの耳元で、「おじさん、こっちに帰っておいで」と、ささやいたのだが、それはわかっているの?そう聞くと、くうみんの背中に手を置いて、わかっているよ、と言うそうだ。
おじさんがいないからと言って、何かをするのを躊躇しないでほしい。旅行に行くのなら、おじさんも一緒に行く。あの船旅にも一緒に行ったんだよ。
なんとクルーズに行ったのも知っていたのか!!
ちょっと意地悪なことも聞いてみた。
「おじさん、私に好きな人ができたら、どうする?」
おじさんは笑って言ったそうだ。
おじさんがいるからと言って自分の幸せを逃すことはないよ。それがくうみんの幸せにつながるなら、思い通りにして欲しい。
「いつかまた、一緒に暮らせるの?」
くうみんの役目が終わったら迎えに行く。でも、毎日会いに行っているから、おじさんは今も一緒にいると言う感覚なんだよ。
へ?おじさんは毎日会いに来ているの?全然わからないけど。
なんでも、くうみんが夜寝るときに布団のそばに来て、顔を撫でて行くらしい。
顔を撫でて…おじさんなら顔をなめて行きそうに思う。
生前おじさんは、酔っ払って布団にもぐりこんだくうみんの枕元に座り込んで言ったものだ。
「ふっふっ、良く寝ている。真っ赤な顔をして…ペロッ!」
「ギャッ!」
顔をなめた!やはりこれはギャグだろうか?それにしても、そうか、毎日来ているのか。
ミディアムさんによると、旅行には積極的にもっと行くようにと言っている。今の季節なら、「山に行きたい。山に行こう、山に行こう」と、盛んに言っているという。マジこれは、おじさん…
そしてくうみんのスピリチュアルガイドのことも聞いた(別に要予約)。
最近来し方行く末が心配で…
守護霊と言うのは何人かいらっしゃるのだが、今回は修験者の格好をした男性が現れたという。だからくうみんは山が好きなのか?だからおじさんもくうみんに山行きを勧めるのか?
いや、おじさんは単に紅葉を楽しみ、温泉を楽しみたいだけに違いない。
山には行きたい。
でも、おじさん、日本列島はずっと天気が悪くて、その上台風も来そうだ。これでは山に行けないよ。
山の秋は早い。すぐ冬になってしまう。どうしよ~。
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ブツブツ言いながら、番地を頼りに2人の女性警官に道を聞き、やっと時間ギリギリにたどり着いた。ドアの前には「面談中なのでノックしないでください」と張り紙がしてある。
どんな人なんだろう。くうみんは、真っ赤なマニキュアをして、黒地に金銀の刺しゅうを施したベールをかぶっている女性を想像した。あまりにベタな想像だった。
突然ドアが開いて、一人の女性が顔を出した。この人がミディアムさんのMさんだ。
「どうぞお入りください」
Mさんは30代後半から40代前半と思われる眼のぱっちりしたきれいな女性だった。白いブラウスにピンク色の口紅と言う、ごく普通のいでたちで、おしゃれな小物やフラワーアレンジメントでも取り扱う店の経営者のように見受けられる。
「初めまして、くうみんです。今日はよろしくお願いします」
霊との交信をミディアムシップと言う。ミディアムシップは霊界主体に行われるのでおじさんではない、違う霊が来ることもあるそうだ。
父親あたりが出しゃばってきたら、がっかりするよなあ…など思っていると、今来た霊の特徴をMさんは語り始めた。
以下の話は全く予備知識なしでMさんが語ったことだ。写真を持ってくるように言われたが、持ってくるのを忘れたので、おじさんの名前を書いて出した。
「50代と思われる男性です…お仕事は堅い仕事で、ハードだったと言っています」
当たっているけど、くうみんを見ればその連れ合いの年齢は何となく想像できる。同じくくうみんを見ればそんなにぶっ飛んだ仕事じゃないと言うことは想像できよう。
その他当たっているけど国民の90%はそんなんじゃないの?と言うことしか言わない。
まだ信じられないぞ、と思ったけれど、二つの数字を言って来た時は驚いた。おじさんの亡くなった月日だ!
しかも普通若い数字から言いそうなものなのに、若くない数字から順に言って来たのだ。
「それは主人の亡くなった日付です」
なぜか涙があふれてきた。おじさんがここに来ている。
その他言うことがどうもおじさんそのものだ。旅行のことばかり言っている。おじさんがいるときはひと月に一度は一泊で温泉に行っていた。本当はもっと行きたかったらしいが、旅行と言うのは例え一泊でも用意が大変なものだ。
「こんなにちょくちょく行くのは疲れる!!」
と、くうみんが音を上げたので、月一に落ち着いた。どこにも連れて行ってくれないとぶつくさ言う奥さんが多い中、なんとも贅沢なことだった。
「去年の秋の楽しみを奪ってしまって申し訳ない、と言っていますけど」
あ~、そうだよ!去年の10月初めには山登りに行こうかと思っていたのに、おじさんの納骨の日程が決まらず、行けなくなったんだ!
くうみんは、今おじさんがどうしているのか、聞いてみた。
おじさんは今、スピリットガイドの坊さんと二人で旅をしているそうだ。お父さんとは一緒ではないが、何回か会ったらしい。
「酒はそっちでは飲めるの?」
くうみんが聞くと、首を振って、こっちではそんなの必要ないんだよ、と言っていると言う。何とあの世で酒をやめたか!
病院のベッドに横たわるおじさんの耳元で、「おじさん、こっちに帰っておいで」と、ささやいたのだが、それはわかっているの?そう聞くと、くうみんの背中に手を置いて、わかっているよ、と言うそうだ。
おじさんがいないからと言って、何かをするのを躊躇しないでほしい。旅行に行くのなら、おじさんも一緒に行く。あの船旅にも一緒に行ったんだよ。
なんとクルーズに行ったのも知っていたのか!!
ちょっと意地悪なことも聞いてみた。
「おじさん、私に好きな人ができたら、どうする?」
おじさんは笑って言ったそうだ。
おじさんがいるからと言って自分の幸せを逃すことはないよ。それがくうみんの幸せにつながるなら、思い通りにして欲しい。
「いつかまた、一緒に暮らせるの?」
くうみんの役目が終わったら迎えに行く。でも、毎日会いに行っているから、おじさんは今も一緒にいると言う感覚なんだよ。
へ?おじさんは毎日会いに来ているの?全然わからないけど。
なんでも、くうみんが夜寝るときに布団のそばに来て、顔を撫でて行くらしい。
顔を撫でて…おじさんなら顔をなめて行きそうに思う。
生前おじさんは、酔っ払って布団にもぐりこんだくうみんの枕元に座り込んで言ったものだ。
「ふっふっ、良く寝ている。真っ赤な顔をして…ペロッ!」
「ギャッ!」
顔をなめた!やはりこれはギャグだろうか?それにしても、そうか、毎日来ているのか。
ミディアムさんによると、旅行には積極的にもっと行くようにと言っている。今の季節なら、「山に行きたい。山に行こう、山に行こう」と、盛んに言っているという。マジこれは、おじさん…
そしてくうみんのスピリチュアルガイドのことも聞いた(別に要予約)。
最近来し方行く末が心配で…
守護霊と言うのは何人かいらっしゃるのだが、今回は修験者の格好をした男性が現れたという。だからくうみんは山が好きなのか?だからおじさんもくうみんに山行きを勧めるのか?
いや、おじさんは単に紅葉を楽しみ、温泉を楽しみたいだけに違いない。
山には行きたい。
でも、おじさん、日本列島はずっと天気が悪くて、その上台風も来そうだ。これでは山に行けないよ。
山の秋は早い。すぐ冬になってしまう。どうしよ~。
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